帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

『ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦! ベリアル銀河帝国』

ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦! ベリアル銀河帝国
2010年12月23日公開
脚本・監督 アベユーイチ

 

ウルトラセブン
身長 40m
体重 3万5千t
ウルトラ兄弟の一人でゼロの父親。
ゼロと力を合わせてダークロプスを倒した後、アナザースペースに旅立つゼロにウルトラゼロブレスレットを与えた。

 

その他のウルトラマン
ウルトラの父と母の他、ゾフィー、初代マン、ジャック、エース、タロウ、レオ、アストラ、80、メビウス、ヒカリのウルトラ兄弟、さらにユリアン、マックス、ゼノンが登場。
ダークロプス部隊との戦いではキングも参戦した模様。

 

ウルトラマンノア
身長 55m
体重 5万5千t
惑星アヌーで語り継がれている伝説の巨人。
最後まで決して諦めないゼロ達の心に反応して、ゼロにウルティメイトイージスを授けた。

 

帝国猟兵ダークロプス
身長 45m
体重 3万5千t
実験機であったダークロプスゼロの機能を制限して量産されたロボット。
内蔵されているシステムコアでエメラル鉱石のエネルギーをマイナスエネルギーに変換して作動する。
ダークロプススラッガーやダークロプススラッシュと言ったゼロの技がコピーされたものを使用する。
デルストと呼ばれるベリアル帝国軍の時空揚陸舟艇に格納されて光の国に送り込まれるが最終的にはウルトラマン達によって全滅した模様。
当初は登場の予定が無かったが、ダークロプスゼロの人気があったので登場となったらしい。

 

帝国機兵レギオノイド
身長 53m
体重 3万5千t
ベリアル帝国軍が惑星エスメラルダから略奪した資源と技術で作り出した尖兵。
目からレギオビームを撃つ他、手足のユニットを換装させる事で多用途に運用が可能となっている。ドリルアタッチメントと自走用ローラーを装着したのが地上戦タイプのα、キャノンアタッチメントとブースターノズルを装着したのが宇宙戦タイプのβとなっている。
かなりの数が作られたが最後はゼロ達によって全滅した模様。
『ファイヤーマン』に登場したロボット怪獣バランダーVがモデルと言われているがスタッフによると無関係らしい。当初は『ファイヤーマン』に登場した強獣キングザウラをモデルにした恐竜戦士ザウラーが登場するアイデアがあった。

 

暗黒参謀ダークゴーネ
身長 52m
体重 4万5千t
ベリアル帝国軍の二大幹部の一人で知略に長けた策謀派幹部。
闇の中を自由に行き来し、ゴーネビーム、ゴーネビュート、ゴーネブレードで相手を追い詰める。
ジャンボットと戦い、ナオとジャンボットの力を合わせた必殺・風車で倒された。
ジャンボーグA』に登場したグロース星人の戦闘隊長の名前が「○○ゴーネ」だったのを踏襲したキャラクター。

 

鋼鉄将軍アイアロン
身長 51m
体重 5万t
ベリアル帝国軍の二大幹部の一人で武闘派幹部。
必殺のアイアロンソニックと率いたレギオノイド軍で一度は鏡の星を壊滅させた。
ワイドゼロショットを正面から受けても耐えられる程の硬い肉体を誇っていたが、ミラーナイトの一点集中を狙ったシルバークロスで倒された。
ミラーマン』に登場した鋼鉄竜アイアンがモデルになっている。

 

銀河皇帝カイザーベリアル
身長 55m
体重 6万6千t
かつてゼロに敗れたベリアルがアナザースペースで銀河帝国を築き、その皇帝となった姿。右目にゼロとの戦いで受けた傷が残っている。
エメラル鉱石を大量に保有している惑星エスメラルダを侵略し、べリアル帝国軍を宇宙各地に派遣した。
今回はギガバトルナイザーを持っていないが、カイザーベリアルクローやデスシウム光線でゼロを圧倒した。

 

超銀河大帝アークベリアル
身長 300m
体重 30万t
カイザーベリアルが惑星エスメラルダのエメラル鉱石を大量に吸収して巨大化凶暴化した姿。
怪獣のような外見を持ち、口からアークデスシウム光線を吐く。大量のエメラル鉱石を吸収しているので無尽蔵のエネルギーを誇り、光線を放つまでの溜めも少ない。
ゼロ達を追い詰めるも最後は人々の諦めない心が生み出したウルティメイトゼロのファイナルウルティメイトゼロを受け、カラータイマーを破壊されて倒された。

 

物語
光の国を襲撃したダークロプスを撃破したゼロ。
ダークロプスの出所を探る為にゼロはアナザースペースへと旅立つ。
そこには新たな仲間と宿敵カイザーベリアルがいた!

