帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「ウルトラマンマックス誕生!」

ウルトラマンマックス誕生! -溶岩怪獣グランゴン 冷凍怪獣ラゴラス登場-
ウルトラマンマックス』第1話
2005年7月2日放送(第1話)
脚本 梶研吾小林雄次
監督 金子修介
特技監督 鈴木健二

 

溶岩怪獣グランゴン
身長 55m
体重 6万2千t
龍が棲むと言う伝説が残っている龍厳岳から出現した4足歩行の怪獣。公式上は日本国内に初めて出現した怪獣。
生物でありながら鉱物の特徴を持っていて溶岩の中でも生息できる。口から火球を吐き、噛み付き攻撃を得意とする。
DASHの冷凍弾でフリーズされた後、ダッシュバード2号のウイングブレードで粉砕されたが溶岩の中で復活した。
ラゴラスと激突し、さらにマックスにも襲い掛かるが、最後は火球をマクシウムソードで切り裂かれ、マクシウムカノンで倒された。

 

冷凍怪獣ラゴラス
身長 53m
体重 5万7千t
伊豆半島の沖合いから出現した2足歩行の怪獣。
マイナス240度の冷凍光線を吐く。
自然の摂理として、高熱のグランゴンが出現したのを受けて、その逆の特性を持って出現したらしく、龍厳岳を目指してグランゴンと激突する。
マックスにも襲い掛かるが、最後は冷凍光線をマクシウムソードで切り裂かれ、グランゴンに続いてマクシウムカノンで倒された。
カイトが操縦するダッシュバード1号を撃墜し、カイトとマックスが出会うきっかけを作る事となった。

 

物語
21世紀。世界各地を襲う自然災害は止まるところを知らず、遂には空想の産物と思われた怪獣がその姿を現した。
二大怪獣グランゴンとラゴラスを前に人々が危機に陥った時、宇宙から全てを見ていた赤い球体は、ある一人の男の行動に共振する個性を感じ地上に降臨する。
新たなヒーロー・ウルトラマンマックスの誕生だ!

 

感想
「ULTRA N PROJECT」の早期終了を受けて急遽企画された本作。
『ガイア』『コスモス』『ネクサス』と従来のウルトラシリーズとは大きく設定が異なる作品が続いたが『マックス』では「原点回帰」が図られる事となった。
世界観こそ異なるもののマックスはM78星雲出身のウルトラマンとなり、さらには昭和ウルトラシリーズの有名怪獣が復活する等、平成ウルトラシリーズの中では異質だが、一般人がイメージするウルトラシリーズに近い作品となった。

 

オープニングはウルトラマン、伝説怪獣、特別チーム隊員、変身者のシルエットの他、メカニックの描写もあって昭和ウルトラシリーズを再現したものとなっている。

 

アバンでいきなり怪獣が登場する等、久し振りに怪獣を前面に押し出す作風となった。
噴火した火山をバックにしたグランゴンが実にカッコ良い。こう言う怪獣出現は『ネクサス』ではあまり見られなかった。
グランゴンとラゴラスは4足歩行と2足歩行、熱気と冷気、山と海と徹底的に対比されていて印象に残りやすかった。
登場した怪獣をテロップ付きで紹介してくれるのも怪獣を覚えやすくしてくれてありがたかった。
今回は怪獣と特別チームの戦い、怪獣同士の戦い、怪獣とウルトラマンとの戦いと1話の中で色々な組み合わせの戦いが行われて飽きない作りとなっていた。

 

怪獣が現れた理由について、ナレーションは自然災害の影響、トミオカ長官は人類の繁栄はある一線を超えて怪獣と言う試練が与えられたと語っている。
後の「甦れ青春」と合わせると、トミオカ長官は人類が繁栄して自然を破壊してしまった結果、そのしっぺ返しとして様々な自然災害が起き、その一つとして怪獣が出現したと考えているようだ。

 

一方、ヨシナガ教授は怪獣出現は自然の摂理だと語っている。
生態系には調節機能があって特定の種が増えすぎると天敵が現れて個体数が制限される。
この事からヨシナガ教授は自然破壊と言った人類の罪等が怪獣出現の原因ではなく、人類も怪獣も地球と言う大きな生態系の中に組み込まれていて、全てはその生態系の中のバランスの問題であると考えているようだ。

 

洞窟に怪獣がいたと言っても大人に信じてもらえない子供。お約束の展開で懐かしい。
世界各地に怪獣が出現するようになったが日本ではまだ一体も出現していなかったようなので信じてもらえなかったようだ。

 

カイトが所属していた組織の名前はKBN(関東ボランティアネットワーク)となっている。
しかし、K=関東、N=ネットワークは良いが、B=ボランティアが繋がらない。(ボランティアの頭文字は「B」ではなくて「V」)

 

危険を顧みずに子供を助けに行くカイト。この無茶な行動の理由は後に「勇気を胸に」で語られている。
第1話時点ではカイトの過去は明らかにされなかったが、秘密にしておく意味はあまり無かったと思う。DASHに対抗意識を持ち、マックスに選ばれるきっかけとなる等、カイトにとって大事な部分なので、どうしてカイトがこのような無茶な行動を取ったのか最初に説明した方が視聴者も感情移入しやすかったと思う。この回に限って言えば、カイトは無茶をしてDASHに噛み付き、根拠の無い自信でダッシュバードに乗るも撃墜されてしまったと言う迷惑な奴になってしまった。

