帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「バディゴー!」

「バディゴー!」
ウルトラマンタイガ』第1話
2019年7月6日放送
脚本 林壮太郞
監督 市野龍一
特技監督 神谷誠

 

ニュージェネレーションヒーローズ
トレギアと戦うが罠にかかって取り逃がしてしまう。
援護に来たトライスクワッドに自分達の力を宿らせたブレスレットを託した。

 

ウルトラマンタロウ
身長 53m
体重 5万5千t
ニュージェネレーションヒーローズの追撃を振り切ったトレギアの前に現れた。
息子のタイガを倒したトレギアにウルトラダイナマイトを使う。

 

雛怪獣ベビーザンドリアス
身長 60cm
体重 5kg
怪獣の餌になるので乱獲されて絶滅寸前になっている種。
ヴィラン・ギルドに捕まってゼガンの餌にされそうになるがヒロユキとタイガに助けられて母親のヤングマザーザンドリアスに返された。

 

若親怪獣ヤングマザーザンドリアス
身長 48m
体重 2万t
ヴィラン・ギルドにさらわれた子供のベビーザンドリアスを助けに地球に来るがゼガンのデモンストレーションの相手にされてしまう。子供を守る為にヘルベロスの攻撃を受けて倒されるが、ヒロユキとタイガに子供は助けられ、最後は子供と一緒にリヴァース星人の仲間の宇宙船で宇宙に帰った。

 

リヴァース星人
宇宙人によって絶滅寸前となっている怪獣を保護して生まれ故郷の星に返す活動をしている宇宙人。地球では河津と名乗っている。
事件解決後、仲間達の宇宙船でザンドリアス親子と一緒に地球を去っていった。
名前の由来は「河(リヴァー)」かな。

 

時空破壊神ゼガン
身長 57m
体重 4万7千t
惑星侵略用の怪獣でヴィラン・ギルドによってオークションにかけられた。
ヤングマザーザンドリアス相手に優勢に戦うが突然現れたヘルベロスに一撃で倒されてしまった。

 

最凶獣ヘルベロス
身長 60m
体重 5万t
霧崎が呼び寄せた怪獣でゼガンを一撃で倒す。
尻尾のブレードテイル、背中から放つヘルエッジサンダー、腕から放つヘルスラッシュ、頭の角から放つヘルホーンサンダーと様々な武器を有している。
タイガのストリウムブラスターを受けて弱った後、オーブレットの力で発射されるスプリームブラスターで倒された。
倒されるとヘルベロスリングとなった。
名前の由来は「ヘル(地獄)」かな。

 

宇宙怪人セミ人間
身長 180cm
体重 150kg
河津を狙ったヴィラン・ギルドの構成員。
ヒロユキとホマレの機転で仲間と同士討ちになった。

 

昆虫宇宙人クカラッチ星人
身長 170cm
体重 75kg
河津を狙ったヴィラン・ギルドの構成員。
ヒロユキとホマレの機転で仲間と同士討ちになった。

 

サーベル暴君マグマ星人
身長 220cm
体重 75kg
ヴィラン・ギルドの構成員で河津が保護していたベビーザンドリアスを狙った。
戦闘力は高くなくヒロユキ相手に苦戦を強いられるが、巨大怪獣のゼガンを切り札として有している。
霧崎が召喚したヘルベロスにゼガンが倒されて計画が失敗に終わるとベビーザンドリアスを捨てて逃亡した。

 

宇宙商人マーキンド星人
身長 180cm
体重 85kg
ヴィラン・ギルドの構成員で怪獣のオークションを取り仕切っている。

 

物語
宇宙空間で悪のウルトラマンであるトレギアと戦うニュージェネレーションヒーローズとタロウとトライスクワッド。
その後、ある宇宙の地球で何者かに狙われている河津を民間の警備組織であるE.G.I.S.が護衛する事になるが……。

 

感想
いきなり宇宙空間でニュージェネレーションヒーローズとトレギアの戦闘シーンが始まって驚かされる。
ニュージェネレーションヒーローズは『ジェネクロ』の最終回で変身前が全員集合し、今回の『タイガ』第1話や『ニュージェネレーションヒーローズ』で変身後が全員集合した後、翌年の『ニュージェネクライマックス』で遂に変身前も変身後も全員揃う事になる。

 

さすがのトレギアもニュージェネレーションヒーローズ全員を相手にするのは分が悪く、爆弾を仕掛けて追撃を振り切っている。
闇に堕ちたとは言えウルトラマンが爆弾を使うのはイメージに無い行動だが、これならニュージェネレーションヒーローズは真正面から戦っていたら負けなかったとして格は落ちないし、トレギアも結果を優先した行動が選択できるとして悪役として格を保つ事が出来たと思う。プロレスでベビーフェイスの格を下げずにヒールを勝たせる為に反則介入を使うようなものかな。

