帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

『劇場版 ウルトラマンX きたぞ! われらのウルトラマン』

『劇場版 ウルトラマンX きたぞ! われらのウルトラマン
2016年3月12日公開
脚本 中野貴雄小林雄次小林弘利
監督 田口清隆

 

ウルトラマンティガ
身長 ミクロ~53m
体重 4万4千t
秋田県にある縄文以前の超古代遺跡・芭羅慈遺跡に像が眠っていた古の巨人。
太古の地球に降臨してザイゴーグを地底深くに封印していた。
ユウトの想いに反応してスパークレンスが化石から復活し、スパークレンスを掲げたユウトはティガに変身した。
スカイタイプとパワータイプを駆使して戦い、最後はマルチタイプのゼペリオン光線でゴーグアントラーを倒した。その後、ザイゴーグやツルギデマーガと戦うエックス達に光を与えた。

 

ウルトラマン
身長 40m
体重 3万5千t
芭羅慈遺跡でザイゴーグを封印していた碧石が人々の想いに反応して赤い玉を経て初代マンとなった。
ウルトラスラッシュとスペシウム光線の連続攻撃でゴーグファイヤーゴルザを倒すと、ザイゴーグやツルギデマーガと戦うエックス達に光を与えた。
本物の初代マンがエックスの世界に召喚されたらしく、戦いが終わると元の世界に帰って行った。

 

ウルトラマンゼロ
身長 49m
体重 3万5千t
人々の想いに反応してサイバーカードでエックスの世界に召喚された。
中国の上海でツルギデマーガと戦い、ワイドゼロショットで倒した。
戦いが終わるとエックス達の成長を認めて元の世界に帰って行った。

 

ウルトラマンギンガ
身長 ミクロ~無限大
体重 0~無限大
人々の想いに反応してサイバーカードでエックスの世界に召喚された。
アメリカのダラスでツルギデマーガと戦い、ギンガクロスシュートで倒した。
戦いが終わると元の世界に帰って行った。

 

ウルトラマンビクトリー
身長 ミクロ~無限大
体重 0~無限大
人々の想いに反応してサイバーカードでエックスの世界に召喚された。
アルゼンチンのブエノスアイレスでツルギデマーガと戦い、ビクトリウムシュートで倒した。
戦いが終わると元の世界に帰って行った。

 

ウルトラマンネクサス
身長 49m
体重 4万4千t
人々の想いに反応してサイバーカードでエックスの世界に召喚された。
エジプトのカイロでツルギデマーガと戦い、ジュネッスのオーバーレイ・シュトロームで倒した。
戦いが終わると元の世界に帰って行った。

 

ウルトラマンマックス
身長 48m
体重 3万7千t
人々の想いに反応してサイバーカードでエックスの世界に召喚された。
スイスのローザンヌでツルギデマーガと戦い、マクシウムカノンで倒した。
戦いが終わると元の世界に帰って行った。

  

宇宙忍者バルタン星人
身長 ミクロ~50m
体重 0~1万5千t
とある世界で初代マンと戦っていた。

 

閻魔分身獣ツルギデマーガ
身長 55m
体重 5万9千t
ザイゴーグのトゲから誕生した閻魔分身獣。
全部で五体いて、中国、スイス、エジプト、アルゼンチン、アメリカで破壊活動を行うが、エックスの世界に召喚されたウルトラマン達に倒された。

 

閻魔分身獣ゴーグファイヤーゴルザ
身長 62m
体重 7万t
ザイゴーグのトゲから誕生した閻魔分身獣。
頭部から超音波光線を放ち、体を丸めて体当たり攻撃をする。
最後はXioの援護を受けた初代マンのウルトラスラッシュとスペシウム光線の連続攻撃で倒された。

 

閻魔分身獣ゴーグアントラー
身長 40m
体重 2万t
ザイゴーグのトゲから誕生した閻魔分身獣。
背中の羽根を開いて空中を高速で移動し、巨大なアゴで相手を攻撃する。
最後はXioの援護を受けたティガのパワータイプに大アゴをへし折られ、マルチタイプのゼペリオン光線で倒された。

 

