帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「君に会うために」

「君に会うために」
ウルトラマンギンガS』第12話
2014年1月25日放送(第12話)
脚本 林壮太郎
監督 田口清隆

 

分身宇宙人ガッツ星人ボルスト(SD)
身長 14cm~40m
体重 150g~1万t
本来は調査には向かない性格なのだが、人手不足からエクセラーの頼みを聞いて雫が丘の地下にあるビクトリウムの鉱脈を探す事になった。しかし、その最中に自分が毛嫌いしていたジェイスが地球人の千草を守っている事を知り、エクセラーの指示を無視してジェイスを倒そうとする。
ゾアムルチにモンスライブするが、最後はジェイスとギンガとビクトリーに敗れた。

 

巨大魚怪獣ゾアムルチ(SD)
身長 14cm~48m
体重 150g~1万t
ボルストがモンスライブした。
ジェイス、ギンガ、ビクトリーの3人を相手に一時は優勢に立つが、ジェイスの宇宙ケミカルライトの作用で千草に魅了された隙にギンガストリウムのウルトラショットとビクトリーのビクトリウムシュートで倒された。

 

無双鉄神インペライザー(SD)
身長 14cm~60m
体重 150g~6万t
雫が丘の地下にあるビクトリウムの鉱脈を探す為に現れた。
ビクトリーのシェパードンセイバーフラッシュで倒される。
誰がモンスライブしていたかは不明。チブロイドかな?

 

幻覚宇宙人メトロン星人ジェイス(SD)
身長 14cm~50m
体重 150g~1万8千t
「夕焼けのエージェント」と言う肩書きを持つ。同胞が巧妙な計画を立案していたのでエクセラーに侵略の先遣隊として選ばれた。
1年前に地球に降り立った後、アイドルブームを利用する事にして、人間の理性を麻痺させ凶暴化させる宇宙ケミカルライトを開発する。人間同士の信頼関係を崩壊させて自滅に導こうとしたが、ファンのアイドルに対する夢中さの前では宇宙ケミカルライトは無力で、逆にジェイスがアイドル千草のファンになってしまった。やがて千草の追っかけをするようになり、地球の友人もたくさん出来て充実した楽しい日々を送る中で侵略の意思を失った。
自分を毛嫌いするボルストと対立し、千草を守る為に巨大化してギンガとビクトリーと一緒に戦った。戦いが終わった後もその正体は秘密とされ、皆と一緒に千草のライブを楽しんでいた。
人間態の名前は丹波でタンバリンを愛用している。その礼儀正しさはスタッフからも一目置かれているとの事。

 

物語
人気急上昇中のアイドルとなった千草が雫が丘でイベントを開く事となった。
そこにまたもやボルストが現れるが、千草を守ったのは丹波と言う一人のファンであった。
果たしてタンバリンおじさんこと丹波さんの正体とは?

 

感想
人気急上昇中のアイドルとして千草が再登場。
『ギンガ』の「アイドルはラゴン」でのどん底振りから2年でここまで来るとは努力したんだろうな。
因みに『ギンガ』と『ギンガS』の間の千草を描いた作品として『S-Fマガジン』に掲載された『マウンテンピーナッツ』と言う小林泰三さんの小説があるが、設定が『ギンガ』『ギンガS』とは大きく異なっているので、既存の登場人物や設定を使った小林泰三さんのオリジナル作品として読んだ方が良いと思う。

 

千草は怪獣災害復興チャリティー公演で雫が丘にやって来た。
放送時期を考えると東日本大震災後に多く催された災害復興イベントをイメージしていると思われる。
この「怪獣災害」と言う概念は昔からあるが、『ギンガS』はそれを作品全体に亘って何度か取り上げる事で怪獣が出る作品として設定にリアリティをもたらしていた。

 

千草と一緒に歌っているタケルとチアキはvoyagerのTAKERUさんと瀬下千晶さん。
ウルトラマンギンガの歌』はやはり名曲!

 

千草のファンである事が明らかになったゴウキ。
ゴウキのアイドルオタクな部分を見てアリサは「先輩としての威厳が崩れ去った」と嘆く。
人の趣味にとやかく言う気は無いが、職場での姿しか知らない状態でいきなり趣味での姿を見せられてもどのような反応をすれば良いのか迷うところはある。

 

通称「タンバリンおじさん」。スタッフも一目置く礼儀正しいファン。
こういう何かのオタクを取り上げる時は否定的だったり嘲笑ったりした取り上げ方が多いのだが、丹波さんは最初から最後までカッコ良かった。
ウルトラシリーズでも若者文化は否定的に描かれる事が多いので、こういう肯定的な描かれ方は意外と珍しい。

 

街を破壊するよりも何かを探っている様子のインペライザーを見てビクトリアンは「ビクトリウムの鉱脈を探しているのでは」と推理。
この雫が丘の地下にはビクトリウムの鉱脈があると言うのは次回からの話に繋がっていく。

 

画面手前でUPGとボルストが等身大戦を、画面奥でビクトリーとインペライザーが巨大戦を行う場面は巨大ヒーローのウルトラマンだからこそ出来る絵で実に面白い。
UPGがボルストに銃を向けるのとビクトリーが「シュワッチ!」と空に飛び立つのが同時なのが実に心地良い。

 

ジェイスの人間態である丹波さんは何故か『快傑ズバット』風。何故だ!?

