帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

『劇場版 ウルトラマンタイガ ニュージェネクライマックス』

『劇場版 ウルトラマンタイガ ニュージェネクライマックス』
2020年8月7日公開
脚本 林壮太郞・中野貴雄
監督 市野龍一

 

ウルトラマンギンガ
身長 ミクロ~無限大
体重 0~無限大
グリムドを封印する為に変身能力を失ってしまうが、トライスクワッドに与えていた力を返してもらう事で再び変身できるようになる。
ショウと一緒に霧崎からホマレを助ける。
召喚怪獣軍団との戦いではビクトリーと合体してギンガビクトリーになり、グリムドとの決戦ではタイガストリウムにエネルギーを与えてレイガを誕生させた。

 

ウルトラマンビクトリー
身長 ミクロ~無限大
体重 0~無限大
グリムドを封印する為に変身能力を失ってしまうが、トライスクワッドに与えていた力を返してもらう事で再び変身できるようになる。
ヒカルと一緒に霧崎からホマレを助ける。
召喚怪獣軍団との戦いではギンガと合体してギンガビクトリーになり、グリムドとの決戦ではタイガストリウムにエネルギーを与えてレイガを誕生させた。

 

ウルトラマンギンガビクトリー
身長 ミクロ~無限大
体重 0~無限大
ギンガとビクトリーが合体した姿。
グリムドとの決戦ではタイガストリウムにエネルギーを与えてレイガを誕生させた。

 

ウルトラマンエックス
通常時 身長 45m 体重 4万5千t
ベータスパークアーマー時 身長 47m 体重 6万6千t
グリムドを封印する為に変身能力を失ってしまうが、トライスクワッドに与えていた力を返してもらう事で再び変身できるようになる。
グリムドを崇める宇宙人達が作った闇サイトの影響で暴走したピリカを助ける。
召喚怪獣軍団との戦いではベータスパークアーマーに変身し、グリムドとの決戦ではタイガストリウムにエネルギーを与えてレイガを誕生させた。

 

ウルトラマンオーブ
オーブオリジン時 身長 50m 体重 5万t
オーブトリニティ時 身長 50m 体重 5万t
グリムドを封印する為に変身能力を失ってしまうが、トライスクワッドに与えていた力を返してもらう事で再び変身できるようになる。
カナを助けてヴィラン・ギルドの宇宙人達を倒した。
召喚怪獣軍団との戦いではオーブトリニティに変身し、グリムドとの決戦ではタイガストリウムにエネルギーを与えてレイガを誕生させた。

 

ウルトラマンジー
プリミティブ時 身長 51m 体重 4万1千t
ウルティメイトファイナル時 身長 51m 体重 4万2千t
グリムドを封印する為に変身能力を失ってしまうが、トライスクワッドに与えていた力を返してもらう事で再び変身できるようになる。
父親と戦う事になったタイガに自分の境遇を語る。
召喚怪獣軍団との戦いではウルティメイトファイナルに変身し、グリムドとの決戦ではタイガストリウムにエネルギーを与えてレイガを誕生させた。

 

ウルトラマンロッソ
身長 52m
体重 4万5千t
グリムドを封印する為に変身能力を失ってしまうが、トライスクワッドに与えていた力を返してもらう事で再び変身できるようになる。
E.G.I.S.に護衛を頼む事で逆にヒロユキを誘い出して守ろうとした。
召喚怪獣軍団との戦いではブルとグリージョと合体してグルーブになり、グリムドとの決戦ではタイガストリウムにエネルギーを与えてレイガを誕生させた。

 

ウルトラマンブル
身長 51m
体重 4万3千t
グリムドを封印する為に変身能力を失ってしまうが、トライスクワッドに与えていた力を返してもらう事で再び変身できるようになる。
リクと一緒に銀河クワトロマーケットと言う露店を開いてヒロユキを誘い出した。
召喚怪獣軍団との戦いではロッソとグリージョと合体してグルーブになり、グリムドとの決戦ではタイガストリウムにエネルギーを与えてレイガを誕生させた。

 

ウルトラウーマングリージョ
身長 43m
体重 3万t
召喚怪獣軍団との戦いに現れ、ロッソとブルと合体してグルーブになった。
グリムドとの決戦ではタイガストリウムにエネルギーを与えてレイガを誕生させた。

