「侵略回路 ーダダ登場ー」
『ウルトラマンパワード』第8話
1994年6月23日発売（第5巻）
脚本 ジョン・ダグラス（原案 伊藤和典 ジョン・ダグラス）
監督 キング・ワイルダー
特殊効果 ジョセフ・ビスコーシル
三面怪人ダダ
身長 0～55m
体重 0～1万t
ニューロネット・インダストリー社を解雇されたリチャード・マーリンがコンピューターウイルスを製作中に行き当たったコンピューター生命体。生命と体の構成モデルの情報を見付けて分析し、人間を電子にしてコンピューター内に吸い込み炭素ユニットを奪って体を得た。
マーリンによってニューロネット社の関係者のもとに送られていたが、やがてマーリンを襲い、続いてニューロネット社を占拠してダダ・フィールドを展開すると、ニューロネット社の重役二人を自分と同じダダに変えた。
一度倒されてもすぐに復活し、W.I.N.R.の隊員もダダ・フィールドに捕らえた。パワードが現れると3人のダダが合体し送電線を伝って巨大化した姿を現した。
手からエネルギー弾を発し、サイコキネシスで物体を操る。体の密度を変化させてパワードの攻撃を避けるが、メガ・スペシウム光線で送電線を破壊されて消滅した。事件後、ニューロネット社のメインフレーム解体が決定して全てが終わったと思われたが……。
物語
ニューロネット社の関係者達が次々と失踪していった。
調査を開始したW.I.N.R.の前にコンピューター生命体ダダが現れる。
感想
原題は「The Dada Effect」。
上手く訳せなかったが、「effect」は「結果、効果、効き目、影響、印象、感じ、趣き」と言った意味がある。
今回の話は『初代マン』の「人間標本5・6」のリメイクとなっているが、『初代マン』の宇宙人の中で名前に「星人」が付かないダダをコンピューター生命体に変更している。ダダは他の宇宙人とは雰囲気が異なっているのでコンピューター生命体と言う設定にも違和感があまり無かった。
SF作品ではコンピューターが敵になる話はお約束となっていて、円谷プロ作品でも『パワード』と同時期に放送された『電光超人グリッドマン』がコンピューターを題材にしていた。
冒頭の場面でニューロネット社のミッチェルが歌っている鼻歌は『ウルトラマンのうた』。
失踪したミッチェルについて色々と喋るお隣さんが面白い。
失踪したミッチェルのパソコン周りにはシリコンの一種が落ちていて、未知の新しい生命体を生み出せるような合成DNAとミッチェルのDNAが含まれていた。
後にこれはダダのものと判明。ダダが人間をさらう時に残る指紋のようなものらしい。
ニューロネット社の女性幹部はダダを電子の檻に閉じ込めて研究しようと言い出す。
知能を持ったコンピューターを研究できるなんて素晴らしい事で少々の危険を恐れて見送るなんてとんでもないと言うが自分の同僚が何人もさらわれた中でよく言えるなぁ……。
マーリンの家に向かうW.I.N.R.。
ホームセキュリティシステムがあるが、サンダースは手持ちのカードに庭の土を付けただけで簡単に家の中に入れた。そんな馬鹿な……。
カイがマーリンのパソコンを調べるが、「マーリン」と言う名前から「ウィザード」と言うパスワードであっさりと日記が見られた。そんな馬鹿な……。
マーリンは既にダダにさらわれていて、W.I.N.R.の前にダダが現れて宣戦布告をする。
「私がダダだ。生命の仕組みは全て分かった。私の体を構成する為に、お前達の炭素ユニットを頂く」。
ニューロネット社ではダダを電子の檻に閉じ込めようとしたが失敗し、逆にダダ・フィールドを展開されて重役二人をダダに変えられてしまった。
この場面は映像は無くて全てヤングの台詞で説明されている。小説だと台詞で説明をしても大丈夫だが映像作品だとやはり映像での説明が欲しい。
カイがパワードに変身し、ダダも3人が合体して巨大化する。
パワードとダダの戦いは『パワード』では珍しい光線技の応酬であった。
パワードがメガ・スペシウム光線で送電線を破壊するとダダは消滅して辺りにシリコンの雨が降った。
あれ？ と言う事はダダにされた重役二人って……。
戦いが終わった後、カイは大急ぎで服にシリコンの粉を付けてW.I.N.R.のもとに戻る。正体がバレないように苦労しているなぁ。
ただ『ガイア』もそうだったが、正体がバレないよう苦労している人ほど最終回を待たずに正体がバレてしまったりする。
事件後、ニューロネット社のメインフレーム解体が役員会議で決定される。
最初に登場した女性幹部はいなかったが解任されたのかな。
全てが終わったと思われたが、壊れたコンピューター画面の向こう側から……。
「ダ、ダ……」。
