帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「メフィラスの遊戯」

「メフィラスの遊戯 ー宇宙礫岩怪獣グロマイト 悪質宇宙人メフィラス星人登場ー
ウルトラマンメビウス』第47話
2007年3月10日放送(第47話)
脚本 小林雄次
監督 アベユーイチ
特技監督 菊地雄一

 

ウルトラマン
身長 40m
体重 3万5千t
メフィラス星人の暗躍を見抜きながらも子供達を人質に取られて静観する事になる。その後、メビウスとCREW GUYSがメフィラス星人の罠を乗り越え、メフィラス星人が自分の定めたルールを自ら破ったのを見て参戦する。
スペシウム光線や追尾型の八つ裂き光輪で互角以上の戦いを展開し、メフィラス星人の敗北を宣告する。
戦いが終わった後、ミライにウルトラ兄弟が地球を離れる事を伝える。

 

悪質宇宙人メフィラス星人
身長 60m
体重 2万t
暗黒四天王の一角たる「知将」。
メビウスに人間の心を懸けた一対一の戦いを挑む。
宇宙船から発する電波で人々のメビウスに関する記憶を自分に置き換え、ウルトラマンを侵略者に、自分を地球の守護者にした。
CREW GUYSにメビウスを倒させようとするが失敗。激昂して自ら倒そうとしたところを初代マンに止められる。
戦いが終わった後、地球を去ろうとしたところを皇帝に粛清された。

 

宇宙礫岩怪獣グロマイト
身長 55m
体重 5万t
地上に現れて火球を吐くが、メフィラス星人に火球を撥ね返され、グリップビームで倒された。

 

物語
ヤプール、デスレム、グローザムを倒して暗黒四天王との戦いも一段落したある日、休暇を貰ったミライは街に出る。
そして遂に暗黒四天王最後の一人であるメフィラス星人が動き始める。メフィラス星人が進めるゲームとは一体?

 

感想
メフィラス星人メビウスが最も屈辱的な方法で敗北し失意のどん底で息絶える場面を見たいと言い、メビウスが最も信じているCREW GUYSにメビウスを倒させようとする。
その後、メフィラス星人は初代マンに向かって「自分は人間にもメビウスにも指一本触れないからあなたも手を出さないように」と釘を刺す。その際に「初代マンが手を出したら子供達を殺す」と脅しをかけるところが紳士的なようで意外と悪辣なメフィラス星人らしい。初代の頃からメフィラス星人は子供をよく狙う。
因みに加藤精三さんが声を担当している事や初代マンとの関係から『初代マン』の「禁じられた言葉」に登場した初代のメフィラス星人が再登場したような印象を受けるが実際は別人らしい。『初代マン』『T』『メビウス』のメフィラス星人は兄弟と言う説もあるらしい。3人が揃って会話している場面が想像できない兄弟である。

 

メフィラス星人が作り出した世界はBGMが一切無く、「禁じられた言葉」で使われた得体の知れない音が鳴り続けていた。他にも黒ずくめの人々等、普段と変わらぬ場所でありながら異質感が上手く作られていた。
因みにこの世界ではメビウスに関する記憶がメフィラス星人に置き換えられていて、ウルトラマンは侵略者でメフィラス星人は守護者となっている。
40年に亘って一人のメフィラス星人が地球を守って来た事になっているのか、それともメフィラスセブンやメフィラス星人タロウみたいにたくさんのメフィラス星人が地球を守って来た事になっているのか是非聞いてみたいところ。

 

メフィラス星人は人々の目の前で怪獣を倒す事で自分が今の地球の守護者だとミライに見せ付ける。
ここでグロマイトが選ばれた理由がちょっと分からない。出来れば、『初代マン』か『T』絡みの怪獣を選んでほしかった。
かつてメビウスが苦戦したグロマイトをあっさりと倒すメフィラス星人
メフィラス星人自身が強いのもあるだろうが、話の流れから、この戦いは元々仕組まれたもので最初からメフィラス星人の勝利は約束されていたと思われる。

 

フェニックスネストの司令室でのリュウ達の会話はメフィラス星人に支配されていての会話なのだが、台詞の中にある「ウルトラマン」と「メフィラス星人」を置き換えると、実は危うい『メビウス』の世界観が見えてくる。

 