 

感想
ウルトラマンシリーズ45周年記念作品の第1弾。
円谷プロのフィールズグループ参画後に初めて製作された映画。
配給がワーナー・ブラザーズ映画から松竹に戻った一方、様々なジャンルとのコラボ企画は前作に引き続いて行われる事となった。

 

本作と『VSダークロプスゼロ』は制作期間が短い事もあって前回のように全ての背景をCG合成する事は困難だった為、いくつかロケが行われている。
個人的には人間が登場する場面はCGの背景より実写の背景の方がしっくりくる。

 

ウルトラシリーズ以外の円谷作品である『ミラーマン』『ファイヤーマン』『ジャンボーグA』のキャラクターをモデルにした新キャラクターが登場し、オリジナル作品に縁のあるキャスティングが行われ、劇中でオリジナル作品のOPアレンジBGMが流れると、『A』の頃に構想があった「銀河連邦」の設定がウルティメイトフォースゼロに形を変えて40年振りに実現したとも言える。
この流れは円谷作品だけではなく後に東映作品でも仮面ライダースーパー戦隊以外のの作品のキャラクターが再登場したり、それらのキャラクターをモデルにした新キャラクターが登場したりして、仮面ライダースーパー戦隊と関わるようになっている。

 

ミラーナイトのデザインは漫画版の『ミラーマン』に登場したプロトタイプのミラーマンに近く、グレンファイヤーは体色以外はオリジナルとは異なるデザインになっていて、ジャンボットは『グリッドマン』のグリッドマンを思わせるデザインになっている。
因みに小学館から発売された本作の『超全集』にはジャンボーグ9とトリプルファイターをモデルにした新キャラクターも描かれている。ジャンボーグ9の方は後に登場するジャンナインをイメージさせる部分もあるがカラーの違い等で印象が異なっている。興味深いのがトリプルファイターの方で後に同じ三体合体となったサーガを思わせるデザインになっている。

 

デルストに格納されてダークロプスが光の国を襲撃。漫画等も含めると光の国は意外と攻撃を受けている。
ダークロプスは先のダークロプスゼロに比べて機能が制限されて弱体化しているが、先のダークロプスゼロの顛末を考えると納得。あのダークロプスゼロの機能を持った存在が100万体もいて反乱を起こしたらさすがのカイザーベリアルでも厄介なのだろう。ロボット怪獣は量産型になると弱体化する傾向があるが、高性能のまま量産すると操縦者の手に負えなくなってしまう恐れがあるからなのかもしれない。
ダークロプスゼロに比べて弱体化しているとは言えダークロプス3体を一人で相手にするのは大変で、さしものゼロも苦戦を強いられるが、そこにセブンが助けに入る。ここにゼロとセブンの親子共闘が実現! 口数が少ないセブンと微妙に緊張しているゼロの姿が二人の現在の関係を示している。ゼロのゼロスラッガーとセブンのアイスラッガーを合わせたコンビネーションゼロは燃える!

