帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「円盤が来ない」

「円盤が来ない」
ウルトラマンタイガ』第6話
2019年8月10日放送(第6話)
脚本 足木淳一郎
監督 田口清隆

 

星人遺族セミ少女
身長 100cm
体重 50kg
10年前に外事X課に保護された宇宙人の子供。研究所に送られたらしい。

 

サイケ宇宙人ペロリンガ星人
身長 180cm
体重 80kg
50年前に地球に取り残された仲間を迎えにやって来たが、星に帰りたい男がもう少し地球で生きる事を決めたので彼の意思を尊重して宇宙に帰っていった。

 

宇宙ヒットマンガピヤ星人アベル
身長 190cm~50m
体重 190kg~3万t
「時空を股に掛けるヒットマン」で霧崎の依頼を受けて地球にやって来た。
かつてオーブに倒されたガピヤ星人サデスの弟で、憧れであった兄に似せて自分の体を改造している。
普段はオネエ言葉だが激昂すると口調が荒くなる。
自分の姿を見た星に帰りたい男の命を狙うが、フーマがビクトリーレットの力を使って放った鋭星光波手裏剣で倒された。

 

物語
夜中にカナは宇宙人に襲われている男性を保護するが、彼は自分も宇宙人だと語り出す。
地球に取り残されてずっと円盤を待っていたと言う彼は本当に宇宙人なのだろうか?

 

感想
『セブン』の「円盤が来た」の後日談のような話。
ただ、今回の話を「円盤が来た」の後日談にすると過去に地球防衛軍が存在してセブンが活躍していたと言う事になるので『タイガ』の基本設定と外れてしまう。
『マックス』の「狙われない街」のように今回の話だけ過去の作品と繋がっていると言う可能性もあるが、「『タイガ』の地球には地球防衛軍もセブンもいないがペロリンガ星人は密かに地球に来ていた」とするのが一番妥当かなと思う。

 

今回は実相寺監督の「円盤が来た」を意識した話だったので実相寺監督作品のようなカットが見られた。
いつもと違う撮り方がされている話があると作品の中で良いアクセントになると思う。

 

今回登場した「星に帰りたい男」は50年前に地球に来た宇宙人であった。
狙われない街」のメトロン星人と似た境遇であったが、メトロン星人が何だかんだ言って地球を楽しんでいたのに対して星に帰りたい男は孤独な感じになっていたのは「友達」がいたかどうかだったのかな。
地球人に助けられて地球人の友達が出来て地球を満喫して最後は故郷に帰っていったメトロン星人と地球人に疎まれて地球の生活が嫌になった星に帰りたい男。星に帰りたい男が言っていた「50年前に出来た地球人の友達」が今はどうしているのかは謎だが、別れたにせよ亡くなっているにせよもう会えなくなっているのは確か。もし、その友達が今も一緒にいたら星に帰りたい男の50年間は違ったものになっていたと思われる。

 

「星に帰りたい男」を演じたのは「円盤が来た」でペロリンガ星人を演じた高野浩幸さん。当初はフクシンを演じた冷泉公裕さんが出演する予定だったが、冷泉さんが2019年1月に亡くなられたのでフクシンではなくペロリンガ星人が再登場する話に変わったらしい。
因みに冷泉さんは『ネオス』の「見えない絆」にヒノ隊員の父親役として出演していて、蕎麦屋で星を見るのが好きな人物となっていた。『セブン』と『ネオス』と『タイガ』では舞台となる地球が違っているが、あの頃はうだつの上がらない大人だったフクシンが店を持って結婚して子供が特別チームの隊員になったのに対し、あの頃は聡明な子供だったペロリンガ星人が人生に希望を見出せず無為な日々を送るようになったと言うのが興味深い。

 

ペロリンガ星人の寿命がどのくらいのものなのか分からないが、ウルトラマン達の寿命が万単位なのでペロリンガ星人も同じような長寿の種族と考えると地球人より成長が遅い可能性があり、星に帰りたい男は見た目は大人だが中身は子供だった50年前とあまり変わっていないのかもしれない。
もし星に帰りたい男が地球で暮らす為に見た目は大人にしたが中身は50年前と同じ少年だったとしたら、50年前(ペロリンガ星人にとってはほんの少し前)と同じように子供と一緒に野球をしようとして周りに白い目で見られる地球での暮らしは辛いものがあったのかもしれない。
今回の話はセミ少女と言う宇宙人の子供が出ているが、星に帰りたい男も実はセミ少女と同じ「一人地球に残されてしまった宇宙人の子供」と見る事が出来る。

 

兄に負けず劣らず濃いキャラだったアベル
兄弟揃ってイカレタ奴であったが、サデスが必要が生じて自分を改造したのに対してアベルは憧れの兄に似る為に自分を改造すると言う見た目を重視するところがあった。だから、ちゃんと体の中身を鍛えているタイタスに負けちゃうのかな?