閻魔獣ザイゴーグ
身長 66m
体重 7万t
地面が燃え上がり海が煮えたぎる太古の地球に君臨していた閻魔獣。光の巨人によって芭羅慈遺跡に封印されていたが、カルロス黒崎が封印の碧石を移動させた事で復活した。
右手の棍棒で相手を叩きのめし、口や胸から強力な光線を発し、触手でウルトラマン達の光を吸収する。又、トゲから閻魔分身獣を生み出す事が出来る。
地面を溶岩のように溶かして地球を太古のような地獄に変えようとした。
最後はベータスパークアーマーのベータスパークアローで倒された。
名前の由来は「地獄(ZIGOKU)」からで、デザインにも地獄のモチーフが埋め込まれている。又、『初代マン』の放送開始50周年なので『初代マン』に登場した怪獣達の要素も組み込まれている。

 

超空大凶獣デザストロ
身長 不明
体重 不明
地球を離れたエックスが追跡している怪獣で、ケンタウロス星近辺でワームホールに逃げ込んで地球に向かった。

 

電脳怪獣サイバーゴモラ
身長 40m
体重 2万t
大地がリアライズさせた。
地底を進むザイゴーグにサイバー超振動波を浴びせて地上に出す事に成功したが、ザイゴーグのトゲで倒されてしまった。

 

物語
インターネットテレビのオーナーであるカルロス黒崎によって芭羅慈遺跡の封印が解けてしまった!
復活したザイゴーグを食い止めるべく、Xioはザイゴーグ要撃作戦「黄泉三号」を開始する!

 

感想
『X』の劇場版。
『X』の物語はTVシリーズで完結しているので本作はザイゴーグと言う怪獣を巡る話になっている。

 

2016年は『初代マン』の放送開始50周年と『ティガ』の放送開始20周年となっている。
今回の事件の始まりとなる芭羅慈遺跡と碧石は『初代マン』の「バラージの青い石」に登場したバラージの町とノアの神の像の設定と『ティガ』の「光を継ぐもの」に登場したティガの地と巨人の石像の設定を上手く合わせていた。
又、本作のメインゲストとして『初代マン』のハヤタ隊員を演じた黒部進さんの実娘で『ティガ』のレナを演じた吉本多香美さんが出演している。

 

又、2016年は『Q』の放送開始50周年でもあるので、「視聴者の皆さん! あなたの目はあなたの体を離れて、このカルロス黒崎と共に偉大な考古的発見の目撃者となるのです!」と言うカルロス黒崎の台詞や「我々の任務は宇宙のバランスを保つ事だ。どこかでバランスが乱れればこの地球にも影響が現れる」と言うエックスの台詞に『Q』の要素が組み込まれている。

 

結局は失敗に終わったが初代マンを召喚させるベーターカプセルを作り出したグルマン博士の技術力が凄い。ウルトラシリーズでも屈指の開発者だ。
ところでグルマン博士は幼い頃に初代マンを見たと言ってベーターカプセルを掲げているけれど、それは「誰かが初代マンに変身するところを見た」と言う事なのかな? まぁ、『サーガ』のDC版だとチームUの前でハヤタが変身しているので、地球などの星に滞在して誰かと一体化している状態でなければ人前で変身しても構わないのかもしれない。

 

TVシリーズの後、大地はオーストラリアの怪獣共生区に出張していた。国を挙げての実験が行われているのだが依然として根強い反発があるらしい。でも、国を挙げて怪獣との共生を進めるようになったのは大きな前進と言える。

 

秋田県にある縄文以前の超古代遺跡・芭羅慈遺跡で謎のピラミッドが発見され、遺跡の中には古の巨人・ティガの像が眠っていた。
エックスはティガの事を「太古の昔に地球を訪れた仲間かもしれない」と語る。この「仲間」と言うのは「「ウルトラマン」と言う大きな括り」の事なのか「同じ出身」の事なのかは不明。エックスはウルトラマンの中でもお喋りな方なのだが彼自身の事は殆ど語られなかった。

 

 カルロス黒崎はカルロスコミュニケーションズの社長で『カルロス黒崎のワールド・ミステリーQ』と言うインターネットテレビの為に芭羅慈遺跡の封印を解いてザイゴーグを復活させてしまった迷惑な人。
わがままなお金持ちの社長さんなのに番組に呼んだ女の人達に自分が発見した遺物を評価されなかったり、『動物ほのぼのチャンネル』にアクセス数で負けたりと散々なところがあっていまいち憎めないキャラになっている。
常に前向きすぎるところやザイゴーグが迫る中でも逃げずに自分でカメラを回し続けるところ等は『T』に登場するゲストの人達や『キングコング対ゴジラ』の多胡部長を思わせるものがあって、この底抜けのポジティブさは尊敬すらしてしまう。

