「我らは一つ」
『ウルトラマンタイガ』第16話
2019年10月19日放送(第16話)
脚本 林壮太郞
監督 武居正能
最凶獣ヘルベロス
身長 60m
体重 5万t
トレギアが怪獣リングを使って召喚した。
トライストリウムのタイタスバーニングハンマーで倒された。
倒されるとヘルベロスリングに戻った。
悪夢魔獣ナイトファング
身長 62m
体重 6万2千t
トレギアが怪獣リングを使って召喚した。
トライストリウムのタイガトライブレードで倒された。
倒されるとナイトファングリングに戻った。
物語
トレギアによって闇に堕ちたタイガとその影響で意識が闇に堕ちたヒロユキ。
E.G.I.S.がヒロユキを救い、ヒロユキとタイタスとフーマがタイガを救う為に立ち上がる!
「生まれた星は違っていても共に進む場所は一つ。永遠の絆と共に我ら四人トライスクワッド!」。
感想
タイガにタイガスパークを与える時にタロウは「かつて友と一緒に作った」と説明している。「友だった」ではなく「友」と言っている事からタロウの中ではトレギアはまだ「友」である事が分かる。
タイガにヒロユキの声が届かなくて、その結果、ヒロユキにホマレ達の声も届かなくなった。そこでピリカの発明によってホマレ達の声がヒロユキに届くようになり、その結果、ヒロユキの声もタイガに届くようになる。
『タイガ』はトライスクワッドの話とE.G.I.S.の話があって、ヒロユキはその二つの話を繋ぐ存在となっている。この構図に気付けなかったのが霧崎の誤算であった。
今回の話を見ると実はE.G.I.S.はヒロユキとタイガの関係に薄々気付いている事が分かる。ひょっとしたら悪夢にうなされている時にヒロユキがタイガの名前を口にしていたのかもしれない。
過去に宇宙人によって宇宙に連れ去られそうになったヒロユキをタイガが助け、今度はトレギアによって闇に連れ去られそうになっているタイガをヒロユキが助けると言うのはベタな展開だけれどやっぱり良い。
タイタスやフーマがタイガとの出会いを語っているが、トライスクワッド結成の話はTV本編ではなく『ウルトラヒーローズEXPO THE LIVE ウルトラマンタイガ』で描かれている。
闇の力で父親を越えろとタイガを諭すトレギア。光の力に対抗する為に闇の力と言う禁忌を使って強くなると言う展開は『スター・ウォーズ』を思い出す。
ヒロユキがタイガを直接殴ったのに驚いた。
これは大きさが違う現実世界では難しい演出でインナースペースと言う設定があるから出来た展開と言える。
かつてトレギアがタロウと一緒に「仲間との絆を深める物」として作ったタイガスパーク。今のトレギアは絆を否定し地球人を見下しているが、そんなトレギアの企みは「地球人ヒロユキがタイガスパークでタロウの息子を殴って絆を取り戻す」事で失敗に終わる。
「本当の力には「誰かを助けたい」と言う強い思いがこもっているはずだ!」と叫ぶヒロユキ。
「トレギア」でのヒロユキとタイガの出会いの場面を見返すと、タイガはヒロユキのチビスケを助けたいと言う強い思いに引き寄せられていた。
E.G.I.S.によって呼び戻されたヒロユキの腕にトライスクワッドレットが誕生し、タイガスパークにトライスクワッドレットをリードする事でタイガトライブレードが誕生する。
霧崎が驚いた表情で見ているが、おそらくこれは開発者である彼も知らなかった絆の力で引き出されたタイガスパークの力だったのであろう。絆の力を否定するトレギアであるが、彼の開発したタイガスパークが絆の力の強さを証明する事になる。
これまでのタイガはシルバーが多いカラーリングだったがトライストリウムになると父親のタロウと同じくレッドが多いカラーリングになる。又、ブルーのプロテクターが増えた事で『T』の特別チームであるZATを思い出すカラーリングにもなっている。
