帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「群狼の挽歌」

「群狼の挽歌」
ウルトラマンタイガ』第4話
2019年7月27日放送(第4話)
脚本 中野貴雄
監督 田口清隆

 

ヴォルク
ホマレに憧れる宇宙人ギャング。
ゾリンの配下だったが霧崎に唆されて怪獣爆弾を横取りした。
本気を出したホマレに倒された後、ゾリンが差し向けた暗殺者に撃たれて命を落とす。

 

憑依宇宙人サーペント星人
身長 160cm
体重 48kg
ヴォルクの配下の宇宙人。
ヒロユキとホマレを捕らえるが本気を出したホマレに倒される。

 

ガルメス人
身長 200cm
体重 80kg
ヴォルクの配下の宇宙人。
ヒロユキとホマレを捕らえるが本気を出したホマレに倒される。

 

健啖宇宙人ファントン星人
身長 200cm
体重 92kg
橋の下で怪しげな店を開いているが正体は裏社会の情報屋で自身の好物と引き替えに情報を渡している。

 

変身怪人ゼットン星人ゾリン
身長 200cm
体重 60kg
表向きは園芸と手品と子供が好きな町内会長だが正体はヴィラン・ギルドの幹部。
マーキンド星人から怪獣爆弾を落札して紛争地域に転売して儲けようとした。
ヴォルクに怪獣爆弾を盗まれたので暗殺者を差し向ける。

 

奇機械怪獣デアボリック(MB)
身長 60m
体重 6万t
ヴィラン・ギルドのゾリンがマーキンド星人から落札した怪獣爆弾の正体。
ヴォルクによって解除され街を破壊するがフーマがギンガレットの力を使って放った七星光波手裏剣で倒された。

 

物語
ヴィラン・ギルドに所属する宇宙人が怪獣爆弾を使って脅迫してきた。
佐倉警部から話を聞いたホマレは街に住む宇宙人達から情報を得て犯人を捜していく。

 

感想
バディゴー!」で人間離れした身体能力を見せたホマレの主役回で彼が宇宙人である事が判明する。
基本的にウルトラシリーズは主人公以外の特別チームの隊員は普通の人間である事が多いので主人公のヒロユキ以上に謎を秘めた人物がチームにいたと言うのは驚きだった。

 

「悪質宇宙人達はこの街で「ヴィラン・ギルド」と言う犯罪組織を作っている。彼らは固定のアジト・メンバーを持たず、宇宙人のみがアクセスできる闇の宇宙ネットワークを使って集合離散を繰り返している」。
時代が変わると作品の内容も変わるもので、ヴィラン・ギルドはこれまであったエンペラ軍団のような一つの大きな組織ではなくネットワークで繋がった組織となっている。これは現実社会の犯罪組織やテロ組織を思わせる。

 

ファントン星人の情報屋とのやり取りは刑事ドラマで見られる展開。
『セブン』の頃の宇宙人は「敵国のスパイ」のような雰囲気で、第2期ウルトラシリーズの頃の星人は「ヤクザ」っぽくて、平成ウルトラシリーズの頃はSF色やコズミックホラーな存在が増えていたが、『タイガ』のヴィラン・ギルドは「犯罪者」と言う感じになっている。その為、『タイガ』はこれまでにあったSF作品やスパイ作品のような展開より刑事ドラマのような展開が多かった。

 

ファントン星人はヒロユキの子供の頃の宝物であったヒノデジュースの王冠と引き替えにゾリンの情報を提供する。
この場面はギャグっぽくなっているが、地球の品物が宇宙で取り引きされていると言う「宇宙人もお金で動く」と言う『タイガ』の作風に則った展開になっている。

 

ヴィラン・ギルドの幹部であるゾリンが登場。
これまでの作品に登場した組織の幹部と違って表向きは人の良い町内会長として街に溶け込んでいると言う設定が斬新だった。

 

ウルトラシリーズのようなヒーロー作品は子供を対象にしているので分かりやすい説明がされるものなのだが、ゾリンは「子供の頃は可愛らしかったのにいつからあんな悪い子になったのかね」と言う言葉で「ゾリンとホマレが若い時から知っている人物が犯人」と言うのを伝えるなど直接的ではない説明をするのが印象的だった。

 

今回の話でホマレが宇宙人である事が判明するのだが、彼はただの宇宙人ではなく「宇宙人ギャング」と言う裏社会に関わっていた人物だった。ウルトラシリーズのメインキャラは優等生である事が殆どなのでホマレのような裏社会に身を置いていた人物は異色であった。
尚、ホマレのようなアウトローな部分を持つ隊員は次作『Z』にもヘビクラ隊長(ジャグラー)が登場している。

 

タイガとデアボリックの戦いは技術の進歩を感じた。
これまでも空中戦は何度かあったが今回はタイガは空中にいるがデアボリックは地上にいるので、これまでにあまり無かった見下ろす構図になっている。

 

ヴォルクを唆してゾリンを裏切らせたのは霧崎であった。
霧崎のこの行動によってヴォルクは命を落としてしまう事になり、ヒロユキに続いてホマレも霧崎との因縁が生まれた事になった。
因みに今回はフーマの登場回でもあるが、意識したのか偶然なのか霧崎はヴォルクの事を「負け犬」と評している。

