帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「龍の恋人」

「龍の恋人 -伝説怪龍ナツノメリュウ登場-
ウルトラマンマックス』第9話
2005年8月27日放送(第9話)
脚本 小林雄次
監督 佐藤太
特技監督 村石宏實

 

伝説怪龍ナツノメリュウ
身長 71m
体重 6万3千t
奈津川村に伝わる伝説の龍。湖に棲んでいて、村や自然が荒らされると怒りで暴れるらしい。かつて村の英雄が祠を作って封印したが、開発推進派が祠を破壊した事で復活した。
口から紫の炎を吐き、背中から生えた炎の翼で空を飛ぶ。
最後は少女の訴えを聞いて大人しくなったところをマックスの放った光で再び眠りに就いた。

 

物語
開発推進か中止かで揺れる奈津川村で伝説の龍が現れたと話題になった。
調査に向かったカイトは謎の少女から龍が怒っている事を知らされるが……。

 

感想
村長は開発を進めようとする息子を本末転倒だ罰当たりだと断じていながら、観光客が増えたら温泉スパの誘致を考えるなど立場が分かり難い。これは息子が言うように優柔不断なのだろう。
息子は湖が望める一等地にホテルを建てようとして、「湖を見るだけでは観光客は来ない」と言う父親の意見に「だからこそ温泉スパを作るんだ」と反論。さらには龍の伝説をネタにマスコミを使って話題作りをする等、観光客を呼ぶ為にあらゆる手段を講じる。
村長は息子の手法に反発しながらも祭りを成功させる為に息子の嘘を黙ってほしいとDASHに頼む等、息子の片棒を担いでいるところがある。
息子はホテルと温泉があれば村は救われると言って龍の祠を破壊しているので、伝説ではなく観光客が来てお金を落とさなければ村は救われないと考えているのだろう。村長が息子に反発しながらも結局はそれを止めなかったのは村に対する現状認識が息子と同じだったからと思われる。
最終的に村長と息子の考え方は否定される事になるが、廃れていく村をこれからどうするのかと言う解決方法が他に出ていないので、村長と息子は間違っていたと単純に断じるのはどうかなと思う。

 

奈津川村に伝わる伝説の龍は村や自然が荒らされると怒りで暴れるらしいが、復活したナツノメリュウは口から吐いた炎で村の自然を焼き払っていた。おいおい……。

 

ナツノメリュウはかなりの大きさでなかなかの迫力。
かつてこれを封印した村の英雄は一体何者なのだろう?
川上英幸さんの脚本だったら錦田景竜が出て来たかも。

 

伝説では「英雄が龍の怒りを鎮めて封印した」となっているので、現代の英雄は龍の怒りを鎮めた少女となるが、村長はマックスが英雄だと思い、ミズキ隊員は今度は村の人が伝説を継承する番だと言っている。
まぁ、村長やミズキ隊員は少女の姿が見えていなかったので、マックスが封印したように見えたのは仕方が無いかな。ただ、これまで伝説に殆ど絡んでいなかったミズキ隊員が最後に伝説について語り出すのは違和感があった。

 

今回の話は少女の立ち位置がかなり分かり難く、龍の怒りを鎮めたような説明がされているが、カイトの推測によると龍の復活を解いたのも少女の意志が絡んでいるらしい。結局、少女は何をしたかったのだろうか……?

 

マックスと一心同体になった事で少女の姿を見て声を聞く事が出来たカイトが「すまない。俺には君の姿が見えたのに、君の声が聞こえたのに、龍の存在を信じる事が出来なかった」と後悔する流れが面白かった。ウルトラマンの能力を手に入れてもカイトの意思は普通の人間のレベルと変わりが無かったのだ。

 

花火をバックに炎の翼を生やして湖から飛び立つナツノメリュウがカッコ良い。
他にも燃える村に浮かび上がる姿とか、ナツノメリュウの場面は特撮的に名場面が多い。
一方のマックスも登場と共に花火が打ち上げられる場面はインパクトがあって面白かった。

 

今回のラストシーンは『セブン』の「ノンマルトの使者」を思わせるもの。海と山と言う舞台の違いはあるが、活動領域を広げた人間がしっぺ返しを食らうと言うテーマは共通している。
ただ、今回は特に「ノンマルトの使者」と繋げなくても成り立つ話だったので、ラストシーンによって「今回はノンマルトをオマージュした話」と言う印象が強くなったのは残念。
オマージュやパロディを否定はしないが、今回は「ノンマルトの使者」のオマージュは外した完全オリジナルの話にして、開発推進か中止かで揺れる村を描ききってほしかった。

 

 

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  • 発売日: 2012/10/26
  • メディア: DVD