「灼熱の復讐 ーザンボラー登場ー」
『ウルトラマンパワード』第7話
1994年5月24日発売(第4巻)
脚本 トッド・ギルバート(原案 山口宏)
監督 キング・ワイルダー
特殊効果 ジョセフ・ビスコーシル
灼熱怪獣ザンボラー
身長 87m
体重 5万t
シアトル周辺の森林地帯に出現した。ヤング曰く「地球の警告かもしれない。自然を破壊していく人間を懲らしめているんじゃない」、サンダース曰く「地球が怪獣を作ったって言うのか?」な怪獣。
高熱を発し、山火事を起こす。メガ・スペシウム光線も効かない。
パワードが山火事を鎮火してザンボラーを説得したと言われているが、人間に警告を伝えたザンボラーが自分から去っていったようにも見える。
物語
次々と起こる山火事の原因は怪獣ザンボラーだった。
W.I.N.R.が出撃するが、ザンボラーのあまりの高熱にあらゆる攻撃が通用しない!
感想
原題は「Fires Below」。
訳は「炎の下」かな? とにもかくにも火と爆発の回であった。
今回の話は『初代マン』の「果てしなき復讐」のリメイクとなっている。
「その名はウルトラマン」に続いて、特別チームが怪獣に対し次々と作戦を展開していく基本に則った話。
このように怪獣の設定を中心に話を展開していくのはウルトラシリーズでは意外と少なかったりする。
ザンボラーが発する高熱によってミサイルだけでなくストライクビートルまで溶けてしまい、上昇気流によってハリケーンまで発生してしまう。メガ・スペシウム光線も効かなかったりと『パワード』の中でも強豪怪獣であった。
着ぐるみに2人が入って動かしただけあってザンボラーはボリューム感がかなりあった。
火を手前に、奥に月、中心にザンボラーを配した絵がかなりカッコイイ!
ベックは「地球が相手じゃ勝てるわけないわよね」と皮肉を言い、ヤングは「ウルトラマンはなぜ出てきてくれないの?」とヒステリー気味に叫ぶ。しかし、エドランド隊長は「皆、諦めるな! ウルトラマンがいようがいまいが我々は怪獣を倒さねばならん!」と檄を飛ばす。
「その名はウルトラマン」によると『パワード』の世界ではウルトラマンが地球に現れる以前から怪獣が出現していて、それらは人間の手によって倒されていたようだが、「銀色の追跡者」でパワードとバルタン星人が現れてからは人間の手には負えない怪獣が出るようになっていき、段々と人間がパワードを頼るようになってきた。
巨大実験衛星を使ったサイクロープスアイレーザーで地上のザンボラーを攻撃するが高熱による大気の歪みでレーザーが屈折してしまう。ベックによると、大気の歪みを計算に入れていなかったとの事。彼女にしては珍しいミスだ。
その後、ストライクビートル2機にローバーで大気の歪みを計算する事になるが、ザンボラーが発する高熱の中をローバーで近付くのは大変危険であった。カイがその任務を引き受けるが山火事で木が倒れて下敷きになってしまう。
カイはパワードに変身するが、なんとメガ・スペシウム光線が効かない!
遂にエドランド隊長はスカイハンターを壁に戦う事を決意する!
「全員で力を合わせてこの化け物を倒そう!」。
しかし、パワードはW.I.N.R.を後退させると腕を組んで燃える大地を見下ろす。そしてパワードが両手を拝むように合わせると、それと共に山火事が鎮火していく。
見つめ合うパワードとザンボラー。やがてザンボラーは去っていった。
ベック「怪獣の怒りを鎮めてくれたのね」。
『パワード』は色々な事情があって派手な戦いが少ないが今回は「まともに戦えない・倒してはいけない怪獣」と言う事で上手くまとめていたと思う。
戦いを終えたW.I.N.R.は大きな犠牲を払ったと悲しむが、そこにカイから助けてほしいと言う通信が入り、カイの無事を知ったW.I.N.R.は明るさを取り戻してカイを迎えに行くのであった。
途中にTV局を使っての状況説明が行われる。こういう演出はもっと使っても良いと思う。