帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「夢を継ぐ者」

「夢を継ぐ者」
ウルトラマンジード』第18話
2017年11月4日放送(第18話)
脚本 柳井祥緒
監督 伊藤良一

 

三面怪人ダダ
身長 190cm~40m
体重 70kg~7千t
同胞の仇を取る為、ポスト・ベリアルの宇宙の覇権を手に入れる為に伏井出ケイの命を狙う。
ベリアル軍から奪ってカスタマイズしたレギオノイドでゼロビヨンドを倒すが、記憶を取り戻した伏井出ケイが召喚したザイゴーグにレギオノイドごと倒された。

 

帝国騎兵レギオノイド ダダ・カスタマイズ
身長 53m
体重 3万6千t
ダダがベリアル軍から奪ってカスタマイズした。
右腕のハイパーレギオアームをドリルやビームガンに変える。目からハイチューン・レギオビームを放つ。
ゼロビヨンドを倒すが、記憶を取り戻した伏井出ケイが召喚したザイゴーグに倒された。

 

閻魔獣ザイゴーグ
身長 66m
体重 7万t
自分の命を狙うダダとレギオノイドを倒す為に伏井出ケイが怪獣カプセルで召喚した。
口からブラディフラッディングを吐く。
ダダが操縦するレギオノイドを倒すが、ロイヤルメガマスターのランススパークで倒された。

 

ベリアル融合獣サンダーキラー
身長 53m
体重 5万2千t
伏井出ケイがエレキングエースキラーの怪獣カプセルでフュージョンライズした。
ザイゴーグとの二人がかりでジードを倒そうとしたが、ロイヤルメガマスターのストリウムフラッシャーで倒された。

 

物語
ベリアルが倒され、世界に平和が訪れた。
一方、記憶を失っていた伏井出ケイは編集者殺害の容疑で指名手配されていた。
AIBに追われる伏井出ケイを謎の女性が助けるが……。

 

感想
今回からオープニング曲とエンディング曲が2番に変わっている。
内容も今回から新展開で、前回の「キングの奇跡! 変えるぜ! 運命!!」でベリアルが倒され、「ポスト・ベリアル」が本格化する事となる。

 

ベリアルを倒した際に飛び散った怪獣カプセルをAIBが回収する。
今回の話で回収されたのはエンペラ星人とルギエルと言うかなり危険なもの。特にエンペラ星人の怪獣カプセルは強大なエネルギーで環境にも影響を及ぼすほどのものであった。『メビウス』で倒されてこの時点で約10年、劇中の時間だともっと経っているであろうに、エンペラ星人の脅威はまだまだ消える事が無い。

 

ウルトラシリーズにはエンペラ星人、ジュダ、レイブラッド星人、ダークルギエル、ベリアルと宇宙全体に影響を及ぼす存在がいる。最終的にそれらはウルトラマン達によって倒されるのだが、それで宇宙は平和になったかと言ったらそんな事は無く、今回の話でもエンペラ星人やルギエルの怪獣カプセルを手に入れてベリアル亡き後の宇宙を支配しようとする存在が現れた。この後もトレギアやセレブロと言った存在が出てくるのを見ると、宇宙から争いを無くす事は不可能ではと思えてくる。

 

今回登場したレギオノイドはダダがベリアル軍から奪ってカスタマイズしたと言う設定。過去に登場した兵器を他の宇宙人が使う事は珍しくないが、今回のようにカラーリングをガラッと変えるのは例が無い。
自分達の戦力として誇示するのならカラーリングも自分達のイメージに塗り替えるのは当然なので、これは面白い設定だった。他でもやってほしいのだが、他の話に使ったりイベントに使ったりする事を考えるとカラーリングの変更はそう何度も出来るものではないのかな。

 

今回登場したダダはゼロの事を知らなかった。
オメガ・アーマゲドン(超宇宙最終戦争)があった宇宙なのにゼロの存在を知らないと言うのはさすがに情報収集が出来ていないのでは……。

 

ダダ・カスタマイズのレギオノイドはなんとゼロビヨンドに勝利する……!
情報収集能力に疑問があったダダだが、ゼロに完全勝利すると言うウルトラシリーズ全体で見てもかなり凄い事をした。

 

