帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「この瞬間が絆」

「この瞬間が絆」
ウルトラマンR/B』第16話
2018年10月20日放送(第16話)
脚本 柳井祥緒
監督 辻本貴則

 

透明怪獣ネロンガ
身長 45m
体重 4万t
美剣サキがネロンガクリスタルで召喚した。
本物のルーブジャイロで召喚しているので愛染マコトがAZジャイロで召喚していた怪獣達より強力になっている。
電気を吸収して暴君電撃、暴君電光弾、暴君撃突進と言う攻撃に使う。
電気を吸収すると姿を消す事が出来るが、ロッソグランドとブルウインドの合わせ技で起きた砂煙を浴びて姿を現すと最後はルーブのルーブコウリンショットで倒された。

 

物語
アサヒが姿を消してしまった!
カツミとイサミはアサヒを探すが、彼女が湊家に存在していたと言う証拠が無い事に気付き……。

 

感想
今回からオープニング曲とエンディング曲が2番に変わっている。

 

ギンガシリーズは放送が中断されていた時期があるので物語の区切りも分かりやすかったのだが、『R/B』は中断時期が無く、又、ヴィランである愛染マコトと美剣サキが一緒に出ている時期もあるので物語の区切りが分かり難いところがある。
『R/B』の物語をザックリと区切るなら、第1話から第9話までは「カツミとイサミがウルトラマンになり、愛染マコトとの戦いを通してウルトラマンとしての自覚を得ていく」で、第10話から第16話までは「主人公がカツミとイサミからアサヒへ、敵が愛染マコトから美剣サキへと移行していく期間」で、第17話から最終回までが「アサヒと美剣サキの話を軸にルーゴサイトとの決戦へと向かっていく」と言う感じであろうか。

 

美剣サキは手から放つショック波動で愛染マコトの体内からチェレーザを追い出すとアイゼンテックに備えられている空気清浄機に吸い取らせてしまう。
宇宙生命体を吸い取る事が出来る空気清浄機と言うのも凄い。チェレーザ本体が強くなかったのか、それともアイゼンテック製なので何か特別な機能が付いている空気清浄機だったのか。
空気清浄機に吸い取られた後のチェレーザの消息は不明。どこかで生きているのか、それとも完全に除去されてしまったのか……。
因みに美剣サキがチェレーザを始末した場面は「ウルトラマンと同じく光に属するものだった美剣サキが人間の体を乗っ取って街を破壊する宇宙人チェレーザを倒した」と言う実はいつものウルトラの構図に近かったりする。まぁ、その美剣サキも街を破壊しているのだが……。

 

愛染マコトとダーリンの関係は『オーブ』の『オリジンサーガ』に登場したサイキとパーテルに近かったが、最後までサイキに尽くしたパーテルと違ってダーリンはあっさりと愛染マコトを捨ててしまった。この辺りも愛染マコトは「オーブになれなかった存在」である。

 

怪獣出現が相次いだり、オーブダークとロッソとブルの戦いが繰り広げられたりした事で綾香市ではウルトラマンへの評価も下がっていた。
愛染マコトは「厄介なオタク」と言うキャラクターであるが、厄介なオタクが起こした迷惑な行動の為に作品やキャラクターの評判も一緒に下がってしまうと言う現実でも度々起きている問題を思い出す状況となった。

 

愛染マコトは最後はウルトラマンに変身する事が出来なくなるわ、怪獣になって暴走するわ、会社もダーリンも奪われるわ、本体のチェレーザもかつてウルトラマンと行動を共にしていた存在に始末されるわ、自分のせいでウルトラマンの評判がガタ落ちになるわとニュージェネレーションヒーローズシリーズに登場するレギュラー敵では『ギンガS』のエクセラーやボルスト以上に救いの無い最期であった。

 

愛染マコトやオーブダークは面倒で厄介な人物であったが、元々はウルトラマンへの憧れから始まっているので、どこかで正しい道に戻って最後はロッソやブルと共闘してほしかったなと思うが、前作『ジード』のリクが「ヒーローに憧れていた存在が最後に自分がヒーローになる」だったので、今回は「ヒーローへの憧れが歪むとヒーローとは最も遠い存在になってしまう」と言う逆の展開にしたのかな。

 

第13話でウシオがアサヒに「君は誰?」と言った後の展開だが、第14話&第15話と今回の話とではちょっと食い違いがある。
第14話の「お前は誰だ」でウシオは自分がアサヒに何か言った事をカツミとイサミに話するのだが、この時のカツミとイサミの反応は少し呆れているくらいであった。それが今回の話ではイサミがウシオに向かって怒鳴るほどの怒りを見せている。
そもそも「お前は誰だ」で一度説明しているのに今回の話でもう一度ウシオがアサヒに何か言った事をカツミとイサミに話するのが不自然。
実は「お前は誰だ」を見返すと、ウシオがアサヒに「君は誰?」と言った場面が回想で描かれてはいるのだが、ウシオが自分はアサヒに何を言ったのかをカツミとイサミに説明する場面が丸々カットされている。ひょっとして、この時のウシオはアサヒの能力によって「自分はアサヒに「君は誰?」ではない他の言葉を言った」と記憶を改竄されていて、その状態でカツミとイサミに説明をしていたのかもしれない。
しかし、「まとうは極」でアサヒ自身も自分の過去を疑いだした事で、その日行われたウシオへの記憶改竄が解除され、ウシオは今度は本当にあった事をカツミとイサミに説明する事になり、それを聞いたイサミは激怒したと言ったところかな。