 

TVシリーズでは主にエックスが怪獣のサイバーカードを使っていたが今回はXioが怪獣のサイバーカードを使用している。
アスナがサイバーゴモラのサイバーカードを使う時に「力を貸して、ゴモラ」と言っているので、Xioがサイバーカードを使って戦うのは人間と怪獣の共生への一つのステップと見る事が出来る。
サイバーカードによってXioは怪獣の攻撃力や防御力を手に入れ、クライマックスでのウルトラマン達と怪獣達の戦いでも立派な戦力として最後まで戦い抜けた。特別チームが単なるヤラレ役ではなかったのが嬉しい。『メビウス』のメテオールもだが、ウルトラマンも怪獣も昭和の頃に比べて全体的にパワーアップしているので、特別チームがその戦いに加わるにはメテオールやサイバーカードと言った特殊な力を上乗せしないと厳しいところが出てきている。

 

スペースマスケッティを操縦するルイルイに「ちゃんとナビしてよ」と怒られて「1km先を左折。目的地周辺です」と棒読みで返すエックスが笑える。他のウルトラマンは感情の起伏が抑え気味なのだがエックスは些細な事で喜怒哀楽を見せている。人間と一体化するタイプのウルトラマンでここまで感情が分かり易いキャラは少ない。

 

「碧石によりて、天の光、地の光が結ばれん。結びの光が蘇りし時、闇は闇に還りたり。結びの光を持つ者にこの石を託さん」。
芭羅慈遺跡の碑文に書かれている言葉が一つの謎となるのだが、母を助けようとするユウトの想いに反応して化石がスパークレンスになり、更に復活したティガの光でエクスデバイザーも復活したのを見てエックスは碑文の謎を解明する。
「人が人を想い、繋がり合おうとする心。その絆が天と地とを繋ぐ光なんだ。その光とユナイトするからこそ、私達は光の巨人と呼ばれるんだ」。
ウルトラマンを「光の巨人」と呼ぶのは昔からあるが、これまであった「巨人そのものが光り輝いている」や「人間の心の光が具現化した」と言う解釈に対し本作では「人間の光とユナイトしているから光の巨人」と人間とウルトラマンの繋がりに重点を置いた解釈になっている。

 

今回ティガに変身したユウト役の高木星来は当時11歳でウルトラマンに変身する最年少記録を更新している。

 

碧石が赤い玉を経て初代マンになる時の、
グルマン「きたぞ! われらの……!」、
大地「ウルトラマン?」、
に思わずニヤリとしてしまった。
こう言う歌の歌詞とタイトルと劇中の台詞が繋がる展開は大好きだ。
初代マンを知っているグルマン博士が力強く言い、知らない大地はちょっと不安そうに呟いているのが細かい。 

 

今回は劇場版だけあってミニチュアのレベルが高い!
田口監督によるとミニチュアセットは平成ゴジラシリーズを意識したものらしい。又、予告編は平成ガメラシリーズを意識したものになっていて、上に挙げた『ティガ』の要素も含めて本作は90年代の特撮・怪獣作品を感じる作品になっている。

 

今回は『初代マン』からゴーグアントラーが、『ティガ』からゴーグファイヤーゴルザが登場しているが、初代マンがゴーグファイヤーゴルザと、ティガがゴーグアントラーと戦うと対戦相手があえて入れ替えられている。
ゴーグアントラーの体色が赤、ゴーグファイヤーゴルザの体色が青になっているが、これは「赤鬼」と「青鬼」と言う事なのかな。

 

『ティガ』当時はまだCGが発展途中だった為にスカイタイプの活躍が少な目だったので、今回の映画で今の技術を使ったスカイタイプの活躍が見られて良かった。

 

アスナ達の応援を受けて初代マンとティガのサイバーカードが完成し、初代マンのサイバーカードがエクスベータカプセルに、ティガのサイバーカードがエクスパークレンスになり、二つを合わせてベータスパークソードにするとベータスパークアーマーが誕生した!
大地「これが、ティガとウルトラマンの力!」、
エックス「そしてこの星の持つ希望の力だ!」。

 

