帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「別れの日」

「別れの日 ー無双鉄神インペライザー登場ー
ウルトラマンメビウス』第29話
2006年10月21日放送(第29話)
脚本 赤星政尚
監督 佐野智樹
特技監督 鈴木健二

 

ウルトラマンタロウ
身長 53m
体重 5万5千t
光の国への帰還命令を受けたメビウスの代わりに地球に派遣された。
メビウスの危機に現れ、スワローキックとストリウム光線でインペライザーを追い返した。

 

ウルトラの父
身長 45m
体重 5万t
地球に途轍もない脅威が迫りつつあり、今のメビウスが戦えば命を落とすのは確実だとして帰還命令を出す。

 

ウルトラの母
身長 40m
体重 3万2千t
父の話を受け、メビウスの代わりにウルトラ兄弟の一人が地球に派遣された事を伝える。

 

無双鉄神インペライザー
身長 60m
体重 6万t
何者かによって地球に送り込まれたロボット。
三連装ガトリングガンと肩の砲門から撃ち出されるビームで周囲を破壊していく。
破壊されても瞬時に復元し新たな能力が付け加えられ、メビウスのメビュームシュートで左肩を破壊された時は復元した肩の砲門から撃ち出されるビームにホーミング機能が追加され、メビウスブレイブのメビュームナイトブレードで右腕を切り落とされた時は復元した右腕が刃物に変形した。
最後はタロウのストリウム光線で上半身を吹き飛ばされるが、それでも機能が完全停止する事は無かった。

 

物語
休みの日を利用してCREW GUYS一人一人を訪ねていくミライ。異変を察したリュウはミライに真意を質す。
そこに無双鉄神インペライザーが出現! 圧倒的な破壊力の前にミライはある決断を下す。

 

感想
地球に途轍もない脅威が迫りつつあり、今のメビウスが戦えば命を落とすの確実だとして、ウルトラの父と母はメビウスに光の国への帰還命令を出す。
どうやらエンペラ軍団が地球を舞台に暗躍していた事をウルトラの父と母は第1話の「運命の出逢い」の時点では知らなかったようだ。純粋に若いウルトラマンであるメビウスに地球で経験を積ませる事が目的だったと思われる。
メビウスが帰還する代わりにウルトラ兄弟の一人であるタロウが地球に派遣される事となる。これはメビウスではエンペラ軍団相手に戦い抜けないと「戦力不足」を宣告したようなもの。ウルトラマンが地球を離れる理由は色々あるが、敵と戦い抜く強さを持っていないと判断されて帰還させられるのはメビウスだけである。
ただし、メビウスの代わりに派遣されたのがウルトラ兄弟の中でも最強と呼ばれるタロウなので、これはメビウスが弱いと言うより相手となるエンペラ軍団が強すぎると言った方が良い。なにせ宇宙警備隊結成のきっかけとなるほどの相手なので。

 

地球を離れる事になったミライはCREW GUYS一人一人を訪ねていく。
カレーの作り方を覚えてテッペイに料理を振る舞い、コノミの保育園を手伝い、マリナのバイクの整備をし、ジョージのサッカー教室に顔を出し、皆にお守りを渡していく。
この場面でテッペイはGUYSと大学を両立させて母親の理解も得ている事、コノミはGUYSが休みの日はみやま保育園に顔を出している事、自分の今後に迷いがあったマリナはGUYSでの経験を糧に世界選手権へと目標を定めている事、協調性が無いと言われたジョージが子供達にサッカーを教えながらスペインリーグへの復帰を目指している事が分かる。
こういう人物のドラマは1年かけて解決されるものなのだが『メビウス』では約半年でこれらの問題をあらかた解決している。そして『メビウス』はCREW GUYSのドラマを前半の半年で解決した事で後半の半年をウルトラマン達の話に集中する事が出来た。

 

ミライの様子がおかしい事からコノミはミライがGUYSを辞めるつもりではないかと心配する。
一方、ミライは休みの日にリュウを誘って手作りのサンドイッチを振る舞う。リュウがミライの行動の真意を質そうとした時、街中にインペライザーが現れる!

 

インペライザーの出現にサコミズ隊長はいつもより険しい表情で「無理はするな」と指示。サコミズ隊長はミライから事情を聞いているので、インペライザーがエンペラ軍団と関わりがある事を見抜いたのかもしれない。

 

CREW GUYSとインペライザーの戦いが始まる中、戦いに背を向けるミライを見てリュウが怒鳴る。
「目の前に敵がいるのに逃げ出すのか! 俺達が、GUYSが背を向けたら誰があいつらを倒せるんだ! 地球を救えるんだ!」。
その言葉にミライは振り返って答える。
「僕が、僕が救います!」。
これはGUYSではなくウルトラマンである自分が地球を救うと言う意味で、ミライが自分の正体を明かしGUYSに別れを告げた瞬間でもある。
撃墜されるガンフェニックスを見てミライは叫ぶ。
リュウさん。今まで、ありがとうございました!」。
ウルトラの父の忠告を思い出しながらも、目の前の傷付く人々を見て、空に飛んで行く赤い風船を見て、ミライは叫ぶ。
「見ていてください! 僕の最後の戦いを!」。
強い光が現れ、次にリュウが見たものはガンフェニックスを救うメビウスの姿だった。

 

戦うメビウスだったがインペライザーの前に苦戦を強いられ、遂に絶体絶命の危機に陥る。そこに上空から七色の光線が!
地上に降り立った赤い光球からタロウが出現。『T』のオープニングアレンジ曲がかかる!
自分は1978年生まれで、TVでウルトラ兄弟の客演をリアルタイムで見たのは『ティガ』の「ウルトラの星」しか無かった。なので、このタロウ登場は言いようの無い感動を覚えた。何と言うか、物凄く歴史的な瞬間に立ち会えた気持ちであった。

 

メビウスにとってタロウは教官。
「若い君を死なせるわけにはいかない」とメビウスに向かって言っているが、あのタロウが「若い君」と言うようになったのに時代の流れを感じる。(ウルトラマンの感覚だと32年は一瞬の事かもしれないが)
若いウルトラマンであるメビウスの次の守りはかつて地球を守っていたタロウであった。これはかつてタロウが地球防衛の任務を離れた後にベテランのセブンが地球防衛を担う事になったのを思い出す。『レオ』の劇中でタロウがいなくなった後に新しいウルトラマンではなくセブンが地球防衛の任務に就いた理由は語られていないが、今回のメビウスのように若いウルトラマンでは激戦区の地球を守るには戦力不足だと判断されて実績のあるセブンが選ばれたのかもしれない。

 

タロウはインペライザーを追い返すが、戦いで傷付いたメビウスは消滅してしまう。それを見たリュウメビウスが消滅した廃墟に向かって駆け出す。
「ミラーイ! メビウスなら、メビウスだって最初から言いやがれ! ……何でお前は、誰にも何も言わねぇで、一人で戦ってやがった……。弱ぇくせに無理ばっかりして、どんだけ死にそうになりやがった……。俺にどんだけ散々な事を言われやがった! 『今まで、ありがとうございました!』。その台詞は……俺のじゃねぇか。お前を助けてやってる気が、いつも助けてもらっていたのは俺の方じゃねぇか! ミライー!」。
ようやく廃墟の中にミライの姿を見付けたリュウだったがそこに瓦礫が……!