タイタスはパワー、フーマはスピードと自分なりの戦い方が確立しているのに対してタロウはストリウムブラスターのような父親のタロウを思わせる技が多く、おそらくそれもコンプレックスの一つだったと思われる。だからこそ父親とは関係の無い力であるフォトンアースや怪獣リングを多用したのかもしれない。
これまで怪獣リングを多用していたタイガがこれからはタイタスやフーマと言った仲間の力を使うようになると言うのはチーム物として上手いパワーアップであった。
父親にコンプレックスを抱き、そこから闇の力を持つ怪獣リングを多用してしまったタイガが、父に指摘された絆の力でトライストリウムと言う新しい光の力を手に入れ、その姿が父親に似ると言うのが興味深い。偉大な父親から離れるのではなく、その父を継ぐと言う感じがする。
玩具の関係で仕方が無いのだろうが、インナースペースでヒロユキが使うタイガトライブレードもタイガが使っているのと同じ大きさにしてほしかったな。
戦いが終わったタイミングでトレギアがタイガ達を襲うのはこれまでにもあったが今回は余裕の無い状態で焦って襲いかかってあっけなく返り討ちにされている。これまで色々あったのでこの展開はカタルシス満点であった。こうして見るとトレギアはヒール役としては最高なキャラクターである事が分かる。
戦いに敗れた霧崎が「工藤……ヒロユキ……!」と叫ぶ場面は途中までは霧崎の声だったのに最後はトレギアの声が出ていて、正体を隠せなくなるほどの怒りと悔しさが伝わる場面であった。
タイガはU40人のタイタス、O-50人のフーマ、そして地球人のヒロユキと言った他の星の人との絆でトライストリウムと言う力を手に入れた。これまでのウルトラシリーズは「光の国のウルトラマンと地球人の絆」の話が多かったが『タイガ』はそれを「光の国のウルトラマンと他の星の人々の絆」にまで広げた。
逆にトレギアはあくまでタロウをはじめとする光の国のウルトラマン達しか見ていない。U40は大昔に全宇宙に子孫を増やす為の実験を行っていて、O-50も色々な星から人が集まってくると言う設定なので、トレギアのような「他の種族との関わりを拒否する」と言う設定が出来るウルトラマンは実は光の国出身に限られている。
『ウルトラ銀河伝説』で光の国はプラズマスパークの光が強すぎるので地球人には危険と言う設定があったので光の国はウルトラマン以外の種族が住むには厳しい環境なのかもしれない。その結果、トレギアのような他の種族との関わりに否定的な人物が出てくるようになったのかもしれない。
ヒロユキとトライスクワッドの関係は『三銃士』なのかな。
自分は昔にNHKで放送されていた『アニメ三銃士』をちょっと見たくらいの知識しかないのでよく分からないが。
*前作『R/B』のハロウィン回かな?
民間警備組織 E.G.I.S.
— ウルトラマンZ / ウルクロZ 公式 (@ultraman_series) 2019年10月21日
工藤ヒロユキの日報#ウルトラマンタイガ#イージス業務日誌https://t.co/UX6yRE74A7 pic.twitter.com/4vjKfopIoi
【監督コメント付】『ウルトラマンタイガ』次回予告 第16話「我らは一つ」"ULTRAMAN TAIGA" episode16 Preview + Director interview !!
「次の機会に part2」
『トライスクワッド ボイスドラマ』第16回
演出 足木淳一郎
やっぱりメンドイ性格をしているタイタスさん。
フーマが言った「春先にもう一度パワーアップの機会が来るかも」は劇場版の事。コロナ媧で夏に公開延期になってしまったが当初は春公開の予定であった。
【ウルトラマンタイガ】『トライスクワッド ボイスドラマ』第16回「次の機会に part2」-公式配信- "Tri-Squad Voice Drama" episode 16