 

宇宙警備隊本部でダークロプスのシステムコアの分析が行われ、別の宇宙にある物質で作られていた事が判明。そして80は緑色の結晶体が放つエネルギーをマイナスエネルギーに変換してどこかに送信している事を突き止める。さすがマイナスエネルギーに関しては80は専門家であった。
ここ最近話題になっているマイナスエネルギーの原因はやはりベリアルにあったと考えて良いのだろうか。
因みに『80』30周年に当たる本作では80の声を長谷川初範さんが、ユリアンの声を萩原佐代子さんが担当している。

 

メビウス』で再登場した初代マンは『メビウス&ウルトラ兄弟』と『超ウルトラ8兄弟』ではAタイプ、『銀河伝説』ではBタイプ、そして本作ではCタイプを再現したマスクが作られている。

 

本作のナレーションは石坂浩二さん。意外と登板機会が多い。

 

別の宇宙に旅立つ事になったゼロにセブンはウルトラゼロブレスレットを与える。
セブンは『帰マン』の「ウルトラセブン参上!」でもジャックにウルトラブレスレットを渡していたが、セブンはブレスレット製作者に知り合いがいるのだろうか?
親が子に新アイテムを与えるのは『T』の「ウルトラの母 愛の奇跡」でウルトラの母がタロウにキングブレスレットを渡した事がある。
こうしてゼロはセブンの光線技とレオの格闘技に続いてジャックの武器も手に入れた事になる。
プラズマスパークエネルギーが込められているウルトラゼロブレスレットは別の宇宙から光の国に帰る道標になる他、予備エネルギーとしても使える代物。使えるのは3回だけだが、ウルトラゼロブレスレットを使った事はプラズマシンクロ装置を通じて光の国のセブン達も知る事が出来る等、かなりのシステム。
ウルトラゼロブレスレットの至れり尽くせりなシステムはゼロも言ったようにさすがにセブンは心配性な気もしてくるが、セブンの「忘れるな。私も皆もいつでもお前の事を思っている。お前は一人じゃない」と言う言葉を聞くに、今まで一緒に暮らせなかった事によるゼロへの後ろめたさもあったのかもしれない。

 

ゼロが光の国を旅立つ時にvoyagerの『すすめ! ウルトラマンゼロ』が流れる。GIRL NEXT DOORの『運命のしずく ~Destiny's star~』がウルトラのイメージに縛られない曲であるのに対し、こちらは正統派ウルトラソングと言った感じに仕上がっている。
尚、本作に関係してGIRL NEXT DOORのマスコットキャラ・ガルネコとセブンがコラボしたガルネコセブンと言うキャラクターが誕生している。

 

ダークロプスを送り込んだ何者かがいる別の宇宙に行くには光の国の全エネルギーを集めても一人が限度であった。ダークロプス絡みの事件なのでゼロが名乗りを上げ、ゼロは光の国の人々のエネルギーを受け取って別宇宙へと旅立つ。
今まで一人で戦う事が多かったゼロが多くの人々の希望を背負って旅立つのが印象的。
尚、この場面ではウルトラ兄弟の他に『マックス』からマックスとゼノンが参加していて、今回はTVシリーズのM78星雲関係者が集まったと言う感じになっている。

 

宇宙の外には超空間が広がり、そこでは別の宇宙は泡粒のように無数に浮いていると言う多世界宇宙マルチバース
これまでもパラレルワールド等はあったが、本作でゼロがアナザースペースに行ってからはウルトラマンが存在していなかった世界も舞台になるようになった。
様々な世界がマルチバースによって繋げられた事はウルトラの世界観を広げたとも狭めたとも考えられる。

 

惑星アヌーのランとナオの兄弟。
地表艇ハスキーやアヌーの住民の格好等、『スター・ウォーズ』を思わせるところがある。(物語もベリアル帝国軍と反乱軍の戦いだし)
ハリウッドと違って日本の実写作品ではこのようなスペースオペラはあまり作られていないので、本作の世界観は日本映画史の中でも独特のものと言える。日本の場合は実写よりもアニメ向きの世界観と言えるかな。

 

