帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「かげろう ~陽炎~」

episode11 かげろう ~陽炎~」
ウルトラマンオーブ THE ORIGIN SAGA』第11話
2017年3月6日配信(第11話)
脚本 林壮太郞
監督 小中和哉

 

ウルトラマンガイア
身長 50m
体重 4万2千t
クグツを打ち込まれたオリジン・ザ・ファーストと戦神を助けようとするがベゼルブの不意打ちを受けて倒されてしまう。

 

ウルトラマンアグル
身長 52m
体重 4万4千t
クグツを打ち込まれたオリジン・ザ・ファーストと戦神を助けようとするがベゼルブの不意打ちを受けて倒されてしまう。

 

宇宙悪魔ベゼルブ
身長 2m~50m
体重 400kg~4万t
クイーンベゼルブを倒そうとするガイアV2とアグルV2を引き留め、両者がクグツを打たれたオリジン・ザ・ファーストと戦神を助けようとする隙を突いて倒してしまう。

 

宇宙悪魔クイーンベゼルブ
身長 60m
体重 4万4千t
体内で限界まで濃度が高まったクグツを戦神に打ち、戦神の体を破って全宇宙にクグツを放出しようとする。その本当の目的は知恵によって生み出された全てのものを痕跡すら残さず消し去る事であった。
スザーク号の攻撃を受けて倒れるが、パーテルによって量子分解されサイキと同化してサイクイーンへと再構成される。

 

宇宙悪魔サイクイーン
身長 60m
体重 4万4千t
パーテルによってクイーンベゼルブとサイキが量子分解されて一つに再構成された姿。

 

物語
クイーンベゼルブにクグツを打ち込まれたオリジン・ザ・ファーストと戦神。果たして二人を救う事が出来るのか!?
そして遂にクイーンベゼルブの真意が明らかになる。

 

感想
リッカが遠くにある命の木に果実が付いているかどうかを見る事が出来る事に驚く結衣と結衣が見る事が出来ない事に驚くリッカ。
どちらも同じ人間だけれど惑星カノンと地球では身体能力に差があると言うのが面白かった。

 

サイキの目的はかつて命の木が知恵を宇宙に振りまいたようにクイーンベゼルブのクグツを戦神を使って全宇宙に放出する第二のビッグバンを起こす事であった。
これによって全ての知的生命体はクイーンベゼルブの支配下に置かれ、サイキはクイーンベゼルブをコントロールする事で宇宙を思い通りに作り変えようとしていた。
サイキは以前にも独裁者が正しい行いをするのなら独裁と言うシステムも悪くはないと言っていた。ただ、サイキは自分は正しくて素晴らしい人物だと思い込んでいるが、他人から見たら独善的な人物であった。それこそ現実世界にたくさんいる正しい行いをしていない独裁者と同じように。

 

クイーンベゼルブの本当の目的は知恵によって生み出された全てのものを痕跡すら残さず消し去る事であった。
戦神とクイーンベゼルブの接触による世界の変化はこれまで『新世紀エヴァンゲリオン』の人類補完計画サードインパクトのようなイメージがあったが、今回語られたのは『∀ガンダム』の月光蝶黒歴史を思わせるものであった。

 

サイキはクイーンベゼルブは自分と同じ夢を見ていたと思っていたが実際には違っていた。前回の「はなあらし ~花嵐~」でアマテが「クイーンベゼルブは自分の心を反射している」と言っていたようにサイキもクイーンベゼルブに反射されていた自分の夢を見ていたのだろう。

 

不意打ちだったとは言えベゼルブがガイアとアグルを倒したのには驚いた。
こうして見るとやはり前回の「はなあらし ~花嵐~」でベゼルブが防衛隊に次々と倒されていったのはわざとだったんだろうな。そう言えば防衛隊はどうしたんだろう? リポーターの場面を見るとまだ巨大樹の包囲を解いていないんだけれど今回は攻撃をしてこなかったな……。
個人的にはガイアはスプリーム・ヴァージョンになってほしかった。展開上仕方が無いのだろうが、どうも本作はウルトラマン達が全力を出さないで苦戦しているように見えて……。

 

クグツに苦しむオリジン・ザ・ファーストを見たジャグラーは「ガイ! お前は皆を救うんだろ! お前は光の戦士に選ばれたんだ! 自分に負けるな! 負けるな、ガイ!」と言って光の剣でオリジン・ザ・ファーストの顔をぶっ叩き、人間に戻ったガイに命の木の種を与えて正気に戻す。
本作においてガイはずっとジャグラーの事を自分より高く評価していたけれど、今回の話を見るとそれも納得できる。

 

「ガイ、あいつを倒して俺は光の戦士を超える!」と言うジャグラーの言葉を聞いたガイは「よせ! 無茶だ!」と言って止める。
ガイは自分よりジャグラーの方を高く評価していたが、この時はウルトラマンである自分でもクイーンベゼルブに勝てないのにウルトラマンではないジャグラーには無理だと無意識のうちにジャグラーを自分より低く評価してしまった。
ガイの言葉を聞いたジャグラーは魔人態に変身すると「俺を侮るな!」と言い残してガイの元を去ってしまった。

 

サイキは最後のカードとして自分とクイーンベゼルブを同化させる事を決断。パーテルによってサイキとクイーンベゼルブが量子分解されてサイクイーンに再構成される。
え? パーテルってクイーンベゼルブを量子分解できるの? 凄くないか!?

 

今回の話は途中まで「実はパーテルが黒幕なんじゃないのか……?」と思える展開だったがそんな事は無かった。