 

ウルトラマングルーブ
身長 53m
体重 4万7千t
ロッソとブルとグリージョが合体した姿。
グリムドとの決戦ではタイガストリウムにエネルギーを与えてレイガを誕生させた。

 

ウルトラマンタロウ
身長 53m
体重 5万5千t
タイガの父親でトレギアの友人。
ウルトラダイナマイトでグリムドを倒すが再生する際にグリムドに乗っ取られてしまう。
タイガのウルトラダイナマイトを受けてグリムドから解放される。
グリムドとの決戦ではニュージェネレーションヒーローズに助言してレイガを誕生させた。

 

ウルトラマンレイガ
身長 50m
体重 5万t
タロウの助言を受けたニュージェネレーションヒーローズがトライストリウムのウルトラホーンにエネルギーを集めた事で誕生したウルトラマン
ニュージェネレーションレットを使って放つレイガ・アルティメットブラスターでグリムドを倒した。

 

サーベル暴君マグマ星人
身長 220cm
体重 75kg
E.G.I.S.の警備士。
事件の際にホマレを庇ってダダに撃たれてしまい入院する。

 

宇宙商人マーキンド星人
身長 180cm
体重 85kg
E.G.I.S.の会計。
ダダに撃たれたマグマ星人に付き添う。

 

健啖宇宙人ファントン星人
身長 200cm
体重 92kg
E.G.I.S.にグリムドの復活が迫っている事とヴィラン・ギルドが不穏な動きをしている事を教える。

 

三面怪人ダダ
身長 190cm~40m
体重 70kg~7千t
窃盗団を率いて世界の秘宝展からバラージの青い石を奪おうとするがE.G.I.S.とトライスクワッドによって阻止される。

 

帝国騎兵レギオノイド ダダ・カスタマイズ
身長 53m
体重 3万5千t
ダダが呼び寄せた巨大ロボット。
トライスクワッドと戦うがプラズマゼロレットを使って発動されるタイガダイナマイトシュートで倒された。

 

ヴィラン・ギルドの宇宙人達
グリムドが現れる前にヒロユキが持つウルトラマン達の力を秘めたブレスレットを奪って転売しようとしたがE.G.I.S.とニュージェネレーションヒーローズによって阻止された。

 

最凶獣ヘルベロス
身長 60m
体重 5万t
霧崎が怪獣リングを使って召喚した。
グリムドの力でパワーアップしてニュージェネレーションヒーローズを追い詰めるが最後は強化形態に変身したニュージェネレーションヒーローズに倒された。

 

毒炎怪獣セグメゲル
身長 57m
体重 4万5千t
霧崎が怪獣リングを使って召喚した。
グリムドの力でパワーアップしてニュージェネレーションヒーローズを追い詰めるが最後は強化形態に変身したニュージェネレーションヒーローズに倒された。

 

夢魔ナイトファング
身長 62m
体重 6万2千t
霧崎が怪獣リングを使って召喚した。
グリムドの力でパワーアップしてニュージェネレーションヒーローズを追い詰めるが最後は強化形態に変身したニュージェネレーションヒーローズに倒された。

 

惑星守護神ギガデロス
身長 60m
体重 8万t
霧崎が怪獣リングを使って召喚した。
グリムドの力でパワーアップしてニュージェネレーションヒーローズを追い詰めるが最後は強化形態に変身したニュージェネレーションヒーローズに倒された。

 

雷撃獣神ゴロサンダー
身長 55m
体重 4万t
霧崎が怪獣リングを使って召喚した。
グリムドの力でパワーアップしてニュージェネレーションヒーローズを追い詰めるが最後は強化形態に変身したニュージェネレーションヒーローズに倒された。

 

邪神魔獣グリムド
身長 70m(伸縮自在)
体重 7万t(伸縮自在)
宇宙遺跡ボルヘスに封印されていた宇宙の混沌。
かつてトレギアが墓を暴いて自身に封印する事で力を得ていた。
トレギアがタイガに倒された時に一部の封印が解けて実体化する。ニュージェネレーションヒーローズによって結界に封印されていたが復活し、トレギアに残っている自身の一部を取り戻す為に地球に現れる。
タイガに敗れたトレギアを吸収すると地球を闇で覆うが最後はレイガのレイガ・アルティメットブラスターで倒された。

 

物語
宇宙遺跡ボルヘスでトレギアはタロウにグリムドがタイガのいる地球に現れる事を伝える。
一方、地球ではE.G.I.S.の周りにニュージェネレーションヒーローズが集まっていた。
いよいよトレギアとの決着の時!