ゼロと合体していないランは少し声が高くて軽い感じ。
崖から落ちそうになった弟を助けようとしているところをゼロに助けられる事になるのだが、この状況は『セブン』の「地底GO! GO! GO!」でセブンが薩摩次郎を初めて助けた時と似ている。
セブンはその時に薩摩次郎をモデルにモロボシ・ダンに変身したが、ゼロは瀕死の重傷を負ったランと一体化している。セブンの息子でレオの弟子でありながらセブンやレオのような変身型ではなくて初代マンやジャックのような一体型となったのが面白い。ランがゼロと一体化している間の記憶を持っていなかった事も初代マンのパターンに近いと言える。
初めて人間の体を手に入れたので髪の毛を引っ張ったりしているゼロが何か可愛い。
兄は死んでしまったのか?と言うナオの問いにゼロは「大丈夫だ。生きている。俺達は二人で一人なんだ」と答え、時が来たらランは元に戻ると告げる。おそらく『平成セブン』でセブンがカザモリの傷を癒したように、ゼロも自分のエネルギーを分け与えるとかしてランの傷を治療したと思われる。
ゼロとランの関係は一方的なものではなく、別の宇宙でエネルギーを維持できないゼロも瀕死の重傷を負ったランも一体化しなければどちらも命の危機にあった。

 

前作ではクライマックスに登場したゼロだが今回は全編出ずっぱり。
前作の時点で既にかなり強くなっていたゼロだが、それでは危機を作る事が出来ず話を盛り上げられなくなるので、本作では別の宇宙なのでエネルギーの補給が出来ない、ウルトラゼロブレスレットを使っても変身は3回までと色々な制限が付けられた。
そう言えば、過去のウルトラシリーズで様々なテコ入れが行われたが、大抵がウルトラマン達のパワーアップであった中、セブンは活動制限が付けられていた。

 

エスメラルダ王家に代々仕えてきた鋼鉄の武人ジャンボット。
ウルトラシリーズでは珍しい主人公側の巨大変身ロボット。
ウルトラシリーズに限らず特撮作品で自我を持った巨大ロボットが主人公側なのは少ない。
声優が神谷浩史さんだからか、妙にツッコミ気質なキャラクターになっている。

 

自由を愛し無限の宇宙を駆け巡る無法者達である炎の海賊と炎の戦士グレンファイヤー。
ベリアル帝国軍に抵抗しエメラル鉱石を奪う戦いを繰り広げている神出鬼没の三兄弟は長男のガルが平泉成さん、次男のギルがきたろうさん、三男のグルがベンガルさんと濃すぎる面子。
平泉さんはグレンファイヤーのモデルになった『ファイヤーマン』で千葉隊員を演じていた。(因みに『ファイヤーマン』と同じく地球出身のヒーローが登場する『ガイア』では千葉参謀を演じていた)
因みにグレンファイヤーの武器であるファイヤースティックは『ファイヤーマン』では変身アイテムの名前であった。

 

グレンファイヤーは飛行形態ジャンバードの状態でジャンボットと出会っているので第一声が「焼き鳥にして食っちまうぞ!」となった。
ここでウルトラゼロアイによるゼロ初の変身シーンが描かれた。やはり父親のセブンを思わせる変身シーンとなっている。
ゼロとグレンファイヤーの出会いはまさしく「拳で語り合う」。
グレンファイヤーはゼロより体格が良くて肉弾戦向き。グレンドライバーは他のウルトラシリーズキャラでは見られないであろう技。その技を一度受けただけですぐに自分のものにしてしまうゼロはさすがは戦いの天才と言える。

 

ベリアル帝国軍と炎の海賊の戦いはウルトラシリーズでは珍しい宇宙での艦隊戦。『スター・ウォーズ』を思い出すが、過去にも内山まもるさんが『スター・ウォーズ』の影響を受けて『ザ・ウルトラマン』で宇宙艦隊戦を描いている。
グレンファイヤーはゼロや炎の海賊に注意を伝えた後、グレンスパークでスペースニトロメタンの海を爆発させてベリアル帝国軍を退却させる。
グレンスパークの元ネタは『ファイヤーマン』で使われたファイヤーダッシュと思われる。
グレンファイヤーはゼロと出会ってからものの数分で「仲間ってのは……良いもんだよな。楽しかったぜ!」と特攻している。グレンファイヤーらしいと言えばらしいのだが、さすがに展開が急すぎて見ている側としては感情が追い付かないままグレンファイヤーが生死不明になってしまった。(グレンファイヤーが生死不明になるのは『ファイヤーマン』の最終回でファイヤーマンが生死不明になるのを受けての展開だと思われるが)

 