 

アサヒに呼び出された美剣サキは事情はちゃんと聞くし家に帰れと忠告するしと意外と普通に対応していた。 この辺り、何だかんだ言って根は悪い人ではない事が分かる。

 

アサヒの思い出作りに結局は付き合う事になる美剣サキ。
この時点では「アサヒが美剣サキに頼み込む」と言う形になっているが、後に明かされるアサヒの正体と美剣サキの過去を考えると、実は「ハッピーになりたかった美剣サキがハッピーの化身であるアサヒを求めていた」と言う形でもあった事が分かる。

 

最初は自分の身の上話をする為に美剣サキを呼び出したアサヒだったが、美剣サキの「私もお前も本当は誰で何をしたいのか永遠に分かる事は無い」と言うハッピーではない発言を聞くと、「だとしても、ハッピーな気分で歩きたいです」と告げる。そして美剣サキをハッピーな気分で歩かせる事がアサヒの今後の目的となる。

 

アサヒを探していたカツミとイサミはアサヒと一緒にいる美剣サキに警戒心を露わにし、美剣サキもルーブジャイロを使ってネロンガを召喚する事で自分が敵である事を宣告する。
『R/B』の前半はカツミとイサミと言うウルトラマンに変身する人物が物語の主人公なのだが、後半になると物語の主人公がアサヒになり、アサヒが美剣サキをハッピーに出来るかどうかが目的となる。それに対してカツミとイサミは「美剣サキとは関わるな」と注意してアサヒの目的を妨害する存在となり、美剣サキもカツミとイサミと言うウルトラマンに変身する人物がいる為にアサヒと素直に打ち解ける事が出来なくなっていく。つまり、ウルトラマンと言う存在が問題を解決するのではなく、むしろ、問題解決の障害となってしまっているのだ。
ウルトラシリーズでは「ウルトラマンは怪獣を倒す事は出来るが人間の問題を解決する事は出来ない」と言う話が度々あるが、『R/B』の後半は物語の主人公をウルトラマンに変身しないアサヒと美剣サキにした事でその構図が強く出たところがある。

 

「「ハッピーは地球を救う」。その言葉、友の言葉として覚えておこう」。
何だかんだ言って美剣サキはこの時点でアサヒの事を「友」と言っているんだよね。

 

今回はアサヒに関する記憶はあるがアサヒと言う存在を証明するものが何も無いと言う話であったが、カツミとイサミは思い出の品が無くてもアサヒと言う妹は今ここにいると考えるようになる。
視聴者は「アサヒが周りの記憶を改竄した」と言う事が分かっているのだが、劇中の人物はアサヒに記憶を改竄する能力があった事を分からないので「アサヒに関する物的証拠が何故か無い」となる。
なので、視聴者は「無意識とは言え記憶を改竄していた事には触れないの?」と疑問を抱くところではあるが、劇中の人物は記憶改竄と言う認識を誰も持っていないのでそう言う話題も出てこず、湊家の皆が「物的証拠が無くてもアサヒは俺達の家族だ」と言った事で話が終わる事になる。
ここは神の視点で色々見る事が出来る視聴者と神の視点で見る事が出来ない劇中人物の違いと言える。(視聴者はアサヒが周りの記憶を書き換えているのでは?と早い段階で予想してネットでもその手の書き込みが多かったのだが、劇中ではここまで記憶改竄についての話題は無い)
「この瞬間が……絆?」、
「俺達は家族って事」。

 

対怪獣拘束システムの失敗でアイゼンテック社が管理責任を問われる中、一時失踪状態にあった愛染マコトは社長を辞任し、その後任に美剣サキが就く事になる。
対怪獣拘束システムは社員の殆どが知らなかった愛染マコト独自の計画だったので、チェレーザを消して愛染マコトを追放して美剣サキが社長に就任すれば、この後に起きるアイゼンテック絡みの事件の責任は全て美剣サキに来る事になる。
こう考えると美剣サキはルーゴサイトを倒すと言う目的は達成できても自分はハッピーになれない道を選択している事が分かる。

 

「どうせ地球は丸いんです。そのうち、どこかで会えるでしょう」。
チェレーザと一体化していた期間が長かったので人格や記憶が一部残っていたのか、チェレーザと分離した後も愛染マコトはクレナイ・ガイの言葉を口にする。
それにしてもクレナイ・ガイに憧れていたチェレーザが分離したら愛染マコトが世界を旅する風来坊になるとはなんとも皮肉だなぁ。

 

 

 

 


【監督コメント付】『ウルトラマンR/B(ルーブ)』次回予告 第16話「この瞬間が絆」

 

 

 

 

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