帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「可能性のかたまり」

「可能性のかたまり」
ウルトラマンX』第2話
2015年7月21日放送(第2話)
脚本 小林弘利
監督 田口清隆

 

火山怪鳥バードン
身長 62m
体重 3万3千t
火山である大熊山の地底にあるマグマに中に棲んでいたが産卵の為に地上に出て巣を作った。
Xio識別カテゴリーではタイプBに分類される。
口から火を吐き、クチバシで相手を突いて毒を送り込む。
ゴモラアーマーのゴモラ振動波を受けてスパークドールズになった。

 

物語
バードンが地上に現れて産卵の為の巣を作った。
巣の材料の中に閉じ込められている人々を救う為にXioは作戦を実行する。
そしてバードンに苦戦するエックスにグルマン博士が送ったモノとは!?

 

感想
大怪獣バトルやゼロシリーズやギンガシリーズではレイオニクスや侵略者や闇のエージェント達が怪獣を駒として動かしていたが、本作ではそう言った怪獣を動かす存在が登場しないで、怪獣が一つの生命体として描かれる話が作られるようになった。
この辺りも『X』らしい「原点回帰」の一つと言える。

 

これまでのウルトラシリーズでは作品の基本設定をナレーションや隊長の説明で紹介する事が多かったが、本作ではオペレーションベースXの見学ツアーと言う形を取って「ウルトラフレア」「スパークドールズ」「地球防衛機構UNVER」「Xio」と言った基本設定を紹介している。
又、この見学ツアーは「一般市民に特別チームを紹介する」となっているので、一般市民がXioやXioが戦う怪獣や宇宙人をどのように見ているのか、それに対してXioの隊員は実際にはどのように考えているのかと言うところも視聴者に向けて紹介している。

 

ファントン星人のグルマン博士が登場。ガイドによると「Xioでは友好的な宇宙人に研究活動を手伝ってもらっている」との事。Xioのスーパーテクノロジーの多くはグルマン博士の協力の賜物で、マスケッティシリーズの武器には「ファントン」の名前が付けられている。
ウルトラシリーズでは放送当時を舞台にした作品でも特別チームが地球の基準を遥かに超えた科学を装備している事が多いが、本作ではグルマン博士の存在によってその辺りの説明がなされている。
グルマン博士がXioに関わる経緯は劇中では語られていないが『ウルトラマンX超全集』で語られている。

 

Xioのスーパーテクノロジーはグルマン博士だけで開発したわけではないと訴えるルイルイ。実際、彼女は今回の話で「7時間後に体が透明化する透明リキッド」の開発に成功している。さり気に凄い発明だ。

 

15年前に実体を失ってしまったエックスは自力で実体に戻る事が出来なくなってしまった。そこでエックスは自分の存在をデータ化し、そのおかげで大地のジオデバイザーと一体化する事が出来た。そしてエクスデバイザーと大地の存在によってエックスは再び実体化する事が出来るようになった。
ウルトラマンと地球人が合体する理由は様々であるが今回は「「星空の声」でデマーガに襲われた大地はエックスがいなければ命を落としていた」、「エックスは大地のジオデバイザーと一体化して大地とユナイトしなければ実体化できなかった」とお互いに助け合う形となった。この「どちらか一方が相手を助ける」ではなくて「お互いに助け合う」と言う形になった事でエックスと大地は対等の関係で付き合う事となった。

 

エックスは15年前からずっと大地の持つ周波数に惹き付けられていたらしい。
「15年前」と「周波数が一番近いのは家族」と言う話を聞いて大地は消失した自分の両親の事を思う。

 

エックスと話をしている大地に「彼女でも出来たのか?」と声を掛けるグルマン博士。
大地はエックスの存在を誤魔化すが、グルマン博士は大地が最近いつも誰かと話をしている事を知っていて、大地のジオデバイザーが地球外の材質に変わっている事にも気付いた。又、ここで大地と話をしたエックスとサイバー怪獣の共通点が後のモンスアーマー開発に繋がっているので、グルマン博士はこの時点で大地とエックスの関係に気付いていたと思われる。