意識を失ったゼロは眠りの中でランとナオの家族の夢を見る。これにより、ランはゼロの事をあまりよく知らないが、ゼロはランとナオの事を色々と知る事になった。
父と語り合う事も母に迎えられる事も無かったゼロはランの記憶を見てどう思ったのだろうか……。

 

グレンファイヤーの戦いを見たナオは自分はあんなに強くはなれないがやらなくてはいけないとしてゼロと組み手を始める。こうしてセブンからレオ、レオからゼロ、そしてゼロからナオへと新たな師弟の流れが生まれた。(ナオは元々「アヌー拳法」と言うのを使えたらしいが)

 

ミラーナイトがいる鏡の星は宇宙に浮かぶ巨大な鏡の中にあった。
エスメラルダ王家の先祖は二次元の民と交流があり、ミラーナイトは二次元の父とエスメラルダ人の母を持つ勇者でエスメラルダ王宮を守る勇者であった。
グレンファイヤーは炎でミラーナイトは水の世界でゼロと会っている。因みにジャンボットとダークゴーネは近未来を思わせる都市で戦っている。3人それぞれのイメージを反映した舞台と言える。
二次元の民は三次元世界で起こる事に関知しないとして、滅びる時は滅びれば良いと諦め気味。それはミラーナイトがカイザーベリアルの闇に侵されてレッドアイと言う状態に陥って自らを封印しなければいけなくなったから。
真面目な場面なのだが巨人が湖底で引き篭もりのように体育座りをしていると言う構図がシュールだった為、やたらとネタに使われる事となった場面。
「醜い姿を……見ないでくれ!」と叫ぶミラーナイトにゼロは「正義の為に戦った勇者の姿だ! お前は立派な奴だぜ!」と説得。ゼロの名前を聞いたミラーナイトはカイザーベリアルの闇が発現して暴走しかけるが、ゼロのウルトラゼロレクターによって浄化され、それを見て二次元の民も考えを改めるようになる。
そこにベリアル帝国軍が襲来。「鏡の星を汚す事は、この私、ミラーナイトが許さない!」とミラーナイトが戦うが、アイアロンのアイアロンソニックで巨大な鏡が破壊させれてしまう。
二次元の民の声を担当しているのは『ミラーマン』で主人公の鏡京太郎を演じた石田信之さん。これは翌年の2011年が『ミラーマン』40周年に当たるから。

 

ランとナオが持つバラージの盾のかけらを希望に、グレンファイヤーやミラーナイトから情報を得て、遂に伝説の巨人ノアの石像に辿り着いたゼロ達。
この冒険の流れはRPGに近い。ウルトラシリーズでは過去に『メロス』が同じパターンであったが、そう言えば、最終決戦で主人公が鎧を着てパワーアップすると言うのも『メロス』と同じと言える。
バラージの盾の石像にナオがかけらをはめるが何故か石像は砂となって消えてしまった。父は間違っていたのか?と叫ぶナオにゼロは「自分の父を信じなくてどうする」と諭す。
ウルトラマンノアとノアの神が同じ「ノア」の名前を冠していた事から「バラージの青い石」の話が形を変えて再び取り上げられる事となった。
因みにランとナオの父親ヒロを演じたのは『ネクサス』で和倉隊長役だった石橋保さんで、母親ミナを演じたのが西条副隊長役だったさとうやすえさんとノア絡みのキャスティングとなっている。さらに言ってしまえば、本作の監督はノアが登場した『ネクサス』の最終回「絆 ーネクサスー」を担当したアベ監督で、本作の音楽担当は『ネクサス』を担当していた川井憲次さんとなっている。

 

ウルティメイトフォースゼロはゼロの宮野真守さん、グレンファイヤーの関智一さん、ミラーナイトの緑川光さん、ジャンボットの神谷浩史さんと人気男性声優がキャスティングされている。『仮面ライダー電王』で着ぐるみに男性声優が声を当てたイマジンが人気を博したので、それを受けた流れと思われる。
因みにウルティメイトフォースゼロを担当した声優はガンダムシリーズのメインキャラも担当していると言う共通点がある。

 

