「二人の英雄 ーペスター登場ー」
『ウルトラマンパワード』第10話
1994年7月25日発売(第6巻)
脚本 バド・ロバートソン(原案 山口宏 バド・ロバートソン)
監督 キング・ワイルダー
特殊効果 ジョセフ・ビスコーシル
油獣ペスター
身長 50m
体重 4万6千t
原油を食料にして体内で加工する機能を持つ「生きる石油精製所」で、アントニオ湾石油会社の石油を次々に襲った。以前にも現れた事があるらしい。
普段は海中にいるが油脈を使って地中も移動する。単純な知覚器官を備えていて音波に敏感に反応する。
口から炎を吐き、絶対零度の液体窒素弾を受けても活動できる。
アルトゥーロの援護を受けたパワードに空高く放り投げられ、メガ・スペシウム光線で爆発、花火のように散った。
物語
事故続きのアントニオ湾石油会社。その原因は怪獣ペスターだった。
カイが向かうと、そこにはアカデミーで同期だったアルトゥーロがいた。
感想
原題は「Deadly Starfish」。
意味はそのまま「危険なヒトデ」。
今回の話は『初代マン』の「オイルSOS」のリメイクとなっている。
潜航艇S22登場。自分は潜航艇に特別な思い入れがあるわけではないが、やはり『帰マン』以来23年振りの登場と言うのは感慨深い。(『レオ』はオープニング映像のみ)
サンダースは潜航艇が大嫌いで、その理由は「イワシの缶詰になりたくないから」との事。何があったの?
アカデミーでカイと同期だったアルトゥーロ。
カイの「一番の成績だった」と言う言葉にアルトゥーロは「一番年を食っていたからだ」と返す。
アルトゥーロは抜群の成績でありながら目の検査でパイロットになれず、アントニオ湾石油会社に就職したらしい。
「お前はヒーローだよ……。羨ましいよ……。だけど俺は……」。
空を飛び回っているカイを羨ましいと言うアルトゥーロだが、カイはそんなに空を飛び回っていないような……。
ペスターが上陸して炎上するアントニオ湾石油会社。
地上にいたカイも危機に陥っている事を知ったアルトゥーロは無断でストライクビートルに乗り込む。
「これが俺の最終試験だ」。
そこにベックがやって来て「臨時パイロット。カイの代わりだ。資格は無いが、シミュレーターを使った演習では98点取った」と言うアルトゥーロの話を聞くと「自分も同じ場所でミスを犯した」と答え、自分も一緒に乗る事でアルトゥーロの出撃を許可する。
そして見事に液体窒素弾を命中させたアルトゥーロを見てカイは「やはり君はナンバー1だ」と告げる。
ペスターが液体窒素弾を受けても活動を続けるのを見てカイはパワードに変身。
アルトゥーロはペスターの体内の石油に引火しないように頭部の先をピンポイントで攻撃し、パワードは弱ったペスターを片手で空高く放り投げてメガ・スペシウム光線で爆発させる。
「ウルトラマンがやったぞ!」と喜ぶアルトゥーロにベックは「仲間の助けを借りてね」と付け加える。
夜空に赤い目のパワードはカッコイイのだが、演出でそのカッコ良さを引き出せていないのが残念。
ペスターに撃墜されて海中に落下したエドランド隊長のストライクビートルは潜航艇S22に救助されていた。
エドランド「乗せてくれるか?」、
サンダース「給料上げます?」。
翌日、カイはTVのレポーターにアルトゥーロを紹介する。
「彼はアルトゥーロ・メンデス。ウルトラマンと精製所を救ったパイロットだ」。