帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「勇士の証明」

「勇士の証明 ー古代怪鳥レギーラ登場ー
ウルトラマンマックス』第3話
2005年7月16日放送(第3話)
脚本 川上英幸
監督・特技監督 村石宏實

 

古代怪鳥レギーラ
身長 52m
体重 1万4千t
中米では神と崇められている怪鳥で崩壊した遺跡の地下から現れた。何故か日本を目指す。
様々な光線や光弾を放つ他、大きな翼で突風を起こしたり、腹部から鉤爪を出して相手を挟み込む等、多種な能力を見せる。空中だけでなく地中も移動する事が出来る。
マックスに次々と能力を破られ、最後はマクシウムソードで一刀両断にされて爆発した。
ヒジカタ隊長の推測によると「古代に出現した怪鳥を遺跡に封印していたが遺跡が崩壊した事で復活した」との事。

 

物語
「マックスも物凄い能力を持ったエイリアンの一人と捉える事が出来る」と言うDASH上層部の見解を知ったカイトは激怒し、マックスが人類を守る勇士だと証明しようと無茶な行動を起こすが……。

 

感想
主人公がウルトラマンに変身しようとしても変身できないと言う『帰マン』から続く定番パターン。
しかし、これまでの作品では主人公が自分の能力に慢心する展開が多い中、今回は自分と一心同体となったウルトラマンの存在理由を証明する為と言うのが新しかった。
使い古されたパターンかと思いきや、まだまだ新しい切り口があると言う事が分かったお話。

 

ヨシナガ教授は「マックスは今は人類の味方をしているが、見方を変えれば、物凄い能力を持ったエイリアンの一人と言える」と発言。「ウルトラマンの力が人類の敵になったら……」と言うのは平成ウルトラシリーズで何度か出た話題。
『マックス』以前にウルトラマンが人類の敵になったのは『ガイア』のアグルぐらいであるが、『ティガ』ではイーヴィルティガ、『ダイナ』ではゼルガノイド、『ガイア』では金属生命体、『コスモス』ではカオスウルトラマン、『ネクサス』では暗黒巨人とウルトラマンと同質の能力を持った敵が何度か出ている。『マックス』ではそのような偽ウルトラマン系の敵は出なかった。平成ウルトラシリーズより昭和ウルトラシリーズに近い『マックス』らしいが、今回の話でレギュラー登場人物が触れているのでどこかで出してほしかったところはある。

 

因みに宇宙人を「エイリアン」と呼称する話は後にネリル星人キーフが登場する「遥かなる友人」がある。

 

自分が危機に陥った後にマックスに変身すればマックスが人類を守る勇士だと証明できると考えたカイトは無茶な行動を起こすが、掲げたマックススパークは輝かず、カイトが操縦するダッシュバードはレギーラの攻撃を受けて墜落してしまう。
墜落したカイトが軽傷で済んだのはマックスが一心同体だったおかげであろう。それではマックスに変身できず、さらにマックスと一心同体ですらなかったらカイトは一体どうなっていたのか? それが描かれるのが「勇気を胸に」の冒頭場面。勇気と無茶は違う。勇士と無謀者は違うのだ。

 

カイトの考えを見抜いたミズキ隊員は「私もマックスは仲間だと信じているが、全てを頼ろうとは思わない」とカイトの考えを断じる。
ここはマックスが登場する前からDASHで地球の平和を守っていたミズキ隊員とマックスと一心同体になってからDASHで地球の平和を守るようになったカイトの違いが表れたと言える。

 

ミズキ隊員に指摘されて落ち込むカイトに向かって今度はヒジカタ隊長が問う。
自分達が凶悪な怪獣達と戦うのは人類と地球の平和を守る為。マックスも同じ事をしている。だが、その事に証は必要なのか?
実は第1話の「ウルトラマンマックス誕生!」でのカイトはDASHの入隊試験に落ちていてDASHの隊員ではなかったのだが、何の証も無い一般人だったとしても皆を守る為に行動していた。しかし、今のカイトはマックスを自分に置き換え、マックスが認められる事で自分も人類の救世主として認められようとしていた。
自分が真に守るべきものは人類を守る勇士と言う肩書きではなく、目の前にいる大勢の人々そのものである事にカイトは気付くのだった。

 

最初はカイトは公園に独りぼっちだったのが、守るべきものに気付くと実は周りに大勢の人々がいたとした演出が見事。
それまで自分一人の世界に閉じこもっていたカイトが、もっと開けた、様々な人々が存在する世界を知った名場面となった。

 

優しい口調でカイトの過ちを正すヒジカタ隊長、厳しい口調でカイトの考えを断じながら実は心配しているミズキ隊員、カイトの事を心配しながらも必ず立ち直るだろうと信じているコバ隊員とショーン隊員と前作『ネクサス』のナイトレイダーに比べてDASHは人間関係が良好に描かれている。

 

カイトの受けた精神的ダメージを数値化しようとするエリーだったが、コバ隊員とショーン隊員にこういうのは数値に出来ないと指摘される。その指摘に首を傾げるエリーが可愛い。

 

立ち直ったカイトはDASHの隊服を着てダッシュアルファで現場に急行する。
謹慎に近い状態だったので、出来れば私服でダッシュアルファに乗らずに来てほしかった。個人的には第1話と似たような恰好で来てほしかったところ。

 

前半にあった高速空中戦闘はスピード感が抜群で良い。
多種な能力を見せるレギーラとの戦いは見ていて飽きない。
レギーラが放った捕縛光線を切り裂く等、マクシウムソードは色々な使い方があって面白い。

 

司令室から動かないと思っていたエリーがいきなり皆と一緒に出撃したのに驚いた。作戦場所が海外だったからかな?

 

 

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  • 発売日: 2012/10/26
  • メディア: DVD