帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「砂のお城」

「砂のお城」
ウルトラマンタイガ』第20話
2019年11月16日放送(第20話)
脚本 中野貴雄
監督 武居正能

 

ヘイズ星人ミスティ
東都大学の元宮サチコの幼馴染み。
表向きはヴィラン・ギルドの構成員だが正体は佐倉の部下で潜入捜査官だった。
名前の由来は「霧」から。

 

宇宙帝王バド星人エル・レイ
身長 200cm
体重 80kg
ゾリンに雇われた狙撃手で元宮サチコの命を狙うがミスティと佐倉によって阻まれる。

 

変身怪人ゼットン星人ゾリン
身長 200cm
体重 60kg
ゾリンコーポレーションと言う実体の無い会社を使って投資を行っていた。
様々な場所に部下を潜入させているので、その正体がバレるCQの開発を阻止しようとバド星人エル・レイを雇った。
エネクロン社の株取引を巡って経営の妨害や嘘の情報を流していたとして逮捕された。

 

大蟻超獣アリブンタ
身長 57m
体重 6万2千t
ヴィラン・ギルドとバド星人エル・レイが使う怪獣。
ゼットン星人ゾリンの株取引の為にエネクロン社の施設を破壊していた。
地中に潜って奇襲を仕掛けるが最後はトライストリウムのトライストリウムバーストで倒された。

 

物語
東都大学の元宮教授によって地球人と宇宙人を判別する装置「CQ」の開発が進められる。
自分達の活動が脅かされると考えたヴィラン・ギルドは元宮教授の暗殺を企てるが……。

 

感想
宇宙人犯罪防止の為に地球人と宇宙人を判別する装置「CQ」の開発が進められる。
他の作品では宇宙人は外から来る者で目的も侵略である事が多いので宇宙人探知機で宇宙人を暴いて地球から追い出しても問題にならないのだが、『タイガ』では地球でひっそりと暮らしたいだけと言う宇宙人も多く、このような犯罪を犯していない宇宙人も宇宙人探知機で暴かれて地球で暮らせなくなってしまう恐れがある。

 

『タイガ』の地球では宇宙人に対する理解がまだ進んでおらず、「ひょっとしたら自分の近くにも宇宙人が潜んでいるのではないか?」と人々が疑い始めた状態となっている。こんな状態で宇宙人を暴く装置が実用化されても地球に暮らす地球人と宇宙人に大きな分断と混乱を招くだけである。

 

何故か他人の足を踏んでしまう元宮教授。どうやら「宇宙人の足だけ踏んでいる」らしく、言われてみれば彼女が足を踏んだ人物はホマレにバド星人エル・レイにミスティと宇宙人ばかりであった。ヒロユキは三回も足を踏まれていたが、ひょっとしたらこれはヒロユキの中にいる宇宙人タイガ・タイタス・フーマの三人で三回だったのかもしれない。

 

ミスティは人間と同じ外見で特殊能力も特に無いのだが、それでも彼は宇宙人である。もしCQが実用化されて彼の正体が暴かれた時、彼は「恐ろしい宇宙人」として世間から忌み嫌われる可能性がある。

 

ホマレには普段の人間の姿とは別に宇宙人としての姿は無いのかなと思っていたが、今回の話を見ると『タイガ』とは「宇宙人の姿でもホマレはE.G.I.S.に受け入れられる」と言う話ではなく「人間と同じ姿なのにホマレは世間から迫害される」と言うような話をする作品なのかなと思った。

 

ミスティはサングラスと言う「自分の正体を隠すもの」をかけて、サチコはメガネと言う「ハッキリとモノが見えるもの」をかけている。

 

サチコとミスティの「砂のお城」の場面は「地球人と宇宙人が力を合わせて何かを作り上げる」と言う素晴らしい場面なのだが、それを「砂のお城」と言う「誰かが簡単に踏み潰せるもの」で表現しているのが実に恐ろしい。

 

雇われヒットマンが定着してきたバド星人。
『セブン』の「プロジェクト・ブルー」の頃からバド星人のやっている事は工作員に近いものだったので『ジード』や『タイガ』でのバド星人の働きは特におかしいものではないと思う。どちらかと言うと初登場時に付けられた「宇宙帝王」と言う肩書きの方がおかしい。どうしてこんな凄い肩書きを背負ってしまったんだろう……。

 

バド星人エル・レイはCQの開発を阻止する事が任務なので開発者の元宮教授を人質に取って裏切り者のミスティを殺そうとするのは明らかに優先順位を間違っている。

 

ウルトラシリーズの宇宙人は武力による侵略が多かったのでゾリンの地球に潜伏して金銭を得ると言うのは新しかった。
残念なのは登場回数が少なすぎるところだろうか。登場回と退場回の二回しか出番が無いのは勿体なかった。土曜の朝ではゾリンのようなキャラクターはまだ扱いにくいものだったのだろうか。ひょっとしたら、深夜に放送されていた『SEVEN X』だとゾリンの暗躍をもっと本格的に描けたかもしれない。

 

ゾリンが逮捕されたが彼はあくまで幹部の一人なので今度はアメリカのヴィラン・ギルドが活動を活発化させる事になる。
ヴィラン・ギルドは利害関係で手を組んだ寄り集まりの組織なので結束力が弱いが、一方で組織が一つにまとまっていないので全てを壊滅させるのが難しいところがある。

 

『オーブ』の渋川さんと違って佐倉警部は信用できないところがあったので今回の話で実はカナと同じ理想を抱いている事が分かって良かった。
カナと佐倉警部は同じ理想を抱いているが、カナは巨大な組織の限界を感じてE.G.I.S.を設立し、佐倉警部は巨大な組織である外事X課に所属したまま頑張る道を選んだと言う感じかな。
ただ、佐倉警部がE.G.I.S.に重要案件を託すのはカナを同志と認めている一方で失敗した時は民間の警備組織であるE.G.I.S.をトカゲの尻尾にしようと言う打算もあると思う。

 

タイタスさんの「感じろ……。感じるんだ。私のウルトラマッスル!」に笑った。
地下を進むアリブンタの音を探っていたので本当は耳で感じたはずなのだが、この人だと本当に筋肉で何かを感じていそう。

 

タイタスが使った「タイタスプラネットハンマー」はウルトラマンフェスティバル2019の「かくとうわざコンテスト」の最優秀賞に選ばれたもの。

 

 

 

 


【監督コメント付】『ウルトラマンタイガ』次回予告 第20話「砂のお城」"ULTRAMAN TAIGA" episode20 Preview + Director interview !!

 

 

「超獣総進撃」
『トライスクワッド ボイスドラマ』第20回
演出 足木淳一郎

 

『A』以降も多くの作品で超獣が登場しているのだが、それら全てがヤプールが作り出したかヤプールの怨念によって誕生したものだと考えると一体いくつの宇宙や次元に影響を及ぼしているのかと言う話になって確かにフーマが言うようにヤプールと言う存在は「たちが悪い」。

 

今回は超獣の紹介編なのだがサウンドギラーにドリームギラスにキングカッパーと妙にインパクトの強い超獣が選ばれている。まぁ、「普通の怪獣とは違う」と言うのがよく分かるチョイスではあるが。


【ウルトラマンタイガ】『トライスクワッド ボイスドラマ』第20回「超獣総進撃」-公式配信- "Tri-Squad Voice Drama" episode 20

 

 

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