前作のギンガシリーズと『X』は共通点がいくつかあったが、今回の映画と次回作の『オーブ』にもいくつか共通点がある。
まず2枚のウルトラマンのカードを使って主人公のウルトラマンを素体に2体のウルトラマンを合体させると言うのはフュージョンアップに近い。
又、カルロス黒崎がインターネットテレビの為にあちこちの神秘を探し回るのはSSPに通じるものがある。
その他、過去に光の巨人に封印されたと言うザイゴーグの設定は魔王獣を思わせ、それらの事が記されている古文書等は太平風土記を思わせる。

 

ザイゴーグによって世界各地にツルギデマーガが出現する。
『X』は第1話の冒頭でも世界各地に怪獣が現れて、その時はウルトラマンがおらず人類は多大な犠牲を出してしまったが、今回は世界各地に怪獣が出るとエックスとXioと絆を繋いだウルトラマン達が現れて人類を助けてくれた。

 

 初代マンとティガが空中で交差してエックスに光を与える場面は『帰マン』の「ウルトラの星光る時」に登場した「ウルトラの星作戦」を思い出す。
この後のベータスパークアーマーのサイバーウィング展開が美しかった。そう言えばウルトラマンで「翼」を思わせる描写って意外と無かった。

 

戦いが終わった後、ちゃっかりルイルイに向かって「フィニッシュ!」をしているゼロさんがさすがだ。ゼロとエックスを見ていると、ウルトラマンでも女の子にモテる人とモテない人がいるんだなぁと感じる。
エックスは「夜を呼ぶ歌」では女性の体重等は気にしていなかったが今回はカロリーや美容と言った事を口煩くアスナに注意している。Xioと一緒にいる中で地球の考え方に染まってきたのかな?

 

15年前のグリーザとの戦いで実体を失ったエックスだったが大地達の希望の光のおかげで本来の姿を取り戻す事が出来た。
エックスは大地のエクスデバイザーから分離すると「本来の任務に戻らなければならない」「我々の任務は宇宙のバランスを保つ事だ。どこかでバランスが乱れればこの地球にも影響が現れる」と別れの時が来た事を告げる。
エックス「傍にいなくても姿は見えなくても私達はユナイトし続けている。その事だけは……」、
大地「忘れないよ。絶対に……!」、
エックス「再びこの地球に危機が訪れる時、私は必ず帰って来る。約束しよう!」。
こうしてエックスは大地達と別れ地球を離れ本来の任務へと戻るのであった……。
……そして数日後、地球に新たな危機・超空大凶獣デザストロが迫り、エックスもあっと言う間に帰って来るのであった。
アスナ「地球の危機って割とすぐに来るよね」。
このオチには笑ったw
まぁ、グリーザとは無関係にスパークドールズが実体化する事はあるし侵略者もたくさんいるしザイゴーグのようなスパークドールズになっていない怪獣もいるので、よく考えたら地球の危機ってまだ去っていなかったりするんだよね。(と言うか、地球から危機が去る事ってあるのか?)

 

『オーブ』の『絆の力、おかりします!』は今回の話の後日談となっている。

 

 


『劇場版ウルトラマンX きたぞ!われらのウルトラマン』 予告篇 60秒ver.! Ultraman X The Movie Trailer

 

 

 

 

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ウルトラマンX ウルトラ怪獣DX ゴーグファイヤーゴルザ

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  • 発売日: 2016/02/27
  • メディア: おもちゃ&ホビー
 

 

 

ウルトラマンX ウルトラ怪獣DX ゴーグアントラー

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  • 発売日: 2016/02/27
  • メディア: おもちゃ&ホビー
 

 

 

ウルトラマンX ウルトラ怪獣DX ザイゴーグ

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  • 発売日: 2016/02/27
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ウルトラ怪獣シリーズ 76 サイバーゴモラ

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ウルトラヒーローシリーズ 18 ウルトラマンマックス

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ウルトラヒーローシリーズ 32 ウルトラマンネクサス ジュネッス

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ウルトラヒーローシリーズ 28 ウルトラマンビクトリー

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ウルトラヒーローシリーズ 11 ウルトラマンギンガ

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  • 発売日: 2013/06/29
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ウルトラヒーローシリーズ 21 ウルトラマンゼロ

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ウルトラヒーローシリーズ 01 ウルトラマン

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  • 発売日: 2013/06/29
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ウルトラヒーローシリーズ 08 ウルトラマンティガ(マルチタイプ)

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  • 発売日: 2013/06/29
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