 

カイトはマックスに向かって「俺を救ってくれたのか?」と尋ねるが、マックスはカイトに向かって「力を貸してほしい」と答える。
この二人の会話の微妙なズレは「勇士の証明」に繋がる事となる。

 

マックスは自分の使命を「人類の文明の監視」と述べている。「見守る」ではなく「監視」となっているのがちょっと穏やかではない。
人類の「監視」と言う任務を帯びた存在が、たった一人の人間の行動に感動して「人助け」をする決意をする。公的な目的を私的な理由で押し切って地球に留まるのは『初代マン』や『セブン』と言った初期ウルトラシリーズを思わせる。(『帰マン』以降は地球を守る事が既に公的な目的となっている)

 

カイトと一心同体になったマックスは降臨時の光でグランゴンとラゴラスを吹き飛ばし、その後もマックスパワーとマックススピードで2大怪獣を翻弄し、最後はマクシウムソードで火球と冷凍光線を切り裂き、マクシウムカノンでグランゴンとラゴラスを続けて撃破する等、強いウルトラマンを前面に押し出す活躍を見せた。
タイプチェンジを見せたティガ、CGで登場したダイナ、ド迫力の着地を見せたガイア、リドリアスを救ったコスモス、人間大のペドレオンを巨大状態で潰したネクサスと比べるとマックスならではの要素や描写は少なかったが当時はそれが逆にマックスの特長となっていた。

 

マックスは敵なのか味方なのか、そして頼りになる存在なのかをゲストの子供達の表情で表現したのが上手い。

 

マックスはジャスティス以来のセブンタイプのウルトラマン
初代マンタイプに比べてセブンタイプは少ないので全ウルトラマンの中でも目立つデザインとなった。

 

カイトは先月にDASHの入隊試験を受けるも落ちてしまっていたが、相次ぐ怪獣被害に備えてDASHも増強が図られる事になり、今回の功績を評価されて急遽大抜擢される事となった。
しかし、カイトが実際に果たした活躍はグランゴンから子供を一人助けただけだったりする。ミズキ隊員に代わってダッシュバードを操縦するも成果を上げる前に撃墜されているので他のウルトラシリーズの主人公に比べて入隊理由が弱いかな。ひょっとしたら、入隊試験に落ちた人間の中でカイトが一番成績が良かったのかもしれないが。
入隊試験に落ちた後、隊員でもないのに危険を冒して子供を助けたり、避難誘導をしたり、戦闘機を操縦したりと、悪い言い方をすれば隊員の真似事をしていたカイトが最後は本物の隊員になれた。しかし、いくら形は本物の隊員になっても、まだ中身は伴っていなかった。カイトがその事を思い知るのはもう少し後の「勇士の証明」でのお話。

 

カイト「彼が救ってくれたんです」、
ヒジカタ「彼?」、
カイト「あの光の巨人です。彼が俺を救ってくれたんです。彼は我々の味方です」、
ショーン「カレカレって……ナマエは? ナマエがナきゃヘンでしょう?」、
カイト「彼は究極の……マックス! ウルトラマンマックス!」。
このやり取りは『初代マン』の「ウルトラ作戦第一号」を思い出させる。
カイトは「ウルトラマンマックス」と言う名前を出す直前に少しだけ目を閉じて間を置いている。「ウルトラマンマックス」と言う名前を考えていたのか、それとも本人に聞いていたのか。

 

後に復活するとは言え、DASHが一度はグランゴンを倒したのに驚き。
実は第1話で特別チームが怪獣を独力で倒したのはこれが初だったりする。

 

アンドロイドのエリー。初期の頃は喋り方が堅いと言うか口調が強い感じ。

 

入隊を果たしたカイトに向かって「入隊おめでとう。それから……ありがとう」とお祝いとお礼の言葉を述べるミズキ隊員。意外に素直でちょっと驚いた。

 

『マックス』は昭和ウルトラシリーズと同じくエンディングが無く、第1話では警報を受けたカイトとミズキ隊員が走り出すとそのまま次回予告になだれ込むと言うカッコ良い流れとなっている。(因みにこのラストシーンから次回予告に繋がる流れが最も活きたのは「第三番惑星の奇跡」であろう)
エンディングが無いのはドラマ本編の時間を増やす為らしい。オープニングの時間も他の作品に比べて短いので、『マックス』は平成ウルトラシリーズの中で最もドラマ本編の時間が長い作品となった。

 

今回は全体的に『ネオス』と共通する部分が多い第1話であった。
『ネオス』も平成ウルトラシリーズの流れの中に昭和ウルトラシリーズの要素を復活させた作品なので『マックス』との共通点は色々と多い。

 

 

ウルトラマンマックス TV COMPLETE DVD-BOX

ウルトラマンマックス TV COMPLETE DVD-BOX

  • 発売日: 2012/10/26
  • メディア: DVD