鏡の星の崩壊に巻き込まれて奈落に落ちたゼロはベリアル帝国軍の帝都要塞に捕らえられる。閉じ込められたゼロを遥か高い階段の上にある玉座から見下ろすカイザーベリアル。
「やっと会えたな……。ダークロプスを送り込んだかいがあったぜ。疼く……。疼くぜ、この傷が……!」。
前回のゼロとの戦いで右目に傷を負い、ウルトラの父や母やウルトラ兄弟に対抗するようにマントを羽織ったカイザーベリアルがカッコいい。
因みにノーマルのベリアルの体重が6万tでカイザーベリアルが6万6千tなのでベリアルマントの重さは6千tとなる。かなり重い。(撮影に使われたマントも重かったらしい)
「俺と戦え!」と叫ぶゼロを「ちっぽけな虫けら」と嘲笑い、100万体のダークロプス軍団で光の国がぶっ潰される様子を見せ付けようとする等、カイザーベリアルはゼロへの復讐に固執している。結果的にゼロを要塞内で捕らえていたばっかりに反撃を受けて野望が潰える事になるが……。ダークロプス軍団が壊滅したのも先行して3体を光の国に送り込んだ事でウルトラマン達が警戒するようになったからだろうし……。
それにしても機能を制限していたとは言え100万体もいたダークロプス軍団が壊滅するとはウルトラマン達が強いのかダークロプスが弱いのか……。

 

ウルトラゼロブレスレットが使えるのは3回まで。
最初はグレンファイヤーとの戦いで変身道具ウルトラゼロアイを出し、ベリアル帝国軍との戦いでウルトラゼロブレスレットをウルトラゼロランスに変形させている。
二度目はミラーナイトに注入された闇を浄化する為にウルトラゼロアイを出している。
そして最後はナオとエメラナ姫を助ける為にウルトラゼロアイを出してガンモードに変形させている。この時は変身はしていなかったのでウルトラゼロアイはまだ有効で、カイザーベリアルに奪われたウルトラゼロアイを取り戻して最後の変身を行っている。
ウルトラゼロブレスレットは変身道具と万能武器と言うウルトラマンが持つ二大アイテムを一つにまとめたアイデアが上手かった。ゼロシリーズではかつての第2期ウルトラシリーズのように光の国の科学力や道具が再び取り上げられているのが嬉しい。

 

捕らえられたゼロが悔しさを滲ませているところにナオとエメラナ姫とジャンバードがベリアル帝国軍と戦っている映像が流れる。諦めないナオ達の姿にゼロが涙を流すと、それを鏡の代わりにしてミラーナイトが出現。ジャンバードとミラーナイトによってカイザーベリアルの手からウルトラゼロアイが離れ、それを受け取ってゼロは最後の変身をする。
ゼロとカイザーベリアルの戦いでは短い時間だったがマントを付けてのカイザーベリアルの立ち回りがカッコ良かった。
銀河伝説』ではギガバトルナイザー中心の戦いだったのでベリアル本人は弱いのかもしれないと言われたが、本作ではゼロ相手に優勢に戦う等、さすがの強さを見せた。格闘能力が大幅に向上したところを見ると、ゼロだけでなくベリアルも自分を鍛えてパワーアップしていたのかもしれない。
デスシウム光線は腕を十字に組んで放つウルトラマンならではの技。他にもウルトラサインを使う等、悪に堕ちてもベリアルはウルトラマンだったんだなと思わせる。
ゼロを圧倒したベリアルが放った「本当の恐怖はこれからだ!」はダイナを意識した台詞かな?(ベリアルがこの台詞を聞いていたとは思えないので偶然かもしれないけれど)

 

イベント『ウルトラマンベリアル THE STAGE 超最強! ベリアル銀河帝国』は本作の前日談となっていて、『銀河伝説』でゼロに倒されたベリアルがどのようにしてベリアル銀河帝国を築いたのかが描かれている。
後のダークネスファイブや伏井出ケイもだが、意外とベリアルは部下に慕われている事が分かる。

 