 

感想
『タイガ』の劇場版で『セレクト! 絆のクリスタル』から続いたトレギアとの決着編。
当初は2020年3月6日公開予定であったが新型コロナウイルス感染症拡大によって8月7日公開に変更された。


【8/7公開決定!】タイガと約束♪『劇場版ウルトラマンタイガ ニュージェネクライマックス』上映を安全に楽しむための“3つの約束”!

  

ダダとの戦いでホマレを庇って撃たれてしまうマグマ星人
一緒に仕事をする事でホマレ達との間に絆が生まれたのかな。
ところでホマレ達はマグマ星人の事を「マグマ」と呼んでいる。
ニュージェネレーションシリーズでは宇宙人は種族名とは別に個人名を持つ事が多いので、E.G.I.S.に入社した後もマグマ星人とマーキンド星人に個人名が与えられなかったのは意外だった。

 

入院するマグマ星人にマーキンド星人が付き添う事を聞いてピリカは「ラブラブで良い感じ」と答える。
二人とも男性だと思っていたのだがマーキンド星人は女性だったのかな。それともマーキンド星人も男性で二人は同性愛者なのだろうか。現在は多様化が求められるようになっていてマーベル・シネマティック・ユニバース等でもLGBTQのキャラクターが登場しているので、ウルトラシリーズもその流れに乗ろうとしているのかもしれない。(宇宙人と地球人が同じセクシュアリティを持っているとは限らないが)

 

プラズマゼロレットのタイガダイナマイトシュートで倒されるレギオノイド ダダ・カスタマイズ。
ジード』の「夢を継ぐ者」でレギオノイド ダダ・カスタマイズはゼロビヨンドを倒しているので、ゼロは間接的にリベンジを果たしたと言える。

 

太古の混沌を封じ込めていた宇宙遺跡ボルヘス
ウルトラマンタイガ超全集』に収録されている「トレギア物語/青い影」によるとトレギアは古代の神々を復活させる呪文を使ってグリムドの封印を解いたらしい。
ニュージェネレーションヒーローズ』で魔法空間に潜んでいたが、どうやらトレギアは魔法の類を扱えるようだ。だが、トレギアの扱う魔法と「星の魔法が消えた午後」「それでも宇宙は夢を見る」で麻璃亜が使っていた魔法は違うような感じがする。この前後編で霧崎が言っていた「光の魔法」と「黒魔術」の違いであろうか。

 

バディ ステディ ゴー!!」でトレギアがタイガに敗れた時にグリムドの封印が解け、それをニュージェネレーションヒーローズが自分達の変身能力と引き替えに結界を張って一時的に封印したが、その結界がもうすぐ破られる事になったのでニュージェネレーションヒーローズがヒロユキの所にやって来たと言うのが今回のあらまし。
ふと思ったのだが、ニュージェネレーションヒーローズはグリムドを封印する時にどうしてトライスクワッドに協力を要請しなかったのだろうか?
ニュージェネレーションヒーローズが能力を失った状態で地球に来ているのでグリムドを封印した場所も地球の近くだと思うのだが、ひょっとして少し次元が異なる場所で戦っていたのだろうか?

 

ファントン星人の星域ではグリムドはその名を口にしただけで呪われると恐れられていて、人々はグリムドと言う名前を使わず「奴」と呼んでいるとの事。
崇拝する宇宙人が多数いる等、グリムドはクトゥルー神話の邪神っぽい感じがあった。今回はバトル中心の展開であったが「魔の山へ!」のようなホラー要素強めな展開にしても面白かったかもしれない。

 

外事X課からヴィラン・ギルドがヒロユキを狙っていると言う情報を聞いたカナは真偽を確かめる為に一人で宇宙人達の所へ向かう。
ヒロユキに無茶をするなと忠告していながら自分も無茶な事をしているなぁ……。

 