 

メトロン星人の姿を見ても特に驚かない千草に驚くメトロン星人
千草曰く「私、宇宙人とか怪獣とかには慣れっこなんで」。
さすがは初代マンにもライブした事があるアイドル!

 

今回のメトロン星人の計画はアイドルブームを利用する事。タバコにエコに携帯電話にアイドルとメトロン星人の目の付け所は相変わらず素晴らしい。因みにマナ役の最上もがさんも『ギンガS』放送当時は女性アイドルグループのでんぱ組.incに所属していた。
アイドルブームを利用しようとして逆に千草のファンになったジェイス。まさにミイラ取りがミイラ。そう言えば『セブン』の「狙われた街」に登場した初代メトロン星人も『マックス』の「狙われない町」の頃になると地球に思い入れのようなものを抱いていた。ひょっとしたら、メトロン星人と地球人は姿形は違っていてもメンタルの部分は結構似ているのかもしれない。
ゾアムルチが登場するので戦闘シーンに『帰マン』の「怪獣使いと少年」のオマージュが込められているが、「調査の為に派遣された宇宙人」と言う点でジェイスはメイツ星人と似た位置であったと見る事が出来る。メイツ星人の金山さんも何かが違っていたら今回の丹波さんのような幸せな結末を迎えられたのだろうか?

 

目的の為にビクトリウムの鉱脈に関する調査を続けたいエクセラーと気に入らない上に自分達を裏切ったジェイスに対する怒りが爆発するボルスト。
今回は二人のそりの合わなさが遂に表面化し、殆ど喧嘩別れするような形に。
その後のボルストの目的はジェイスを倒す事のみ。ヒカルを捕縛してギンガに変身できないようにしておきながら、ジェイス打倒を優先してヒカルを放置してしまう。
う~ん……。ジェイスも言っていたがボルストがあまりにも短絡的すぎる。あれだけの能力を持っていたのだから、もっと冷静に戦況を見る事が出来ればなぁと思う。
因みにエクセラーがボルストに今回与えたスパークドールズはゾアムルチ。
ゾアムルチはムルチの改良版ではあるが、ムルチと言えば『A』の「太陽の命 エースの命」でドラゴリーに倒されて「怪獣は超獣には敵わない」と言う事を身をもって示した怪獣。前回の戦いで超獣のスパークドールズを渡していながら今回はゾアムルチのスパークドールズを渡した辺り、エクセラーはいよいよボルストを見限ったと言える。

 

1年前に放ったジェイスはアイドルオタクになって任務を放棄し、ヤプールには裏をかかれ、ヒヨリとワンゼロには裏切られ、ムエルテはやる気が無く、残るは脳筋のボルストだけとエクセラーは部下や仲間にとことん恵まれていない。まぁ、その原因の大部分はエクセラー自身にあるので自業自得と言えるが……。

 

メトロン星人登場だからか今回は前回の「ガンQの涙」以上に光と影のコントラストが強く出ていて、より実相寺監督回ぽくなっている。
あと、キサラ女王が異様にエロい。ここも実相寺監督っぽいと言えばぽいかな。
ビルのガラスに映るビクトリーとインペライザーの場面は『サーガ』のダイナ登場シーンを思わせる。周りのミニチュアを高くする事で逆にウルトラマンや怪獣が巨大に見えると言うのが面白い。実相寺監督回は鏡や水面に何かを映すカットが多いので、ビルのガラスの場面もオマージュだったのかもしれない。
ギンガスパークやビクトリーランサーが掲げられた瞬間にギンガやビクトリーの登場シーンへと繋がる編集がテンポ良くてクールに仕上がっている。
ミニチュアが良く出てきていて、もうかつてのレベルに負けていないと言って良いと思う。

 

最後のギンガ、ビクトリー、ジェイス、ゾアムルチの戦いは、夕焼けの中で行われるのが『セブン』の「狙われた街」で、長回しの中でカメラがゆっくりと横移動していくのが『帰マン』の「怪獣使いと少年」のオマージュとなっている。
ここまで来たら何とかしてドラゴリーも出して『A』の「怪獣対超獣対宇宙人」「太陽の命 エースの命」のオマージュも入れてほしかったところ。

 

陣野隊長はジェイスは理解しあえる存在だとして上層部に報告しない事にした。まぁ、あの上司だしねぇ……。
宇宙ケミカルライトを見つめる陣野隊長の目がおかしかったが後に何か語られる事は無かった。妙に気になるんだが……。

 

「夢中になれる事があれば姿も星も関係無いんですね」。

 

 

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