ジャンバードとダークゴーネの戦いは空中戦。ダークゴーネのゴーネビュートでエメラル鉱石エネルギーを吸収されてジャンバードは墜落。そこでエメラナ姫はエスメラルダ王家の血にはエメラル鉱石と同じエネルギーがあるとして動力炉にその身を投じる。
星のエネルギーと同じものが流れている肉体と言うのが何か凄い。
エメラナ姫の犠牲で機能が回復したジャンバードはナオに力を貸してくれと頼み、ナオはアヌー拳法で戦う事を決意する。
「叫べ、ナオ! ジャンファイト!」。
この「ジャンファイト」は『ジャンボーグA』でナオキがジャンセスナをジャンボーグAに変形させる際の掛け声がモデル。必殺技の「風車」も『ジャンボーグA』でのジャンボーグAの必殺技の一つ。ナオの名前も『ジャンボーグA』の主人公である立花ナオキが元ネタとなっている。
ところでジャンボットは操縦者のアクションをトレースする事でパワーを増幅して活動する事が可能になるとされている。本作以降では操縦者がいない状態で戦っているので、実は戦闘能力をフルに発揮できていないのかもしれない。

 

アイアロンと戦うミラーナイト。
「鏡の星は脆かったな。お前も!」と挑発するアイアロンに対し、ミラーナイトはディフェンスミラーを使ってシルバークロスをアイアロンの背中のある一点に集中させて勝利。「脆かったのはお前の方だ」と冷静沈着なようで意外に激昂家だった一面を見せた。アイアロンはワイドゼロショットの直撃にも耐えられた強靭なボディを誇っていたが、わずか一点の綻びと油断が敗北に繋がった。

 

エメラル鉱石の貯蔵庫にやって来たカイザーベリアルは膨大なエメラル鉱石を吸収してアークベリアルに巨大化凶暴化する。ベリュドラの時といい、やたらと巨大化したがる奴だ。
かつてはウルトラマンだったベリアルも遂に怪獣化。背中にエメラル鉱石が生えたその姿はゴジラを思わせる。(シルエット的にはスペースゴジラに近いか)

 

そこに炎の海賊、二次元人の艦隊、レジスタンスの艦隊が援護に現れる。
レジスタンスの旗艦は宇宙万能戦艦マイティスター号となっていて、『マイティジャック』のマイティ号がモデルで、レジスタンスに加わっている惑星の数も11となっている。

 

ここでゼロ、グレンファイヤー、ミラーナイト、ジャンボットの4人が集結。
アークベリアルはアークデスシウム光線で惑星エスメラルダごとゼロ達を倒そうとし、ゼロ達はディフェンスミラーゼロを展開してそれを阻止しようとする。しかし、大量のエメラル鉱石を吸収して無尽蔵のエネルギーを誇るアークベリアルの前にゼロのエネルギーが尽きかけようとしていた。
ゼロ「俺達は絶対……負けない」、
ナオ「負けないよ! 絶対に負けない! 負けるもんかー!!」。
そしてナオはノアの石像の地でノアから受け取ったメッセージを伝える。
ナオ「僕ら皆バラージの盾のかけらなんだって。僕らが集まって助け合ってバラージの盾が生まれるんだ。僕ら皆の心の中に力はあるんだ。ねぇ、そうだよね。父さーん!!」。
その時、ナオが光り、仲間達もそれに共鳴して光り、それらの光が集まってゼロへと注ぎこまれる。そしてゼロの前に伝説の巨人ノアが姿を現す。
雑誌展開ではM78星雲のウルトラマン達と共演していたノアが遂に映像作品でも時空を超えて他の世界のウルトラマンとの共演を果たした。
ノアからバラージの盾が変形したウルティメイトイージスを授かったゼロはそれを身に纏ってウルティメイトゼロにパワーアップ。ウルティメイトゼロソードでベリアル帝国軍を壊滅させ、最後の一撃を放つ為にエネルギーを溜める。
その間の時間稼ぎをグレンファイヤー達が行うがアークベリアルはそれを振り切ってとどめのアークデスシウム光線を放つ。アークデスシウム光線がウルティメイトゼロを粉砕したかと思いきやそれはミラーナイトが作り出した鏡であった。「鏡を作るのは得意なんでね。知らなかったかい?」と最初の戦いで敗北を喫した悔しさを得意満面で晴らしたミラーナイトがカッコいい!
ゼロ「ベリアル、受けてみろ! これが、俺達の光だぁー!!」。
ウルティメイトゼロの最終超絶技ファイナルウルティメイトゼロによってアークベリアルのカラータイマーが破壊され、遂にベリアルは息絶えるのであった。