 

本作では『ギンガS』に続いて日産自動車との共同プロモーションが行われていて、日産の電気自動車をベースにした特捜車両が操縦ユニットとしてジオマスケッティと合体すると言う設定になっている。

 

『ワンダバ』が鳴る中、地上から怪獣に向けてバズーカを撃つアスナ
『帰マン』を思い出す。懐かしい。

 

エックス「大地! ユナイトだ!」、
大地「でも、俺、高い所が」、
エックス「そんな事言ってる」、
大地「場合じゃないよな」、
エックス「よし!」、
エックス&大地「行くぞ!」。
ウルトラマンと地球人の会話はこれまでにも何度もあるが、この早いテンポでの会話はこれまで無かったと思う。この友達のような会話のテンポはエックスと大地の距離を縮め、今まで無かった新たなウルトラマンと地球人のコンビ像を作り出した。

 

「ベイビーの為ならどんな無理だってするルイルイのマミー」について劇中では語られていないが『ウルトラマンX超全集』で語られている。

 

見学ツアーの時に橘副隊長は怪獣と向き合う時の判断基準は「人間の犠牲者を出さない」の一点のみだと答えるが、その為に「卵(子供)を抱えている母親怪獣を駆除する」と言う判断を下す事になる。

 

エックスもサイバー怪獣も肉体をデータに置き換えている点は同じであるとして、エックスとサイバーゴモラを合体させたゴモラアーマーが開発される。
元々、人間とサイバー怪獣の脳波を同調させれば人間がサイバー怪獣を動かす事が出来ると言う実験をXioは進めていたが、人間の体細胞の耐久限界値と言う問題があった。しかし、人間には無理でもエックスなら可能だとして、エックスとサイバー怪獣を同調させたモンスアーマーが今回開発された。
エックスがXioが開発したサイバー怪獣のデータを受信できたのはエックスがXioが開発したジオデバイザーと一体化していたから。そうなると、グルマン博士はエックスにサイバー怪獣のデータを受信できるジオデバイザーがある事を分かっていたとなるので、やはりグルマン博士は今回の時点で大地とエックスの関係に気付いていたと見る事が出来る。

 

自分はウルトラ初体験が『メロス』だったので、モンスアーマーと言う「鎧を着たウルトラマン」は「21世紀版の『メロス』」と言う感じでとても好き。
サイバー怪獣のデザインも含めて『X』のデザインは自分好みである。

 

大地はスパークドールズになったバードンを拾い上げて「この姿でなら卵と一緒に生きられる。親子で一緒に」と呟くが、そんな大地の言葉にエックスは「人形だぞ? 生きていると言えるのか?」と疑問を呈する。しかし大地は「いつか元の姿に戻す技術も共存出来る方法も発見する」と答え、それを聞いたエックスも「そうかもな。可能性はきっとある」と返す。
スパークドールズの状態を生きていると言えるのかと言う問題はギンガシリーズを見ているとなるほどと思う部分。ギンガシリーズでは少しずつ人形の状態でも自我が表現出来るようになってきていたが、最初の頃の状態を見ているとスパークドールズの状態を生きているとするのは無理があると言える。
ただ、ここでの大地とエックスの会話で大事なのは「怪獣が実体化したままでは駆除するしかなかったが、スパークドールズにした事で今すぐ駆除をする必要が無くなった」で「時間はかかるが、いつか怪獣の問題を解決する」と言う部分である。ギンガシリーズではルギエルは生命体をスパークドールズにして時間を止める事で未来の可能性を消し去ったが、本作ではスパークドールズにしてバードンの時間を一時的に止めた事で、問題の解決方法が発見されるまでの時間を作る事が出来て、人間とバードンが共存する未来の可能性が生まれたと真逆の結論になっているのが面白い。

 

「この地球は可能性のかたまりだよ。俺はそう信じている」

 

 

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