 

ニュージェネレーションヒーローズやトライスクワッド相手には余裕を見せていたトレギアだったがタロウを前にすると「宇宙の番人を気取るな! 光が正義だと誰が決めた!」と感情を露わにして罠も使わず真正面から向かっていった。

 

タイガは「タロウの息子」と言う設定なので「セブンの息子」と言う設定だったゼロとイメージが被るところがあるが、初登場時はウルトラマンとは思えないほど口や態度が悪かったゼロと違ってタイガは自信過剰なところはあるが先輩に対して敬語を使っているので差別化は出来ていたと思う。

 

結果的には生きていたわけだが、それでもタイガ、タイタス、フーマとウルトラマン達が分解されて消されていくのは衝撃であった。
因みにトレギアは過去にルーゴサイトを暴走させているので、先代のロッソとブルと言うウルトラマンの命を間接的にだが奪った事がある。

 

今回もオープニング曲がタイガの声優である寺島拓篤さんの『Buddy,steady,go!』でエンディング曲が全日本アニソングランプリで優勝している佐咲紗花さんの『ヒトツボシ』とアニメ色の強い歌となっている。
寺島さんが作詞も担当した『Buddy,steady,go!』は『T』や『メビウス』を思わせる歌詞が仕込まれている。又、佐咲さんは2017年に『メビウス』でメビウススーツアクターを務めていた和田三四郎さんと結婚されている。

 

タイガはタロウの息子なのだが『T』関係のエピソードは少なくて、どちらかと言うと『セブン』や『レオ』を思わせる宇宙人関係のエピソードが多い。
ヴィラン・ギルドの構成員は地球人に変身した状態で襲ってくる事があるが、これも人間大の宇宙人が多く登場した『セブン』や『レオ』に通じるところがある。

 

E.G.I.S.ではヴィラン・ギルドからベビーザンドリアスを守り切れないと判断した河津は契約を打ち切ってしまうが、それでもヒロユキは困っている人を放っておけないと言って河津が宇宙人だと分かった後も助け続けた。
次回の「トレギア」で語られたチビスケとの話を考えると、ベビーザンドリアスを助けたいと言う思いも強くあったのかなと思われる。

 

『タイガ』の「ヴィラン・ギルド」はこれまであったエンペラ軍団、ベリアル軍団、ルギエルやエクセラーの組織、惑星侵略連合と言ったリーダーや上下関係がハッキリとしている組織ではなく利害関係が一致した寄り集まりの組織と言うのが新しかった。目的も地球侵略ではなく怪獣の密売やオークションと言った経済絡みなのもこれまでにあまり無いものであった。
それにしても当時は『ウルトラ怪獣バトルブリーダーズ』が展開されていたのに敵キャラが怪獣オークションをすると言うのは凄いなぁ……。

 

ジード』だとゼガンはシャドー星人専用の怪獣と言う印象だったが、この宇宙では違うのかな?
この宇宙はベリアル軍の侵攻が無いはずなので、おそらくシャドー星は滅んでおらず、もしかしたらシャドー星人がゼガンの量産化に成功してヴィラン・ギルドに提供したのかもしれない。

 

『T』は「母と子」が一つのテーマだったので『タイガ』の第1話に怪獣の母と子が出るのは納得。
ザンドリアスが新番組の第1話に物語の中心として登場するとは数年前には考えられなかった。ザンドリアス復活のきっかけとなった『ウルトラ怪獣擬人化計画』の凄さを改めて感じる。

 

ウルトラシリーズの特別チームは主人公以外は秘密を持つ人間が少なかったので、ホマレに謎を付けたりカナが実は色々知っていてただ者ではないとしたのは意外だった。

 

霧崎がヘルベロスを召喚した理由は明らかになっていないが、おそらくタイガが再び実体化する状況を作ったのであろう。
そのタイガだがベビーザンドリアスを助けようとするヒロユキに向かって「どうする? お前だけなら逃げられるぞ」とあえて覚悟を試している。
この第1話は「トレギアはタイガを試し、タイガはヒロユキを試す」と言う構図になっていて、人間の覚悟や決意に応える形で力を貸すウルトラマンと言う存在が「上から目線で人間を試している傲慢な存在」に見えるようにもなっている。(因みにタイガは第1話のラストで自分の姿をヒロユキに見せているが、少し大きい姿で出てヒロユキを見下ろす感じになっている)

 