 

戦いが終わり、ウルティメイトイージスはウルティメイトブレスレットに変形。3回の使用で消滅したウルトラゼロブレスレットに代わるゼロのアイテムとなった。
ノアがノアイージスの力で時空跳躍が可能な事から、その力を受け継いだゼロも時空を跳躍し他の宇宙でも急激なエネルギー切れを起こさずに戦う事が出来るようになった。
光の国の全エネルギーを使っても一人しか別の宇宙に送り込めない、別の宇宙では急激にエネルギーを消耗すると本作で描写されていたので、いかにノアの能力が他のウルトラマンと比べても抜きん出ているのかが分かる。
セブンの息子でレオから格闘技を仕込まれ、プラズマスパークエネルギーを与えられる等、デビュー戦で既にかなりのチート振りを発揮していたゼロは本作では新たにノアの能力も手に入れた。だが、ゼロのパワーアップはまだまだ終わらない……。

 

ベリアルを倒したゼロは心の中で「皆……ありがとう」と感謝の弁を述べる。
これまでゼロの戦いは怪獣墓場や惑星チェイニー等、数人の限られた仲間との戦いが殆どだったので、これほど多くの人と力を合わせて戦ったのは初めての経験であり、言葉では言い表せられない感動があったと思われる。

 

ジャンバードの動力炉に身を投げて死んだと思われたエメラナ姫だったが生きていた。しかも「体重はちょっと減ったかも」と割と平然として。このオチは笑った。
この時のランの驚き振りはゼロの驚きでもある。後の『サーガ』や『列伝』等で見られるゼロのリアクション王の片鱗が垣間見える。
見た目が殆ど変わらず体重がちょっと減った程度でジャンボットがあそこまで戦えるのだからエメラル鉱石のエネルギーは凄いものだ。エメラル鉱石を大量に吸収したアークベリアルがあそこまでのエネルギーを誇っていたのも頷ける。
ところで、エメラル鉱石と同じエネルギーはエメラナ姫の体に流れているのに何故に衣装や装飾品が消える? 因みにエメラナ姫を演じた土屋太鳳さんは「どんどん監督に脱がされていく」とコメントしたらしいw

 

最初にベリアル帝国軍の侵略を受けた場所から惑星エスメラルダの復興を見守るエメラナ姫。そこにベリアル帝国軍の侵略の際にエメラナ姫が落としていたティアラをゼロが拾ってエメラナ姫に付ける。
あのゼロが女の子にアクセサリーを付けて「似合うぜ」と言えたのが驚き。意識せずやっている感じがするが……。
惑星エスメラルダに平和が戻った事を確信したゼロはランと分離し、エメラナ姫やナオがお礼を言う間も無く宇宙へと飛び去ってしまう。それを見たナオは「まだちゃんと言ってないんだよ! ありがとー!!」と宇宙に向かって叫び、それをゼロは少し照れくさそうに宇宙で聞いていた。
エメラナ姫がゼロの事をどう思っていたのかは分からないが、ティアラの件を見ると多少は意識していたはず。そう考えると、ゼロも罪な奴である。
ゼロと一体化していたランだがその間の記憶は無かった。ゼロと一体化した人間との交流は後の『サーガ』で行われる事となる。

 

宇宙を行くゼロのところにグレンファイヤーとミラーナイトとジャンボットが合流する。ベリアル帝国軍は壊滅したが、まだ宇宙にはダークゴーネやアイアロンのような敵はたくさんいる。それを聞いたゼロは一人で旅立つのを止めてグレンファイヤー達に向かって告げる。
「俺は新しい宇宙警備隊を作る。お前ら、仲間になれ! 俺達はウルティメイトフォースゼロだ!」。
ちゃっかりと自分の名前をチーム名に入れてしまうゼロであった。
こうしてゼロは遠く離れた別の宇宙でかけがえのない仲間を手に入れたのだった。