帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「善人と悪人」

「善人と悪人」
ウルトラマンR/B』第19話
2018年11月10日放送(第19話)
脚本 武上純希
監督 神谷誠

 

宇宙ロボットキングジョー
身長 55m
体重 4万8千t
愛染マコトが用意していた地球防衛軍の秘密兵器で、何者かが美剣サキを暗殺する為に起動させた。
ペダニウム・トラクターでアサヒをコックピットに取り込んで人質にした。
ペダニウム・シャッターで相手の攻撃を封じ、デスト・レイで相手を攻撃する。
水のギンガクリスタルによるクロススパークシュートと火のタロウクリスタルによるダイナマイトスラッシュの温度差攻撃でボディに傷が入り、怪獣拘束システムで動きを封じられたところをルーブのルーブボルテックバスターで倒された。
倒された後、美剣サキによってキングジョークリスタルにされた。

 

物語
何者かがダーリンをハッキングして美剣サキの暗殺計画を開始する。
愛染マコトが密かに開発していたキングジョーが動き出し、アサヒを人質にアイゼンテック社に迫る!

 

感想
美剣サキの地球爆破宣言で人々は不安に陥って経済は混乱、アイゼンテック社には抗議が殺到して株も紙くず同然まで下落し、学校も休みになると言う異常事態に。
ウシオさんは美剣サキの宣言を「新社長の冗談」としていて、番組のインタビューでも「目立ちたい若者の発言」と言っている人がいたが、ここ数ヶ月にわたって怪獣やら巨人やらが続けて出現しているので、本当に地球に危機が訪れると考える人の方が多かったようだ。

 

各国政府は地球爆破宣言の真相を確かめる為に色々やっているらしい。
世界を旅している愛染マコトは大丈夫なのか心配になる。
チェレーザが分離した今の彼はAZ計画の事は何も知らないはずなのだが、地球人にはその辺りの事情は分からないので。

 

何だかんだ言ってアサヒのプレゼントのサングラスをかけて似合うかどうかダーリンに尋ねる美剣サキは素直でカワイイ。

 

美剣サキと談笑した後に同じテンションで「ただいまより社長の指令系統から外れる事を宣言します。最新指令は地球爆破阻止及び社長の暗殺で~す!」と言っちゃうダーリンが怖い。

 

ダーリンが美剣サキに反旗を翻したのは何者かがハッキングしたからとの事だが、おそらく犯人は地球爆破宣言を阻止しようとする各国政府であろう。
ここで「AZ計画」が明らかになるが、愛染マコトがAZ計画を各国政府に伝えていたかどうかは不明。しかし、キングジョーと言う巨大ロボットを保有する地球防衛軍の設立を一企業だけで出来るとは思えないので、AZ計画には各国政府も関わっていたと考えるのが妥当かな。
ダーリンは美剣サキにAZ計画の内容を「愛染マコトがウルトラマンとして活躍する為のプランをまとめたもの」と説明しているので、各国政府もAZ計画を通して愛染マコトがオーブダークであった事を知っていた可能性がある。その為、各国政府は愛染マコトを追放してアイゼンテックの新たな社長になった美剣サキをただの人間とは考えず、人外である美剣サキの暗殺にはキングジョーレベルの兵器が必要だと判断したのだと思われる。

 

もしダーリンをハッキングしてキングジョーを使って美剣サキを暗殺しようとした黒幕が各国政府だとしたら、美剣サキを確実に殺す為に各国政府からしたら一般人であるアサヒを人質に取って彼女の生命の保証が無い作戦を立てて実行したと言うのはウルトラシリーズでもかなりギリギリのラインであったと思う。(だから今回の話でダーリンをハッキングした黒幕の正体は明かさなかったのかも)

 

アサヒがキングジョーのコックピットに取り込まれた事を知った美剣サキはカツミとイサミに協力を申し出る。
美剣サキは以前にダーリンや怪獣拘束システムを乗っ取っているので今回のハッキングも解除できるかもしれないが10分以内に出来るかどうかは分からない。又、ルーブジャイロを使えば自分が怪獣になってキングジョーを食い止める事が出来るが、一人ではキングジョーのコックピットの中に入ってアサヒを助ける事までは同時に出来ない。逆に自分がキングジョーのコックピットの中に入ろうとすると今度はキングジョーを食い止める事が出来なくなる。と、美剣サキは「ハッキングの解除」「キングジョーを食い止める」「キングジョーのコックピットの中に入る」の全てをする事が出来るのだが「彼女一人では三つ全てを同時には出来ない」と言う問題があった。
そこでイサミがハッキングを解除し、カツミがキングジョーを食い止め、その間に美剣サキがキングジョーのコックピットの中に入ると今回は「カツミ、イサミ、美剣サキの3人がいたので事態を解決する事が出来た」となった。

 

イサミがダーリンのハッキングを解除する場面が『アイアンマン』に登場する空中投影ディスプレイみたいでTVのウルトラシリーズでもこう言う演出が出来るようになったんだと感動した。

 

イサミにハッキングされる時のダーリンの反応は『2001年宇宙の旅』のHALっぽいが、ダーリンの声が女性なので『ゼアス2』で数副隊長がスーパーコンピューター・ミドリに不正アクセスした時にも似ていた。

 

今回の話で地球に1300年振りにやって来る怪獣が星を喰う暗黒ガス状の怪獣ルーゴサイトである事、グルジオボーンがウルトラマンの仲間であった事、ロッソとブルとグルジオボーンがO-50で力を授かった事が明らかになる。
この説明場面ではアサヒの絵が使われているが、美剣サキの話を聞いたアサヒが頭の中で思い描いた光景なのでこの演出は納得。言葉だけの説明になるところを絵も使った事で分かりやすくなっている。
アサヒの絵はTwitterの『アサヒの絵日記』でずっと使われていたので本編でも使われたのは嬉しかった。

 

今回の話を見て思ったのだが、美剣サキがチェレーザに厳しかったのは「グルジオボーンは怪獣なのでウルトラマンと敵対する悪い奴だろう」とチェレーザが考えていたのも理由の一つなのかな。

 

美剣サキがキングジョーをクリスタルにしたので、今後はルーブジャイロを使わなければキングジョーを起動させる事は不可能となった。その為、今回の話でキングジョーを使った謎の存在はこの後は美剣サキに手を出さない(出せない?)事となった。

 

キングジョーを倒した後、美剣サキは怪獣拘束システムでルーブの変身を解除してカツミとイサミからルーブジャイロを奪っていく。
「これは私の……兄達のジャイロだ」。
今回の話を見たらカツミとイサミと美剣サキが協力してルーゴサイトに立ち向かうのが一番良い事が分かるのだが、ここで「美剣サキの死んだ兄達への思い」と言う個人的な問題が出てきてしまった。
おそらくだが、ジャグラーや美剣サキがウルトラマンの力を授けられなかったのは「究極のところで自分の感情を優先してしまう」が原因なのかな。

 

 

 

 


【監督コメント付】『ウルトラマンR/B(ルーブ)』次回予告 第19話「善人と悪人」

 

 

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