帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「はなあらし ~花嵐~」

episode10 はなあらし ~花嵐~」
ウルトラマンオーブ THE ORIGIN SAGA』第10話
2017年2月27日配信(第10話)
脚本 林壮太郞
監督 おかひでき

 

ウルトラマンガイア
身長 50m
体重 4万2千t
オリジン・ザ・ファーストがクイーンベゼルブにクグツを打たれ、戦神が倒されたのを見てガイアV2に変身する。

 

ウルトラマンアグル
身長 52m
体重 4万4千t
オリジン・ザ・ファーストがクイーンベゼルブにクグツを打たれ、戦神が倒されたのを見てアグルV2に変身する。

 

宇宙悪魔ベゼルブ
身長 2m~50m
体重 400kg~4万t
命の木を守ろうとして地球の防衛隊の攻撃を受ける。

 

宇宙悪魔クイーンベゼルブ
身長 60m
体重 4万4千t
防衛隊の攻撃を受ける子供達の所にやって来て悲しみの声を上げる。
アマテとの対話で世界が変わる可能性を見せるが、それはアマテの心を反射させていただけで、戦神を騙してクグツを打ち込もうとし、それを庇ったオリジン・ザ・ファーストにクグツを打ち込む。

 

物語
命の木が全ての元凶であると判断した地球人は防衛隊を出撃させる。
防衛隊から命の木を守るベゼルブ達を見てアマテはクイーンベゼルブともう一度対話しようと考えるが……。

 

感想
サイキの罠にかかったガイをジャグラーが身を挺して助ける。
ガイ「お前に助けられるのはこれで何度目かな?」、
ジャグラー「さあな」。
そんなガイとジャグラーを見た我夢は二人が離れていても心は通じ合っていた事を確信する。

 

リッカはジャグラーが命の木を切り倒したとしてアマテを近付けないようにする。リッカは一緒にサイキのアジトに潜入しているのでジャグラーが悪人ではない事は分かっているはずだが、それでもジャグラーを罪人として扱う。惑星カノンの人々の心の支えである命の木を切り倒すと言う事はそういう事なのだ。

 

翔平のいる地球は我々の地球と似ているのかと思いきや防衛隊がいるので我々の地球とはちょっと違う歴史を歩んでいるようだ。

 

地球人が命の木を爆破する事を知ったガイは「野蛮な方法でしか問題を解決できないのなら知性なんていらない」と言うサイキの言い分は正しいのかもと考える。
前回の「ことわり ~理~」ではサイキの言い分を否定していたが今回は理解を示すとこの頃のガイはまだ芯が出来上がっていないのが分かる。

 

無抵抗のまま防衛隊の攻撃を受けるベゼルブを見てガイは「この怪獣達をよく見てみろ! 抵抗も反撃もしていない。攻撃を止めてくれ! 理解できないものを恐れる気持ちも分かる。でも、一方的に攻撃するだけじゃ何も解決しないだろ!」と訴える。
と言っても「ひびき ~響~」でベゼルブが翔平をさらっているし、ガイはベゼルブは街を破壊していないとしているが、地球人からしたらベゼルブもウルトラマンの未知の存在で、巨大樹が原因で巨大怪獣と巨人が現れて街の真ん中でいきなり戦いを繰り広げている状態である。更に言えばガイはウルトラマンである自分達は人間を守る存在と思っているだろうが地球人からしたら巨人が巨大怪獣を光線で爆破した事で街に被害が出ているし、翔平をさらったベゼルブをオリジン・ザ・ファーストが空中で倒した時に死体がビル街に落ちていく描写があるので、その死体が街に落下して被害が出た可能性もあるので、そもそもガイ達がこの星にとっては守ってくれる存在ではなくて破壊者だと認識されている可能性がある。

 

知的生命体はガン細胞のように宇宙を蝕むと言うサイキの考えは正しいと言う藤宮。それを聞いたサイキは「遂に賛同者が現れてくれた」と喜ぶ。パーテルはサイキの賛同者だけれどサイキが作ったAIなのでサイキの考えに常に賛同するようになっているのだろう。そう考えるとサイキの考えに他の人が賛同したのは今回のガイと藤宮が最初なのかもしれない。
「人間は変われる。俺は人との出会いの中でそれを学んだ」と言う台詞から藤宮はサイキが考えをこじらせた原因が人との出会いを絶っていた事にあると考えたようだ。

 

アマテが戦神に変身しなくてもアマテと翔平がいれば共鳴現象を使ってクイーンベゼルブとコンタクトを取れると考えついた我夢はさすが天才。

 

戦神の変身シーンは演出が凝っていて良い。変身した後は活躍しないどころか事態を悪化させるだけなのだが……。
今回の話の終盤で戦神とクイーンベゼルブの戦いが始まる。戦神はあまり戦わない印象があるが実は刃物を備えていたりと戦闘用の装備もある。

 

クイーンベゼルブはアマテに「心と心とが通じ合えば世界は変わる、戦いは無くなる」として先代戦神とガーゴルゴンの戦いの「あり得た可能性」を見せる。
前回の「ことわり ~理~」で感応し合った事で翔平とアマテと周りの人達が状況を整理できず混乱すると言う描写があったが、今回の話でもクイーンベゼルブが感応を使ってアマテの深層心理を利用すると心の壁が無くなる事のデメリットを描写している。

 

ガイ達はサイキがクイーンベゼルブを利用していると考えたが実際はクイーンベゼルブがサイキを利用していた可能性が出てくる。
今回の話でベゼルブが無抵抗で防衛隊に倒されたのもアマテの同情を誘って戦神に変身させる為のクイーンベゼルブの罠だったと思われる。

 

それにしてもアマテ様はもう少し考えて行動しようよ。自分が惑星カノンの女王にして戦神の力を持っていると言う重要性がまるで認識できていない……。
まぁ、女王なのでアマテに注意や指導できる存在があまりいなかったんだろうなぁ。シンラは裏ではアマテの意思に反する事もするが表向きは従順だし。こうして見ると、シンラとリッカだけでなくライゴウも地球に来るべきだったかも。

 

今回の話はおか監督の現時点でのウルトラシリーズ監督最終作となっている。