ヴィラン・ギルドに狙われているヒロユキを守る為にカツミとイサミとリクが依頼人としてE.G.I.S.に接触してくる。
タイガ達は「バディゴー!」でニュージェネレーションヒーローズと会っているが人間の姿は知らなかったらしく、カツミ達がロッソ達である事にすぐには気付かず、リクに至ってはベリアルの気配を感じるとして警戒までしていた。
『レオ』の「ウルトラ兄弟永遠の誓い」でもゲンがダン隊長から郷秀樹の事を教わっていなかったりと意外とウルトラマン達は人間の姿についての情報は共有していない。

 

少女が手放してしまった赤い風船を大ジャンプして取るリク。
リクをベリアルのクローンと考えると、ウルトラの父の親友だったベリアルのクローンがタロウの弟子であるメビウスと同じように少女の為に風船を取り、タロウの親友だったトレギアは少女の風船を割ってしまうようになると、ベリアルとトレギアの違いが見られる場面となっている。

 

情報屋のファントン星人を見た大地はちょっと戸惑った後に「違うか……」とポツリ。
さり気ないがちゃんとグルマン博士に絡んだ反応を見せてくれた。

 

特別チームの隊員であるヒカルとショウと大地、ウルトラマンとして戦い続けているガイ、ベリアルの息子であるリクはともかくとして、一般人であったカツミとイサミも宇宙人相手に戦えるほど強くなっていたのに驚く。
やはりウルトラマンとして戦うと変身していない状態でも身体能力が向上するのかな。冒頭でヒロユキも以前とは比べものにならない身体能力を見せていたし。

 

ヴィラン・ギルドがウルトラマンの力を秘めたブレスレットをヒロユキから奪って転売しようとしていた事を聞いて呆れるガイ。
ウルトラマンの力すらお金になると言うのは『タイガ』らしい展開。
そう言えば、ニュージェネレーションシリーズではウルトラマン達の力が人形やカードと色々な小物に込められているが、よく考えたら一人の人間がウルトラマンの力を秘めている物を沢山持っているって危ない状況だなぁ。

 

グリムドを封印する為に変身能力を失ったニュージェネレーションヒーローズであるが「バディゴー!」でトライスクワッドに与えたブレスレットに秘められている力を返してもらう事で再び変身できるようになる。
変身不能になったヒーローが再び変身する力を取り戻す展開は多いが今回は設定の使い方が自然で上手かった。

 

今回はニュージェネレーションヒーローズ全員がゲスト出演しているが、昨年までの映画の流れからか前作の『R/B』との絡みが多く、最初のグリムドとの戦いではトライスクワッドとロッソ&ブルが一緒に戦っている。

 

霧崎に対して衝撃波を放ったショウに驚いたが、そう言えばビクトリアンは念動力が使えるんだった。

 

タロウはグリムドを倒す為にウルトラダイナマイトを使うが、グリムドがウルトラダイナマイトの爆発のエネルギーと融合し、再生する際にタロウの体内に入り込んでそのまま乗っ取ってしまった。
ヒーローが闇に乗っ取られる展開も多いが、こちらもウルトラダイナマイトの設定を使った展開が自然で上手かった。

 

トレギアが登場したのは前作『R/B』の『セレクト! 絆のクリスタル』からであるが、『ウルトラマンタイガ超全集』に収録されている「トレギア物語/青い影」によると『絆の力、おかりします』のムルナウや『R/B』のルーゴサイトが暴走した原因であるのでニュージェネレーションヒーローズ全員が何かしらの因縁を持っている事になる。ギンガとビクトリーは因縁が少し薄いがこちらはかつて世話になったタロウを助ける為にトレギアと戦うと言う理由付けがされている。

 

ウルトラマンタイガ超全集』に収録されている「トレギア物語/青い影」によるとトレギアは肉体が滅んでも別の次元のトレギアが蘇るらしい。これまで何度も倒されていながらすぐに再登場したのは別次元のトレギアがいたからと言う事なのだろうか。
同じトレギアでも違う次元だと違う人生を送っている可能性があるが、『超ウルトラ8兄弟』で地球人として暮らしていたハヤタが別の次元のウルトラマンとして生きているハヤタの記憶を得る展開があったので、トレギアも別の次元の自分の記憶を得ているのかもしれない。

 