 

サデスのデザインはペロリンガ星人の前身である「水棲人ピニヤ」をモデルにしている。星に帰りたい男がアベルを自分の仲間だと思い込んだのはその為。こう言う「知らなくても本編を楽しむには支障は無いが知っていたら思わずニヤリと出来る話」は面白い。

 

本人は笑わせるつもりは全く無いんだろうけれど、いちいちポーズを取るタイタスさんを見るとどうしても笑ってしまうw
「私がやろう。鍛え上げた筋肉が銃弾にも勝る事を見せてやる」と言って本当に筋肉で銃弾を跳ね返す場面は笑うしかないw

 

「戦いで街がドンドン壊れていく。もっと穏やかに事を運べないのかな」と言う台詞に繋げる為とはいえ街をバンバン壊す戦いには賛否両論あると思うが、リアルとは別に「ミニチュアの街をドガバガ壊して戦いを盛り上げる!」と言うのもミニチュア特撮の面白さの一つだと思うので自分の中ではアリだった。

 

怪獣の力を使ったとは言え、毒攻撃を行うウルトラマンは今回が初めてかな?

 

カナが外事X課に所属していた事が明かされる。
セミ少女のエピソードは地球規模の組織が怪獣や宇宙人と言った未知の存在を相手にするとこう言う裏の部分も出てくるのだろうなと思う。
子供番組でヒーローが関わる組織をあまり悪く描く事は出来ないのかウルトラシリーズに登場する組織でこう言う裏の部分はあまり描かれてこなかったが『タイガ』は主人公達が所属するE.G.I.S.とは別に外事X課と言う組織があるので中々黒いエピソードが作られている。

 

今回の星に帰りたい男やセミ少女の話は現実社会での日本に来た外国人達の問題を思わせるものとなっていた。

 

カナ「地球をあなたみたいな人も自由に生きられる星にしたいの」、
星に帰りたい男「地球人は……そんな世の中を作れると思うかい?」、
カナ「少しずつでも変えたいと思っている」。
こうして見ると『タイガ』は「タロウの息子」だけれどテーマは『セブン』『レオ』『平成セブン』を受け継いでいる部分が多い。

 

 

*「さおりおばあちゃん」は『T』のさおりさんがモデルなのかな?

 

 


【監督コメント付】『ウルトラマンタイガ』次回予告 第6話「円盤が来ない」 "ULTRAMAN TAIGA" episode 6 Preview + Director interview !!

 

 

「ザ★ウルトラマンタイタス」中編
『トライスクワッド ボイスドラマ』第6回
文芸・演出 足木淳一郎

 

『ザ☆ウル』のヘラー軍団編の裏側。
アニメだからか他の作品に比べて『ザ☆ウル』は本編の映像が後の作品で使われる事があまり無いので今回の話でウルトリアの映像が出たのは感動した。

 

ウルトラマンは基本的に「光」や「善」の存在なのでジードや今回のタイタスのように自分の出生に苦しむのは珍しい。今回は「親殺し」の要素もあって仮面ライダー等の石ノ森章太郎さんの作品を思わせる。

 

タイタスを育てる事になったザミアスは「反逆者の中にも最後の良心を捨てずにいる者がいた」と言ってるが、これは子供のタイタスに「お前は親に捨てられたのではない」と言う事を伝えたかったのかもしれない。
ただし、ここでヘラー軍団の中にもタイタスの親のような良心を持っている者がいるとした事で大人になって戦士団に入ったタイタスは苦しむ事になってしまう。

 

本編のセミ少女や子供と一緒に野球をしようとした中身が少年のままの星に帰りたい男やボイスドラマのタイタスとこの週の『タイガ』は「残された子供」の話になっている。


【ウルトラマンタイガ】『トライスクワッド ボイスドラマ』第6回「ザ★ウルトラマンタイタス (中編)」-公式配信- "Tri-Squad Voice Drama" episode 6

 

 

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