帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「オーシャンの勇魚」

「オーシャンの勇魚 ー宇宙有翼怪獣アリゲラ登場ー
ウルトラマンメビウス』第38話
2007年1月6日放送(第38話)
脚本 太田愛
監督・特技監督 アベユーイチ

 

宇宙有翼怪獣アリゲラ
身長 55m
体重 1万1千t
時空波に引かれて宇宙から襲来した。
戦闘機以上の飛行能力を持ちながら潜水性の海鳥のように海中でも活動できる。
コウモリやイルカのように超音波で世界を認識していて、パルスを使ってメビウスを海底に誘き寄せて倒そうとした。両肩のパルス孔から電磁気光線を、尾の先から破壊ビームを放つ。
CREW GUYSとGUYSオーシャンの共同作戦によって潜んでいた日本海溝から地上に誘き出され、腰回りに付いているジェット噴射孔を破壊されて空中戦が行えなくなったところをメビウスのメビュームブレードで真っ二つに斬られて倒された。

 

物語
宇宙から襲来したアリゲラとの戦いで負傷したメビウス=ミライ。
日本海溝に潜んだアリゲラを倒す為、GUYSオーシャンからイサナがやって来る。
フェニックスネストにやって来たイサナはアライソ整備長の所にやって来て……。

 

感想
空中に海上に海中にと縦横無尽に動き回るアリゲラ。CGを使った超高速の戦闘シーンが面白い。CGでは表現が難しいと言われる水を舞台にした場面が多いので今まであまり見られなかった絵が見られる回となっている。

 

この頃になるとミライがメビウスに変身して戦う事にCREW GUYSは違和感を抱かないようになっている。
テッペイの知識、コノミのマケット怪獣、ジョージの視覚、マリナの聴覚のようにミライのメビウスへの変身も特別な事ではなく皆と同じ一つの能力と言う感じになっている。

 

以前の海底を舞台にした話の「深海の二人」ではガンスピーダーが活躍して海中専用メカは登場しなかったが、今回はGUYSオーシャンがゲストなのでメテオールも装備した攻撃戦闘機シーウインガーや大型潜水艦ブルーウェイルが登場している。やはり、こういうメカは欲しい。

 

CREW GUYSとGUYSオーシャンの共同作戦は人形や模型を使った説明が分かり易くて良かった。ウルトラシリーズは映像作品なので、こういう見て分かる演出は必要。

 

今回ゲストのイサナは『仮面ライダー555』で草加雅人を演じた村上幸平さんの演技もあって『メビウス』ゲストキャラの中でも特に印象に残る人物となった。
かつて整備士見習いだったイサナはアライソ整備長に目を掛けられていたが、ある日、黙って試験を受けて勝手にGUYSオーシャンに行ってしまった。
それについてアライソ整備長は語る。
「若い時には何でも出来るような気がする。それが若さってもんだ。けど、あれもこれも全部は出来ねぇ。いずれは自分の一生をかけて悔いのないモノを自分で見付け出さなければならねぇ。思っているほど人生は長くはねぇんだ。イサナにとっては整備士より今の仕事の方が天職だった」。
「思っているほど人生は長くはない」と言う言葉は大人になるほど胸に響いてくる。
「初志貫徹」と言うか、子供向けの作品では最初に掲げた目標や夢を叶える展開が多く、『メビウス』も最終的にCREW GUYSは第1話で示された目標や夢を叶えていっている。なので、途中で自分にとっての天職を見付けてそれまでの仕事を辞めたと言う今回の話は子供向け作品では実は異色なのかもしれない。
この話を聞いたのはコノミだが、個人的にはアライソ整備長との関係や後に隊長になる事からリュウか自分の道に悩んでいたジョージやマリナが話を聞いても良かったと思う。
因みにイサナのフルネームは「勇魚洋」。こうして見ると、海に関係する仕事に就く運命だったのかなと思える。

 

意見を述べ合うCREW GUYSの姿を見たイサナは「一期一会だ。出会いは一度きりだ。だから、今、共にいる仲間を精一杯大事にしな」と告げる。最初はアリゲラとの遭遇のチャンスの事を言っているのだが、後半はCREW GUYSに向けての言葉になっている。
それぞれが別に目標や夢を持っているCREW GUYSはいつかは離れ離れになるので、この言葉は深く突き刺さった。
又、長い寿命を持つウルトラマンにとって地球での日々は非常に短い時間の出来事となる。だからこそ、仲間との時間を大事にしてほしいと言う意味も含まれていたのかもしれない。因みにウルトラマンと地球の人間の時間は違うと言う話は『タイガ』の『トライスクワッド ボイスドラマ』の「未来の思い出」にて触れられている。

 

イサナの正体はGUYSオーシャンの隊長だった。マリナに「軽い」と評されていたイサナだが、正体を明かした後はちゃんと隊長の雰囲気を出していた。
又、意外にもリュウはこういう時にCREW GUYSの代表としてきちんとした対応が出来ている。
イサナはアライソ整備長をGUYSオーシャンに引き抜きたかったが、アライソ整備長は面倒を見なければいけない飛行機があるとして断る。その飛行機とはCREW GUYSの事であった。裏を返せば、イサナはもうアライソ整備長に面倒を見てもらわなくても大丈夫となったと解釈する事も出来る。

 

CREW GUYS皆を煙に巻いたイサナ。本心をなかなか見せないイサナにGUYSオーシャンの隊員も困っているようだが、イサナは「何を考えているのか分かられるようでは隊長は務まらない」と返す。この「何を考えているのか分からない」と言うのはサコミズ隊長にも通じるものがある。