カツミ達の地球とヒロユキ達の地球では時間の流れが微妙に違っていて、ヒロユキ達の地球ではトレギアに敗れたタイガがヒロユキに宿ってから12年の年月が経過しているが、カツミとイサミの地球はそれほど長い年月は経過していないらしい。
と言う事は後に『タイガ』の地球が再び舞台になった時、他のニュージェネレーションヒーローズはそれほど年を取っていないがヒロユキだけかなり年を取っていると言う可能性があるのかな。

 

タロウがグリムドに乗っ取られた事にタイガは心を痛めるが表面上は強がってしまう。そんなタイガをヒロユキが諭すが、この場面でタイタスとフーマが出てこないのが残念。
作品のタイトルが「タイガ」なのでタイガが物語の中心に来るのは分かるのだが、一方で「トライスクワッド」と言うチームがあるので、タイタスとフーマの物語ももう少し増やしてほしかった。
特にこの場面はタイガとヒロユキとリクの話をホマレが離れた所で聞いているとヒロユキの仲間であるホマレの描写がちゃんとあっただけにタイガの仲間であるタイタスとフーマの描写が無いのは残念だった。
TVシリーズもだったが、「出番が無い」と「出番が少ない」の差はかなり大きいので、たとえ短い時間でもトライスクワッド全員を出来るだけ多くの場面に出してほしかった。

 

宇宙遺跡ボルヘスでトレギアはタロウに向かって「お前達が言う光にも意味が無いなら闇の中にも答えは無い……」と告げていて、最終決戦の前ではヒロユキに向かって「迂闊だったよ! 人間は光と闇が入り交じり善であり悪でもある。まったく、混沌そのものだ。私が探していたものは君達の中にこそあったのだ」と言っている。
結局のところ、光や地球人との絆を掲げるタロウを否定しようとしたトレギアの求めていたものはその地球人の中にあった。それに気付いた事でトレギアの目的は一つ達成されたとも言える。
そしてトレギアは霧崎と言う地球人の姿を捨てて最後の戦いを始める事になる。

 

本作のクライマックスであるニュージェネレーションヒーローズの一斉変身!
一人ずつの変身シーン、全員が横一列に並んだ変身シーン、一人ずつの登場シーン、全員が並んでの着地シーンと全員集合もので見たいものをちゃんと見せてくれて良かった。

 

怪獣リングを使って怪獣達を召喚する霧崎。
こうして見ると『タイガ』の新規怪獣は肩書きに神があったり既存の神をモチーフにしたりしたものが多かった気がする。

 

グリムドの力でパワーアップした怪獣達に対抗する為にニュージェネレーションヒーローズも強化形態にパワーアップし、ロッソとブルもやって来たグリージョと合体してグルーブに変身する。
唐突にグリージョが来て驚いた。ゼロに送ってもらったのだろうか。でも、ゼロだったら送り届けるだけでなく自分も戦いそうだなぁ。

 

バディゴー!」でトレギアに敗れて微弱になっていたタイガ達のエネルギーもヒロユキの中で休息していた事で完全に回復する。
ウルトラマンが回復するまで数ヶ月から一年近くかかった事からあの敗北は下手をすれば消滅寸前の危機だった事が分かる。(タイガに至っては十数年もかかっていた)

 

もうヒロユキの体を借りなくても実体化できるようになったタイガ達はヒロユキを戦いに巻き込まないように分離しようとするがヒロユキは最後まで自分も一緒に戦うと反論する。
その後のトライストリウムとタロウのウルトラダイナマイト対決ではタイタスとフーマだけでなくヒロユキの思いの強さもあって勝利できたところがあって、ヒロユキが言った「3人より4人の方が思いが強くなる」が正しかった事が証明された。
因みにヒロユキはこの時に「タイガがくれたアイテムは皆の絆を強めてくれる」と言っていて、実はトレギアが開発したタイガスパークこそが絆を否定するトレギアの野望を打ち砕くものであった事が分かる。先の「求めていた答えは地球人の中にあった」もだが、実はトレギアの求めていたものは全て最初にあったりする。

 