伏井出ケイはジードとの戦いのダメージに加えてベリアルが死んだショックで記憶を失っていた。
ウルトラマンとの戦いに敗れ、かつて倒した宇宙人の仲間に命を狙われ、そこを女性に助けられると言う展開は『オーブ』の「復讐の引き金」のジャグラーと同じ。しかし、ジャグラーが助けてくれた女性のナオミを騙したのに対し、伏井出ケイは助けてくれた女性の石刈アリエに騙される事となる。

 

石刈アリエの仕事場に伏井出ケイに関する資料が貼られているのだが、その中に「ジードアイデンティティー」で伏井出ケイが編集者を手にかける直前の写真がある。
街中だったので近くにいた誰かが写真を撮っていた可能性はあるが、伏井出ケイが自分が犯行を犯す場面を地球人に撮られてそのままにしていたとはちょっと考えにくい。ひょっとしたら、これはAIBが撮っていた写真で、伏井出ケイに編集者殺害の容疑が掛けられたのも裏でAIBが手を回していたのかもしれない。

 

石刈アリエは編集者不審死事件の真相を本にしたいと考えていた。
あれだけの成功を収めた伏井出ケイが殺人を犯したのには何か理由があるはず。その理由を掘り下げ、真実に光を当てて世に問いたい。
石刈アリエの考えは間違ってはいない。リクや視聴者は伏井出ケイの正体を知っているが、世間的には伏井出ケイは著名な小説家だったがある日突然編集者殺害の容疑を掛けられて全国指名手配になった人物である。何か事情があるのではと考えるのはあり得ない話ではない。石刈アリエは別に犯罪者を擁護すると言っているわけではなく、伏井出ケイに向かっても「あなたの事を庇う……とまでは言わない」と言っている。

 

ウルトラシリーズは1話30分と短いので主人公と敵キャラ以外の第三者が出てくる事は少ない。ウルトラマンや宇宙人とは無関係の立場から真実を突きとめようとする存在は『ガイア』のKCBがあったが、こちらは途中から藤宮と共にいる玲子中心の話になってしまった。他にも『メビウス』のヒルカワはGUYSやウルトラマンに対して否定的な態度が強すぎたし今回の石刈アリエも結局は伏井出ケイ側の人間になってしまった。

 

伏井出ケイはベリアルの死を受け入れられず記憶そのものを封じてしまったのだが、今回の話で遂にベリアルの死を認め、自分がベリアルの後を継ぐ事を宣言する。
僕の名前」でリクは自分と言うものが無い伏井出ケイの事を「空っぽ」で「何も無い」としたが、今回の伏井出ケイはそれを認めた上で「空っぽ」で「虚ろ」な自分を満たしてくれたベリアルの為に生きる事を決意する。それが伏井出ケイの誰にも価値が無いとは言わせない人生であった。

 

今回、伏井出ケイが召喚したのはザイゴーグ。
地獄の怪獣を現世に召喚すると言うのは死んだベリアルや一度死んだような状態であった自分が地獄から現世に復讐をすると言う感じがして面白い選択であった。
映画のラスボスがTVシリーズに登場すると格落ち感が出てしまうが、今回のザイゴーグはゼロビヨンドを倒したダダ・カスタマイズを倒す事で結果的にゼロビヨンドより強いとして格落ちを防いだ感じがする。
結局はロイヤルメガマスターに倒されてしまうが、ロイヤルメガマスターはベリアルとキングの力を融合させたもので、今回はそれにジャックの力も使われていたので、まぁ、仕方が無いかな。もう少し善戦してほしかったところではあるが。

 

戦いが終わった後、一部始終を見ていた石刈アリエは伏井出ケイのところにやって来る。
アリエ「あなたの話、もっと聞かせて。こんなの最高すぎる!」、
ケイ「震えているぞ」、
アリエ「武者震いよ。だって、良い本が書けるんだもの!」、
ケイ「そんな日は来ない……。お前はここで死ぬ……!」、
アリエ「隠れ家の提供、情報の収集。私、役に立つと思うけれど……。私と一緒に来て」。
石刈アリエの豹変には驚くところがあるが、今回の話で伏井出ケイが「空っぽな自分を満たしてくれた」存在であるベリアルに心酔する話があったので、石刈アリエが伏井出ケイに心酔したのも似た理由であったと思われる。
因みに石刈アリエの名前の由来はSF作家のメアリー・シェリーからとなっている。

 

今回の話は伊藤良一さんのウルトラシリーズ監督デビュー作となっている。

 

 

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