帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「湊家の休日」

「湊家の休日」
ウルトラマンR/B』第10話
2018年9月8日放送(第10話)
脚本 勝冶京子
監督 武居正能

 

古代怪獣ゴメス(S)
身長 40m
体重 4万t
愛染マコトがゴメスクリスタルで召喚した。
ブルグランドのアースブリンガーとロッソウインドのオーブリングNEOを使ったスペリオン光線で倒された。

 

豪烈暴獣ホロボロス
頭頂高 44m 全長 48m
体重 4万4千t
愛染マコトがホロボロスクリスタルで召喚した。
相手の攻撃を避ける程のスピードを誇り、攻撃を受けても耐えられる耐久力も持っている。
名前の由来は「滅ぼす」かな。

 

ウルトラマンオーブダーク
身長 50m
体重 5万t
ホロボロスに倒されたカツミとイサミからオーブリングNEOを取り戻した愛染マコトが再び変身した。

 

物語
オーブリングNEOと言う新しいアイテムを得たカツミとイサミは順調に怪獣を倒していく。
そんなある日、父親の湊ウシオは皆でピクニックに行こうと提案する。

 

感想
ロッソがオーブリングNEOを使ってスペリオン光線やゼットシウム光線を使うようになる。敵キャラ専用の変身アイテムは『ネクサス』のダークエボルバーからあったが、主人公が敵キャラの変身アイテムを手に入れて戦いに使うようになると言うのは今までに無い新しいパターンであった。

 

父親が皆でピクニックに行こうと提案したのはカツミとイサミが自立して家を出ようとしているのではないかと考え、母親がいなくなる前に最後に家族全員が集まってピクニックをした場所に改めて行こうと言うのであった。
『R/B』は基本的にカツミ、イサミ、アサヒと言った子供達の視点で物語が進んでいるのだが、父親の視点で物語を見ると、妻、息子二人、そして娘が次々に自分の知らない世界と関わって自分から離れていくと言う結構怖い展開になる。

 

家族揃ってのピクニックでもウルトラマンとしての使命を優先しようとするイサミをカツミがたしなめる。
「せっかく父さんが連れて来てくれたんだ。少しは楽しもうぜ」「今は湊イサミとカツミで、俺達には家族がいる。あの笑顔を守れるのは俺達しかいないだろ」と言うカツミの注意は「今はウルトラマンと言う立場ではなく息子と言う立場を優先しよう」と言う事で、カツミが常に自分に与えられた役目を守ろうとしているのが分かる。

 

ピクニックの後に湊家は愛染マコトと会う。以前だったら和気藹々としていたのが、愛染マコトの正体を知ってしまった今ではカツミとイサミは素直に場を楽しむ事が出来ない。
今回の話の前半はいつもの湊家の日常と言う感じだったが、ウルトラマンになって色々な事を知ったカツミとイサミはもう以前と全く同じように日常を楽しむ事が出来なくなってしまった。

 

愛染マコトは「海外で超楽しいセレブな人生を送るか、ウルトラマンとして超辛い戦いを続けるか」の二択をカツミとイサミに迫る。
カツミとイサミの答えは「ウルトラマンとして超辛い戦いを続ける」であったが、実は愛染マコトもこちらを選択している事になる。今の愛染マコトの立場なら超楽しいセレブな人生を送れるはずだが彼は厳しいトレーニングをしてウルトラマンとして戦おうとしている。
その点で言えばカツミとイサミと愛染マコトは同じと言えるが、カツミとイサミと愛染マコトでは「ウルトラマンとして戦う理由」と言う根本的な部分が違っていた。

 

ホロボロスは数が少ない四足歩行の怪獣で、素早さを活かしてコンクリートジャングルに身を潜めて不意打ちをする等、他にはあまりいないタイプで新鮮だった。
光線の直撃を受けても耐えられる等、特殊な設定は無いがスピードとパワーと耐久力が段違いに高いと言う事のみで強さを見せきった。

 

ホロボロスに負けたカツミとイサミの前に愛染マコトが現れて奪われたオーブリングNEOを取り戻す。
マコト「君達は家族とか言っているからスケールが小さい」、
カツミ「お前は何の為に戦ってる?」、
マコト「強くて格好良いヒーローは人々に希望を与えるからだよ」、
カツミ「お前には守りたいものが無いのか?」。
その後、愛染マコトは自分が信じるヒーロー論を語りながらオーブダークに変身する。
ウルトラマン。それは正義を愛し、悪と闘う。この地球を守る唯一無二の存在。絶望の中、人々の祈りの声が聞こえる。求めている。負けても尚立ち上がる完全無欠のヒーローを。その存在こそ私、愛染マコトだ。全世界待望、ウルトラマン伝説が幕を開けるのだぁ!」。
愛染マコトはウルトラマンを「正義を愛し、悪と戦う。この地球を守る存在」と定義しているのだが、「悪と戦って地球を守る為に悪を用意して地球を危機に陥れる」と言う本末転倒な状態になってしまっている。結果、本人は自分を「正義のヒーロー」と思い込んでいるが客観的に見ると人々を危険にさらしている「悪の破壊者」になってしまっている。

 

でも、何だかんだ言ってカツミとイサミの家族には手を出さなかったり、交渉が完全に決裂した後もカツミとイサミの就職先を用意していたりと、ウルトラマン関係以外のところだと悪い人とは言いきれない人なんだよね。

 

 

 

 


【監督コメント付】『ウルトラマンR/B(ルーブ)』次回予告 第10話「湊家の休日」

 

 

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