タロウが闇から復活したのを見たトレギアは「いつだってそうだタロウ! お前は私には眩しすぎる存在だったよ……」と呟く。この台詞を聞いて思ったが、トレギアとは「健一君になれなかった存在」だったのかな。
さらばタロウよ! ウルトラの母よ!」で東光太郎は人間の力で戦える事を証明して、それを見た健一君は自分もタロウに頼らず生きていく事を決意した。東光太郎の光を見て健一君は自分も東光太郎のように輝く事を決めたのだ。それに対してトレギアはタロウの光を見て自分はタロウとは違うと影を濃くしてしまった。(そう考えると『タイガ』の結末がヒロユキとタイガ達の別れとなったのは『T』のタロウと東光太郎と健一君の別れを踏まえていると言える)
又、かつてのトレギアはタロウと同じようになろうと努力していたので、『レオ』の「さようならレオ! 太陽への出発」でトオルが自分はレオのように戦えないとしてカオルの敵討ちを諦めたようにトレギアもタロウのようになる事を諦めた存在と言えるかもしれない。
タロウから離れたトレギアは光や絆の無意味さを訴えるようになるが、それは「自分がタロウのようになれなかった事を正当化する為に色々と理屈を付けている」ように見える。ウルトラシリーズに登場する子供達は健一君やトオルを始めとして最終的にはウルトラマンの影響を受けて光り輝こうとするのだが、TVを見ていた視聴者全員がそのようになれるとは限らない。トレギアはそれら「ヒーローに憧れたが自分はヒーローにはなれないと諦めてしまい、それを正当化させる為に色々と理屈を付けるようになってしまった大人」なのかもしれない。

 

「お前らの言う光とは一体何だ? 光を知る為には闇を知らねばならなかった……。光と闇を超越する為に……!」と訴えるトレギア。
トレギアの名前の由来はギリシア語の「トゥレラ(狂気)」と「テリエルギア(好奇心)」らしいが、トレギアは何でも完全に知らないと気が済まない性分なのかもしれない。なので、タロウが眩しすぎると思ったらタロウの光は何なのか考え、光を知る為に闇について考えるようになり、最終的に答えが見付からない泥沼にはまってしまった。
このトレギアと対比されているのがヒロユキで彼はタイガが父親と戦う事に苦しんでいる時に「分かるよ! タイガの事なら何でも! ……ごめん。ホント言うと全部は分からない」と自分は全てを知って理解する事は出来ないと言っている。でも、ここでヒロユキはタイガの事を完全には知らなくてもタイガは大切な仲間で守りたいと言う事が出来る。

 

霧崎と言う地球人の姿を捨てたトレギアは遂にグリムドに喰われてウルトラマンとしての姿も失って完全な怪獣になってしまう。
かつてベリアルもウルトラマンから怪獣になった事があるが彼の場合は強くなる為の変身であったのに対し、トレギアの場合は自己否定によって今の自分の姿を捨てていった結果とその意味は大きく違っている。
因みに成田亨さんは怪獣をカオス(混沌)の典型とし、対するウルトラマンをコスモス(秩序)の典型と考えたらしく、カオス(混沌)の典型である怪獣になった事でトレギアは遂に自分が求めていた混沌を手に入れたと考える事も出来る。

 

超巨大化したグリムドとの戦いは『ウルトラマンになりたかった男』でのゴッドキング戦を思い出した。

 

ニュージェネレーションヒーローズのエネルギーが集まってニュージェネレーションアイが誕生。
ニュージェネレーションヒーローズ』でニュージェネレーションヒーローズ全員とゼロの関係が完成し、タイガも「激突! ウルトラビッグマッチ!」でゼロと共闘する等、ゼロはニュージェネレーションシリーズの象徴となっているので皆の力が集まって誕生したアイテムがゼロタイプになっているのは納得。
又、霧崎が使用するトレギアアイと同じタイプの変身アイテムを使う事で、一人で戦う霧崎(トレギア)と多くの仲間がいるヒロユキ&タイガと言う対比にもなっている。

 

トライストリウムがニュージェネレーションヒーローズからウルトラホーンにエネルギーを集められてレイガに変身するのは『ウルトラマン物語』のスーパーウルトラマンが元ネタ。
かつてはエネルギーを与えられる側だったタロウが今回は若者達に助言する立場になった事で世代交代を感じる。

 

