「ベムスター参上!」
『ウルトラギャラクシー 大怪獣バトル』第4話
2007年12月22日放送(第4話)
脚本 荒木憲一(脚本協力 関島眞頼)
監督 北浦嗣巳
原始怪鳥リトラ(S)
身長 15m
体重 1万t
ベムスターとの戦いで「ファイヤーリトラ」と呼ばれる最強攻撃形態に変身した。
全身にまとった炎を相手に叩きつける必殺技ファイヤーストライクを放つ。
尚、従来種のリトラにはファイヤーリトラへの変身能力は無く、バトルナイザーの影響で芽生えた能力と言われている。
アタック:600 ディフェンス:800 スピード:1500 必殺技:ファイヤーストライク
宇宙大怪獣ベムスター
身長 46m
体重 6万1千t
お腹の口から何でも食べて自分のエネルギーにしてしまう。頭の角から破壊光線を発射して攻撃する。
資源輸送基地を襲撃した後、スペースペンドラゴンのエネルギーを狙って現れた。
腹部でエネルギーを吸収する時に一瞬だけ動きが止まるところを狙われ、ファイヤーリトラとゴモラの連続攻撃で倒された。
アタック:700/0 ディフェンス:800 スピード:600 必殺技:吸引アトラクタースパウト
物語
周囲に30体もの怪獣が集まり、スペースペンドラゴンは怪獣に嗅ぎ付けられる前にその場を脱出しなくてはいけなくなった。
修理を無事に終えたペンドラゴンは惑星ボリスの首都ベラルゴシティに向かうがボスはその前に資源輸送基地を調査すると告げる。
感想
タイトルの元ネタはベムスターが初登場した『帰マン』の「ウルトラセブン参上!」。
正式にペンドラゴンの一員となって隊員服を貰うレイ。登場した頃はかなりトゲトゲしていたが、この頃になるとかなり丸くなっている。
「スペースペンドラゴンを3時間で修理する」と言うクマノに対してボスは「1時間で直してくれ」と告げる。それを聞いたクマノは「ボスは俺の事を魔法使いだと勘違いしているんです」と愚痴りながらも1時間で修理を終える。
よくある話なのだが、現場が3時間と言ったら上は3時間を待ってほしいと思う。大変なんだよ、修理時間を短縮するのって。
戦闘で経験値を上げて強くなるレイの存在をゲームの主人公みたいだと考えるハルナ。
ボスはそこにレイの記憶の鍵があると睨む。
ボスが立ち寄った資源輸送基地も怪獣に襲われて生存者はいなかった。実はそこにはかつてのスペースペンドラゴンのパイロットで有能な副長としてボスの片腕だった男がいた。彼はクマノが乗船する少し前に地上勤務になり、惑星ボリスの資源輸送基地責任者になっていた。
彼の名前はハルナ・ヒロキ。ハルナの兄で、ハルナは任務を優先して個人的な事はおくびにも出していなかったのだ。
個人的にはハルナと兄の関係は最初から話に出してほしかった。他のクルーには知らせずとも一人になった時に兄について触れる等していれば、怪獣を使って街を破壊したと思われるレイをハルナが危険視するのも理解しやすくなったと思う。
因みにハルナ・ヒロキを演じるのは平成ウルトラシリーズの常連である影丸さん。
個人的な感情は抑えていたハルナだが、さすがに兄が消息不明となった直接の原因であるベムスター相手にはそうもいかず、ドラゴンスピーダーでベムスターに攻撃を仕掛ける。しかし、その為にスペースペンドラゴンは資源輸送基地から離脱できず、ベムスターと戦う事になる。
最終的にオキのアドバイスを受け、ゴモラとファイヤーリトラの連続攻撃でベムスターを倒す事が出来たのだが、今回はハルナのドラゴンスピーダーでベムスターの腹部を攻撃して、その隙にゴモラが止めを刺す流れの方が良かった。
レイは怪獣を扱い、ボスは状況判断で、クマノはスペースペンドラゴンの修理で、オキは怪獣に関する知識でそれぞれ活躍があるのだが、ハルナはまだ目立った活躍が無い上、今回も一人で暴走して皆を危機に陥れると足を引っ張る事しかしていない。ここは汚名返上の為にもハルナに活躍してほしかった。
大学で「怪獣学」を専攻していたオキの知識がいよいよここから活かされる。
まず途中から足跡が出てきた事から空から飛来した怪獣だとし、資源輸送基地のエネルギーが消失している事と合わせて犯人がベムスターだと推測する。
さらにベムスターが腹部でエネルギーを吸収する時に一瞬だけ動きが止まる事を告げ、そのアドバイスでレイは勝利を収めている。
これまでのウルトラシリーズは特別チームが中心になって怪獣の特性や弱点を探って勝利に結び付けていたが、ZAPクルーは怪獣を調査する設備を持っていないので、オキの知識が怪獣に勝利する要となっていく。
又、オキは「胸にクリスタルのようなものがある」と言うレイの言葉からレイがヴィジョンに見る石の巨人の正体が初代マンである事も突き止めている。
知識の大事さがよく分かるキャラだ。
リトラがファイヤーリトラにパワーアップ!
手持ち怪獣のパワーアップは怪獣育成ゲームらしくて面白い。
兄の仇を討ってくれたレイにハルナは素直にお礼を述べる。この時に「自分も、自分の気持ちを素直に出すのは得意じゃないけれど……」と自分とレイが似た者同士である事に言及している。
それを聞いたレイはコーヒーを入れてくれたオキに向かって悩みながらも「ありが……とう」とお礼を言う。驚くクルーの中、居づらくなったレイは自分の部屋に帰るが「素直に……自分の気持ちを……か」と呟くとバトルナイザーの中にいるゴモラとリトラに向かって「よくやったぞ、ゴモラ、リトラ」と労いの言葉を掛けるのだった。
最初はゴモラもリトラも怪獣を倒す為の道具で友達ではないと言っていたレイだが、ここにきて大きな変化が訪れた。(レイ自身気付いていなかった本質が現れ始めたとも言える)
「彼は失った記憶の代わりに真っ白な心であらゆる事を学習しようとしている。そう、まるで……生まれたての子供のように」。