帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「ともだちは怪獣」

「ともだちは怪獣」
ウルトラマンX』第17話
2015年11月17日放送(『新列伝』第124話)
脚本 勝冶京子
監督 辻本貴則

 

海獣キングゲスラ
身長 68m
体重 2万1千t
ダークサンダーエナジーで凶暴化して地上に現れた。
ダークサンダーエナジーの影響でショッキング・ベノムとベノムショットと言う能力を手に入れ、弱点だった背ビレも強化された。
エクシードエクスラッシュでダークサンダーエナジーを祓われ、ザナディウム光線でスパークドールズになった。

 

友好珍獣ピグモン
身長 1m
体重 10kg
15年前のウルトラフレアで目覚め、多くの子供達と友達になっては別れていた。
多々良町に引っ越してきたサクラと友達になる。
ダークサンダーエナジーを察知して人々を避難させようとするが凶暴な怪獣と誤解されて捕らえられてしまった。
キングゲスラの破壊から人間を守って怪我をしてしまうがXioの治療で回復しサクラと再会する。
シドニールクセンブルクで別個体が確認されているらしい。

 

物語
東京から多々良町に引っ越してきたサクラはピグモンと言う赤い怪獣と友達になる。
果たして人間と怪獣は友達になれるのだろうか?

 

感想
『X』は「怪獣との共存」がテーマの一つなのだが、実は世間の人々が怪獣と言う存在をどう考えているのかについて触れた話は少ない。
巨大怪獣が出現したらとにかく逃げるしか選択肢が無いのだが、今回はピグモンと言う小さくて触れる事が出来る怪獣が出た事で人間は逃げる以外の選択をする事が出来た。その結果、人間は未知の存在に対してどのような対処をするのかが分かる事となった。

 

田舎の子供と友達になる異形の存在。有名なのは『となりのトトロ』かな。ウルトラシリーズだと『コスモス』の「森の友だち」と「妖怪の山」に登場したヤマワラワが近い。
今回は子供と怪獣が関係を持つと言う子供向け作品の定番展開。と言いたいところだけれど、昭和時代と違って平成時代では子供がメインになる話が減っているので、実はニュージェネレーションシリーズでは珍しいパターンの話となる。

 

ダークサンダーエナジーの影響でこれまで以上にスパークドールズが不安定になっているとの事。皆の話を聞くと怪獣の出現率は最近になって上がってきているらしい。ショッピングモールの人達がピグモンを危険視したのも怪獣災害が多発していたからと考えられる。

 

怪獣の特殊な細胞がダークサンダーエナジーの避雷針になっているのかもと言う話が出てくる。細胞は関係無かったが、ダークサンダーエナジーは怪獣を狙って降り注いでいると言う仮説は当たっていた。

 

エックス「しかし、人間は本当に怪獣と友達になれるのか? 自分達の役に立つかどうかで共存する生き物を選ぶんだろう?」、
大地「俺は全ての命と共存できる道を探す。地球は人間だけのものじゃないから」。
人間は「自分達にとって都合の良い怪獣」を「良い怪獣」としていると言うのは『X』と同じく「怪獣との共存」をテーマに掲げた『コスモス』の「宇宙の雪」でも触れられている。「怪獣と仲良くしよう」と言うのは簡単だが、ここの話に足を踏み入れてしまうとかなり難しい問題になってしまう。

 

街の中を飛びながら登場するエックスが良い。この高さを飛ぶのって意外と少ない気がする。
今回は十字路を使ったザナディウム光線等、ミニチュアを上手く使った場面が多かった。

 

無害なピグモンを縛って捕らえる人々を見たエックスは「大地、人間は何故あんな無害な怪獣まで怖がるんだ?」と尋ねる。この「恐怖から来る排他性」はtE・rUが登場した「星の記憶を持つ男」「星を越えた誓い」でも取り上げられていた。この回ではtE・rUを襲った学生のフォローはされず、tE・rUと優希は別れて終わっているが今回はピグモンを襲った大人達のフォローがされ、ピグモンとサクラも再会するとハッピーエンドになっている。

 

今回の話は勝冶京子さんのウルトラシリーズ脚本デビュー作となっている。

 

 


【監督コメント付!】『ウルトラマンX』次回予告 第17話「ともだちは怪獣」 (新ウルトラマン列伝 第124話 次回予告)

 

 

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