ミライの事を信用できなくても怪我人は放っておけなかったテッペイ。
心情面では信用できなくてもデータを調べる事でミライと行動を共にするようになるのがテッペイらしい。一方で他のCREW GUYSはミライの涙を見て心の中に嫌なものを感じて真実に気付いていく。
そしてミライの訴えを聞いたテッペイは「別れの日」で貰ったお守りに目を向ける。ミライが語るファイヤーシンボルが描かれていない真っ黒なお守りで、これを証拠とするならミライの発言は嘘と言う事になるのだが、昔を思い出したテッペイは「違う……。これは違う!」と叫び、強い気持ちでメフィラス星人の支配を脱してお守りを元に戻すと、他のCREW GUYSにも呼び掛けて皆のお守りを元に戻してメフィラス星人の支配から解放するのであった。
あのデータ重視のテッペイが最後に強い気持ちで状況を打破するのが熱い!

 

自分の作戦通りにCREW GUYSが動かなかったのを見たメフィラス星人は激昂して宇宙船で攻撃。昔からこの種族は気が短い……。
メフィラス星人の支配を脱したCREW GUYSはガンフェニックスストライカーのバリアントスマッシャーでメフィラス星人の宇宙船を破壊。
そしてメフィラス星人が自分で定めたルールを自ら破ったのを見てハヤタは初代マンに変身する。

 

初代マンとメフィラス星人の戦いは『メビウス』最後の高速空中戦。(板野一郎さんが『メビウス』を最後にウルトラシリーズから離れるので、これが最後の板野サーカス
メビウスは撃墜されたガンフェニックスストライカーの救助に向かっているので、実質今回は初代マンとメフィラス星人の戦いとなっている。メフィラス星人のグリップビームを苦も無く撥ね返す初代マンがカッコ良い。第2期ウルトラシリーズではヤラレ役の印象があったウルトラ兄弟だが『メビウス』では本当に頼りになる。

 

「お前の仕組んだこのゲーム。お前自身が手を出した時点で既にお前の負けだったのだ」。
初代マンの言葉を受けたメフィラス星人はCREW GUYSがウルトラマン側に戻ったのを見て自らの敗北を認める。そして「暗黒四天王が負けた理由を分かった気がする」と言う一方で「まだ諦めたわけではない、必ずまた挑戦しに来る」と宣言して地球を去っていった。

 

メフィラス星人が去ったのを見届け、ハヤタはミライにウルトラ兄弟が地球を離れる事を伝え、不安を感じるミライに「案ずる事は無い。私が地球人を愛したように、君もまた心から彼らを愛し、信頼しているはずだ」と告げる。
メビウス』内でのウルトラ兄弟の動きをまとめると、Uキラーザウルスとの戦いの後は人間として地球に留まり、宇宙人連合とUキラーザウルス・ネオとの戦いの後に現状報告を兼ねて光の国に一度帰還し、エンペラ軍団が本格的に動き出して暗黒四天王が前線に出て来たのを察知して地球に戻り、暗黒四天王を全て退けたので再び現状報告を兼ねて光の国に帰還すると言った感じだろうか。

 

「君達ならば必ずこの星を守れる。私はそう信じている」。
ハヤタのメッセージを受け取るテッペイ。最終決戦の時は迫っていた……。

 

地球を見ていたメフィラス星人は謎の光線に襲われてしまう。
「皇帝……!? 私もまた不要になったゲームの駒と言うわけですね! 残念です!!」。
爆発四散するメフィラス星人。そして姿を現す闇の炎に包まれた謎の存在。
メフィラス星人をヤラレ役にしたのは賛否両論あると思うが、バトル作品では強敵をヤラレ役にしてラスボスを強く見せるのは常套手段なので自分はアリだと思う。

 

メビウスはインペライザーとの戦いでCREW GUYSの仲間達との絆でバーニングブレイブを生み出し、ヤプールとの戦いではCREW GUYSと分断されるが、物理的に離れても精神的には繋がっている事に気付いてバーニングブレイブに変身した。
そこでデスレムは人間の醜い一面を見せてメビウスと人間の絆を断とうとするが失敗。続くグローザムはバーニングブレイブ相手だろうが関係無しに力押しで攻撃してきたが人間の底力の前に敗北。最後にメフィラス星人はその人間にメビウスを倒させようと画策するがメビウスと人間の絆の前に失敗する。
こうして振り返ってみると全体の流れが良い感じに作られていると思う。特にヒーローのパワーアップ形態をちゃんとドラマに組み込んでいるのが嬉しい。