ヒーローの客演ものでは歴代ヒーローは何かしら苦戦したり窮地に陥る事が多いのだが、本作ではニュージェネレーションヒーローズは変身能力を失っても人間大の宇宙人と渡り合う事が出来て、すぐにヒロユキから力を返してもらって再び変身できるようになっていた。その後の戦いでも劣勢になると強化形態に変身して反撃する等、基本的に危機に陥っている時間が少なかった。
かつては戦いの経験が無くて危なっかしいところがあった彼らが今では立派な先輩戦士として振る舞っているのを見ると感慨深いものがある。(ただ、まぁ、危機が少なかった為に逆転のカタルシスも弱くなってしまったところはあるかな)

 

ニュージェネレーションシリーズの始まりである『ギンガ』ではタロウはまだウルトラの父と母の子供と言う扱いだったが本作ではタイガの父親として登場した。又、ニュージェネレーションヒーローズも昔は頼りないところがあったが本作では頼れる歴戦の戦士に成長している。
シリーズを経てタロウやニュージェネレーションヒーローズは変化や成長を遂げているが一方のトレギアはグリムドを取り込んで今の姿になってからは内面も外見も殆ど変化が起きなくなってしまった。昔はトレギアの方が優勢だったが本作ではウルトラマン達の方が優勢になった理由の一つだと思われる。

 

レイガに倒されたトレギアの最後の言葉が「タロウ……」だったのを聞くと本当にトレギアは『ウルトラマンタイガ超全集』に収録されている「トレギア物語/青い影」に書かれているウルトラ小学校の頃から何も変わっていなかった事が分かる。
因みに映像作品を見るとトレギアの闇堕ちの原因はタロウにある雰囲気だが「トレギア物語/青い影」を読むとちょっと違う感じになっている。

 

ヒロユキとトライスクワッドの別れの場面では2m弱の人間と50mの巨人でありながら両者は対等の立場で会話している。「バディゴー!」や「トレギア」での上から目線を思うとタイガもヒロユキ達と出会って色々と変わった事が分かる。

 

ピリカは自分を助けてくれた大地に惚れた感じ。
アンドロイドでありながら恋愛感情まで抱く事が出来るのに驚くが、最終目的が自滅であるアンドロイドが恋愛感情を抱いては目的を達成できない恐れがあるので、製作者がピリカを廃棄した理由はここにあるのかもしれない。

 

ホマレ先輩が涙もろいと言うのはなんかよく分かる。

 

タイガ、タイタス、フーマの社員証も作ったカナ。
ウルトラマンもE.G.I.S.の社員」と言える懐の深さがカナらしい。

 

最後は何かしらの別れがあった昭和ウルトラシリーズに対して平成ウルトラシリーズでは別れが少なくなっていったが、令和最初のウルトラシリーズである『タイガ』では最後にヒロユキとトライスクワッドの別れが描かれた。
次作『Z』でも最後に別れが描かれているが、ウルトラシリーズの方向性はまた少し変わってきているのかもしれない。

 

かつて『メビウス』が昭和のウルトラシリーズの設定と世界観を使って平成ウルトラシリーズっぽい展開をしたが、『タイガ』はニュージェネレーションシリーズの設定と世界観を使って昭和ウルトラシリーズっぽい展開をしたところがある。

 

本作の主題歌は小野大輔さんの『ドラマティック』。
『タイガ』は昭和ウルトラシリーズの雰囲気があったので、もっと劇中で小野さんのナレーションを使ってほしかった。

 

本作は市野監督の現時点でのウルトラシリーズ監督最終作となっている。

 

『タイガ』はメディアミックスになっていて、物語を完全に把握するにはTVシリーズや映画と言った映像作品以外のものも追わなければいけないところがある。
実を言うと『タイガ』関係の作品を発表順ではなく時系列順で見ると、TVシリーズの時点ではトライスクワッドの信頼関係が完成されていてメンバー間の対立が殆ど無くなっていて、タイガは光の国から離れる事で昔に比べて「タロウの息子」について意識をしなくなったのが分かるのだが、全ての人がそのように作品を見るわけではないので、TVシリーズだけを見て色々な不満が出てしまうのは仕方が無い事かなと思う。
昔はTVのみで話が完結していたが、そこに映画が加わり、Vシネが加わり、ネット配信や小説やショーも加わるようになった。でも、全ての人が小説やショーまで見るとは限らない。今のウルトラシリーズは1年間全50話のTVシリーズを作るには予算やスケジュールの問題があるので、TV以外のメディアを使ってエピソードの数を増やしていくのはアリだと思うが、違うメディアの話をどこまで繋げれば良いのかと言うのは一つの課題だと思われる。(『タイガ』で一度やったからか『Z』では同じ事をしても不満の声が少なくなった感じがするので製作者側だけでなく視聴者側の慣れも関わってくると思う)