 

ヴォルクが大金を手に入れようとした理由は自分のような宇宙人の孤児を助けたいからであった。
ひょっとして、ゾリンの「子供好き」と言う設定は「宇宙人の孤児を組織の兵隊にしている」と言う意味だったりするのかな。

 

今回からフーマが本格登場。
トライスクワッドは基本タイプのタイガ、パワータイプのタイタス、スピードタイプのフーマに分けられる。
タイプチェンジは『ティガ』の時からあるのでパワーやスピードに特化したタイプと言うのも結構あるのだが、『タイガ』はパワーやスピードと言った能力にタイタスやフーマの性格を加える事でこれまであったパワーやスピード系のタイプと差別化する事に成功している。

 

スピードの表現で残像を使うのは昔からある演出だけれどやっぱりこれが一番分かりやすい感じがする。

 

仮面ライダースーパー戦隊には「忍者」をモチーフにしたキャラクターがいたがウルトラマンにはそう言う何かをモチーフにしたキャラクターが殆どいなかったので、「忍者」の要素を上手くウルトラマンに落とし込んだフーマのキャラクターはウルトラシリーズにおいて一つの革命になるかもしれない。

 

怪獣を倒してカラータイマーが鳴って帰るところを足を掴んで邪魔するなんて事が出来るのはウルトラシリーズでもトレギアくらいだろうなぁ。

 

インナースペースでトライスクワッドに囲まれるヒロユキ。
何故かタイガ達がヒロユキよりかなり大きくなっていてヒロユキの大変さがより分かりやすくなっている。

 

ホマレ「この街にはな、地球人でない奴らも大勢いるんだ。奴らにだって子供もいれば親もいる。だから、そいつら皆ひっくるめて俺がこの街を守る。それが俺の仕事なんだ」、
ヒロユキ「僕達の仕事でしょう? だって僕らは」、
ホマレ「黙ってろ。今日の俺は機嫌が悪いんだ」。
自分の正体を隠して多くの人を守ろうとするのはウルトラシリーズの主人公と同じ。
ウルトラシリーズの主人公(特に平成以降)は年齢が若くなって知らない事も色々あると言う設定になっている事が多いのだがホマレは色々な事を経験していて社会の裏側も知っているとなっている。これは主人公ではないから出来た人物設定だっと思う。

 

ニュージェネレーションシリーズでは『ギンガS』の「君に会うために」や『X』の「われら星雲!」「激撮! Xio密着24時」や『オーブ』の「地図にないカフェ」と言った「宇宙人達が密かに暮らしている」と言う話がいくつかあったが『タイガ』はそれらを更に掘り下げた話が描かれる事となる。宇宙人はもう遙か彼方の存在ではなくなったのだ。

 

今回の話だが殴り合いや銃撃戦や命を落とす宇宙人と言った要素は他のウルトラシリーズにもあるのだが、ヴォルクやゾリンや暗殺者達が殆ど人間の姿で活動していたので着ぐるみで宇宙人を表現する他のウルトラシリーズに比べて全体的に生々しくなっていた。

 

 

 

 


【監督コメント付】『ウルトラマンタイガ』次回予告 第4話「群狼の挽歌」 "ULTRAMAN TAIGA" episode 4 Preview + Director interview !!

 

 

 「リーダーは誰だ」
『トライスクワッド ボイスドラマ』第4回
演出 足木淳一郎

 

トライスクワッドが遂に集結。
「アイテムの名前を変えると色々な人が混乱する」とか「M78星雲とU40とO-50と獅子座L77星の知名度対決」とか「『ザ☆ウル』の歌詞を口にするタイタス」とか微妙にメタ発言がある。こう言う事が出来るのもボイスドラマの強みかな。

 

アイテムの名前の話でタイタスが言いかけた「マッスルスパーク」は『キン肉マン』に登場する必殺技の名前。
キン肉マン』はウルトラマンのパロディから始まっていて、初期の読み切りではキン肉マンウルトラの父が浮気して出来た子供と言う衝撃の設定であった。

 

フーマ「グリージョ可愛いし」。
大変! ファルコン1が出動してしまう!
そう言えば「バディゴー!」でニュージェネレーションヒーローズがトライスクワッドに自分達の力が宿ったブレスレットを託すのだが、ロッソとブルが同じO-50の関係者であるフーマにブレスレットを託さなかったのはこれが原因か?(んなわきゃない)

 

「ジョーニアスは誰もが知っているウルトラの戦士」と言うのはこの頃まではネタ扱いであったが、ジョーニアスとU40は『タイガ』で知名度を上げて『ウルトラギャラクシーファイト 大いなる陰謀』で映像作品への復帰を果たしている。
昔の「昭和のウルトラシリーズで取り上げられるのは『レオ』まで」の頃を思うと現在のウルトラシリーズは満遍なく過去作品を取り上げてくれて嬉しい。


【ウルトラマンタイガ】『トライスクワッド ボイスドラマ』第4回「リーダーは誰だ」-公式配信- "Tri-Squad Voice Drama" episode4

 

 

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ウルトラマンタイガ ウルトラヒーローシリーズ 67 ウルトラマンフーマ