『T』の時代はミニチュアで街を表現していたが『タイガ』の時代になるとミニチュアの他にCGも使えるようになって「広い街中にポツンと立つ巨人」と言う映像を作る事が出来るようになった。

 

ウルトラマンタイガ! 銀河に平和をもたらす光の巨人!」、
ウルトラマンは地球上では3分間しか活動できない!」。
まさかの河津さんの説明に驚いた。そこはナレーションに説明させるんじゃないんだ。
よく考えたら宇宙警備隊に所属しているウルトラマン達は地球に降り立つのは初めてでも他の星で既に活動している事があるので、地球人が知らなくても他の星の宇宙人がウルトラマンについて色々知っているのは自然であった。

 

親子なのでタイガの動きや演出にタロウと共通する部分があるのが良い。
ここは昔の作品との連動をあまりしない仮面ライダーシリーズやスーパー戦隊シリーズとは違うウルトラシリーズならではだと思う。

 

『オーブ』『ジード』『R/B』と主人公ウルトラマンが基本形態に変身するには他のウルトラマンの力が必要であったが、『タイガ』ではウルトラマン達の力が宿っているブレスレットはあくまで技の強化に使われるだけとなっている。
前作『R/B』も歴代ウルトラマンの力を借りて変身しているが劇中ではその事についてあまり触れられていなかったりとこの時期のTVシリーズは過去のウルトラマンと少し距離を取ろうとしていた感じがあった。

 

ヘルベロスを倒すと現れたヘルベロスリングは明らかにヤバい黒いオーラを放っていたが、タイガはウルトラマンの力を感じる事から怪獣リングを信用して使う事にする。
怪獣リングから発せられるウルトラマンの力は闇堕ちしたトレギアの力であった。ウルトラマンの力と言っても正しい力とは限らないと言う事を怪獣リングは証明している。

 

霧崎は地球人の姿をしているが影はトレギアと言う宇宙人の形になっていると言うのは昔からある手法ではあるが外見と中身が違う事を示すのに最適な演出だったと思う。

 

 

 

 


【監督コメント付】『ウルトラマンタイガ』(新) 次回予告 第1話「バディゴー!」 "ULTRAMAN TAIGA" episode 1 Preview + Director interview !!

 

 

放送前に「第0話」として『ウルトラマンタイガ物語』がYou Tubeで配信された。タイガは宇宙警備隊の候補生でタイタスやフーマとはまだ出会っていない時期の話となっている。
ウルトラマン物語』でのウルトラの父とタロウを思わせるやり取りがタロウとタイガで繰り返されていて、父とタロウとタイガの血の繋がりを感じる一方、かつてのタロウより素直に感情を見せる事でタイガがタロウとは違うと言う事も分かる話となっている。
今思えば『ゴーストリバース』に『ゼロファイト』の「輝きのゼロ」とシリアスハードなエピソードが選ばれていたのは『タイガ』の作風に因んでだったのかな。(あとメカザムにゼロダークネスにベリアルにと「友が敵になる」エピソードが選ばれている)


『ウルトラマンタイガ』第0話「ウルトラマンタイガ物語(ストーリー)」 -公式配信- ULTRAMAN TAIGA Episode 0 Prologue

 

 

「未来の思い出 前編
『トライスクワッド ボイスドラマ』第1回
文芸 池田遼
演出 足木淳一郎

 

『SSSS.GRIDMAN』のボイスドラマが好評だったのでウルトラシリーズでもボイスドラマを製作してYou Tubeで配信する事となった。
『タイガ』本編ではトライスクワッドのバックグラウンドが殆ど語られないので、ボイスドラマはそれらをフォローする内容となっている。

 

「戦闘が得意なシルバー族やレッド族」「頭脳明晰なブルー族」と昭和の頃に児童誌で展開された設定が『メビウス』から本編でも取り上げられるようになった。特にブルー族の設定は『タイガ』の重要人物であるトレギアの人生に深く関わっている。
ボイスドラマは映像作品では出来ないマニアックな内容になっていて、このような細かい設定の掘り起こしが行われる事となった。劇中でフィリスが「大事に保管しておくからこそ後に貴重なものになる」「先人が遺した歴史を未来に継いでいく」と言って遺物の管理をしていたが、昔の設定を有効活用している今のウルトラシリーズを見ているとフィリスの仕事の大事さがよく分かる。


【ウルトラマンタイガ】『トライスクワッド ボイスドラマ』第1回「未来の思い出 前編」-公式配信- "Tri-Squad Voice Drama" episode1

 

 

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ウルトラマンタイガ ウルトラ怪獣シリーズ 107 ヘルべロス

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ウルトラマンタイガ ウルトラヒーローシリーズ 65 ウルトラマンタイガ