 

 

 

 


【8月7日(金)公開決定!】『劇場版ウルトラマンタイガ ニュージェネクライマックス』\\ みんな、待たせたな! //

 

 

 

 

 

 

BANDAI(バンダイ) ウルトラ怪獣シリーズ 23 マグマ星人

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  • 発売日: 2013/08/03
  • メディア: おもちゃ&ホビー
 

 

 

BANDAI(バンダイ) ウルトラ怪獣シリーズ 83 ダダ

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  • 発売日: 2017/11/03
  • メディア: おもちゃ&ホビー
 

 

 

ウルトラマンタイガ ウルトラ怪獣シリーズ 107 ヘルべロス

ウルトラマンタイガ ウルトラ怪獣シリーズ 107 ヘルべロス

  • 発売日: 2019/07/06
  • メディア: おもちゃ&ホビー
 

 

 

ウルトラマンタイガ ウルトラ怪獣シリーズ 108 セグメゲル

ウルトラマンタイガ ウルトラ怪獣シリーズ 108 セグメゲル

  • 発売日: 2019/08/03
  • メディア: おもちゃ&ホビー
 

 

 

ウルトラマンタイガ ウルトラ怪獣シリーズ 109 ナイトファング

ウルトラマンタイガ ウルトラ怪獣シリーズ 109 ナイトファング

  • 発売日: 2019/08/24
  • メディア: おもちゃ&ホビー
 

 

 

ウルトラマンタイガ ウルトラ怪獣シリーズ 111 ギガデロス

ウルトラマンタイガ ウルトラ怪獣シリーズ 111 ギガデロス

  • 発売日: 2019/10/05
  • メディア: おもちゃ&ホビー
 

 

 

ウルトラマンタイガ ウルトラ怪獣シリーズ 113 ゴロサンダー

ウルトラマンタイガ ウルトラ怪獣シリーズ 113 ゴロサンダー

  • 発売日: 2019/11/09
  • メディア: おもちゃ&ホビー
 

 

 

ウルトラマンタイガ ウルトラ怪獣シリーズ 116 邪神魔獣グリムド

ウルトラマンタイガ ウルトラ怪獣シリーズ 116 邪神魔獣グリムド

  • 発売日: 2020/02/08
  • メディア: おもちゃ&ホビー
 

 

 

ウルトラヒーローシリーズ 06 ウルトラマンタロウ

ウルトラヒーローシリーズ 06 ウルトラマンタロウ

  • 発売日: 2013/06/29
  • メディア: おもちゃ&ホビー
 

 

 

ウルトラヒーローシリーズ 11 ウルトラマンギンガ

ウルトラヒーローシリーズ 11 ウルトラマンギンガ

  • 発売日: 2013/06/29
  • メディア: おもちゃ&ホビー
 

 

 

ウルトラヒーローシリーズ 28 ウルトラマンビクトリー

ウルトラヒーローシリーズ 28 ウルトラマンビクトリー

  • 発売日: 2014/06/28
  • メディア: おもちゃ&ホビー
 

 

 

ウルトラヒーローシリーズ 30 ウルトラマンギンガビクトリー

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  • 発売日: 2015/02/21
  • メディア: おもちゃ&ホビー
 

 

 

ウルトラヒーローシリーズ 35 ウルトラマンエックス

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  • 発売日: 2017/03/25
  • メディア: おもちゃ&ホビー
 

 

 

ウルトラヒーローシリーズ 53 ウルトラマンオーブ オーブオリジン

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  • 発売日: 2017/12/27
  • メディア: おもちゃ&ホビー
 

 

 

ウルトラヒーローシリーズ 42 ウルトラマンジード プリミティブ

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  • 発売日: 2017/07/08
  • メディア: おもちゃ&ホビー
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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