帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「兄弟の絆」

「兄弟の絆」
ウルトラマンR/B』第2話
2018年7月14日放送(第2話)
脚本 武上純希
監督 武居正能

 

用心棒怪獣ブラックキング
身長 65m
体重 6万t
謎の人物がクリスタルを使って出現させた。
地底から現れ、口から吐く溶岩熱線で綾香市を破壊していく。
ロッソフレイムに角を折られ、最後はロッソフレイムのフレイムスフィアシュートとブルアクアのアクアストリュームで倒された。
戦いが終わった後、クリスタルは謎の人物に回収された。

 

物語
巨人に変身したカツミとイサミは自分達の能力を確かめる為に夜中にこっそり変身する事に。
翌日、TV番組で自分達が変身した巨人が危険な存在として扱われている事を知ったカツミとイサミは今後の事で対立してしまう。

 

感想
カツミとイサミによる前回のあらすじ。
イサミの軽すぎるナレーションに驚くが、ウルトラシリーズは固有名詞の違いはあっても展開自体は大体同じなので、実はイサミの解説でウルトラシリーズの第1話は大体説明出来たりする。
設定が多いヒーロー作品はオープニングナレーションが付けられる事があるが、この頃は『仮面ライダービルド』に本作にと中々フリーダムなオープニングナレーションが多かった。

 

ウルトラマンへの変身能力を身に付けたカツミとイサミはどんな能力があるのか確かめる為に夜中にこっそりと変身する事に。
戦い以外でウルトラマンに変身する事に驚いたが、自分達が変身した巨人は一体何なのか分からないままにしておくのはあり得ないので、このように実際に変身して色々確かめていくのはなるほどであった。
今回は『ギンガ』のタロウや『ジード』のゼロのような指導者的存在がおらず、『X』のエックスのようにウルトラマン自身がカツミとイサミにアドバイスを送る事も無いので、全てカツミ達が自分で確かめないといけなくなっている。

 

しかし、まぁ、身長50mの巨人が大気圏から地上に落下したり、光線で山頂を破壊したりしていたら、いくらなんでも周辺は気付くと思うんだけどな……。

 

「24分テレビ 愛染は地球を救う」と言う番組はアイゼンテック社がスポンサーを務めている。
愛染マコトはここで3体の巨大生物の中でも人間型の2体は知性を感じると語るが、レポーターはその話を遮って「3体の凶暴な巨大生物に現場は不安に包まれている」と言って中継を終えてしまう。
TV番組はスポンサー様が一番大事かと思いきや「3体の巨大生物は危険である」と言うマスコミの意に沿わないのならスポンサーであっても発言させないと言うのは驚きだった。(アイゼンテック社から抗議が入ったのか後日の放送では愛染マコトの主張を最後まで放送していた)

 

TV番組を見たカツミは自分達はもっと慎重に行動しないといけないと考え、ウルトラマンへの変身能力は秘密にしようとイサミに告げる。
イサミは逆にヒーローとして世の中に自分達がウルトラマンであると宣言しようと言うが、カツミはそんな事をしたら家族が迷惑する、捕まって研究材料にされると反論。自分達の活躍で綾香市が助かったと訴えるイサミに対して、この前の怪獣が最後の一匹とは限らない、怪獣が出現し続けたらヒーローは負ける事は許されないと返す。
ウルトラシリーズはヒーローと言う存在が社会にどのように扱われるのかと言うのを描く事があまり無いので、カツミがここまで色々と考えるのは目新しかった。
特に「怪獣がこの前の一匹だけとは限らない、怪獣が出現し続けたらヒーローはずっと勝ち続けなくてはいけなくなる」と言うのは興味深かった。視聴者はこれはヒーロー作品なので第1話を始まりにこれから色々な怪獣が出てくる事を分かっているのだが、劇中の人物は怪獣がこの先も出続けるかどうか分からない。又、視聴者はヒーローが一度負けても最後は勝つ事が分かっているが、これも劇中の人物だとヒーローが一度負けたらそこで全てが終わってしまい再戦の機会なんて訪れないと言う考えになる。
ヒーロー作品には色々な「お約束事」があって、視聴者はその約束事が分かっているので安心して見る事が出来るところがあるが、その約束事を取り除いてみると実はかなり怖い状況で話が展開されている事が分かる。

 

ブラックキングの出現にカツミは父を連れて早く店から逃げようとするが、父は「これだけは置いていけない宝物」を持ち出してから逃げようとする。
まだ第2話であるがこの辺りの展開は最終回を思わせる雰囲気があった。ここも上に書いた「視聴者にとっては今回の話はヒーロー作品の第2話だけれど、劇中の人物にとっては今回の怪獣出現が自分達の人生を終わらせるものになる可能性がある」であった。

 

ブラックキングの破壊活動によってイサミが瓦礫の下敷きになってしまい、それを発見したアサヒは何とかしてイサミを助けようとする。
イサミ「もう俺は良いから! 逃げろ、アサヒ!」、
アサヒ「駄目です! お母さんも言ってたじゃないですか! 一人で出来なくても二人なら出来るって! 兄弟はいつでも一緒に頑張るんです!」。
この場面は「ルーブジャイロを通じて相手の情報を知る事が出来る」と言う設定の紹介になっている他、アサヒの台詞も普通に聞いたら兄を見捨てないで助けようと頑張る理由として分かるので違和感が無いのだが、よく考えると「母が失踪した時にまだ2歳だったアサヒが母の言葉を覚えていた」「既にアサヒが生まれているのに母はカツミとイサミの兄弟二人について話をしている」と実はおかしな台詞だったりする。

 

今回登場するブラックキングは初登場となった『帰マン』の「ウルトラマン夕陽に死す」ではナックル星人との二人がかりでジャックを倒している。今回は逆にロッソとブルの二人がかりでブラックキング一体と戦っているのだが、ロッソとブルが戦いの素人なので卑怯と言う感じは無く、色々と作戦を立てて戦う事で「二人がかりでようやく勝てた」と言う展開になっていて、アサヒと母が言っていた「兄弟はいつでも一緒に頑張る」と言うテーマを見せていた。

 

戦いが終わり、人々に感謝されるロッソとブル。
前作『ジード』ではここに至るまでが長かったが、今回はベリアルと言う悪のウルトラマンがいた世界ではなかったので、主人公のウルトラマンが人々に受け入れられるのも早かった。

 

愛染「そうですねぇ。名付けるならば、超ヒーローと言う意味で……「ウルトラマン」と!」。
最初の放送では「ウルトラマン」と言う名前を言わせてもらえなかった愛染マコトだったが二度目の放送ではちゃんと言う事が出来た。愛染マコトの目的は自分がウルトラマンになって人々のヒーローになる事だったので、最初の放送でウルトラマンの名付け場面を邪魔されたのには実はかなりイラついていたのかもしれない。

 

 

 

 


【監督コメント付】『ウルトラマンR/B(ルーブ)』次回予告 第2話「兄弟の絆」

 

 

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