帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「悪魔の預言」

「悪魔の預言」
ウルトラマンティガ』第3話
1996年9月21日放送(第3話)
脚本 小中千昭
監督 村石宏實
特技監督 神澤信一

 

炎魔戦士キリエロイド
身長 52m
体重 4万2千t
炎魔人キリエル人は「ティガは人類を守ってくれる存在」とTVで発言したイルマ隊長の前に預言者を送り、地球人類を代表してキリエル人に敬意を表さなければ聖なる炎で穢れを焼き払うと警告し、地下を通る高エネルギーを使って街を破壊していく。
イルマ隊長を救出しに現れたティガに向かって人類の守護者になるのはおこがましいと断罪すると、地球人類はティガが現れるずっと前からキリエル人の導きを待っていたのだと宣言する。
ティガに挑戦する為に体のサイズまでティガに合わせたキリエロイドに変身すると格闘技と手からの炎でティガを苦しめるが、ティガ・スカイタイプのティガフリーザーで氷付けにされると最後はティガ・マルチタイプのゼペリオン光線で倒された。
こうしてキリエル人のティガへの挑戦は失敗に終わったと思われたが……。
因みに「キリエル」とは悪魔の名前らしい。

 

物語
「ティガは人類を守ってくれる存在」とTVで発言したイルマ隊長の前にキリエル人の預言者と名乗る謎の男が現れる。
預言者はイルマ隊長が地球人類を代表してキリエル人に敬意を表さなければ聖なる炎で穢れを焼き払うと警告する。

 

感想
TV番組に出演したイルマ隊長は「ティガは人類の友人か脅威となる存在か」と言う質問に対して「人類を守ってくれる存在」と答えるが、この発言が参謀会議で問題となってしまう。イルマ隊長はティガの戦いを二度見ていて、それなりの確信を得た上での発言だったのだが、こういうのは組織での統一見解を決めてから答えるものなので軽率だったとも言える。
因みにイルマ隊長はかつて地球外生命体との交渉計画の責任者だったらしい。人類ではないティガに対して偏見を持たずに接する事が出来たのはこの経歴があったからと考えられる。

 

そのイルマ隊長に突っかかるのが警務局のヨシオカ長官。
ヨシオカ長官がタカ派的な部分を見せ、それに対抗させる事でナハラ参謀の人物像を紹介しているのだが、強烈過ぎるキャラクターを持つヨシオカ長官の印象が強く残る場面となった。
ヨシオカ長官の発言でかつて地球防衛軍があって今は解散されている事が明らかになる。ヨシオカ長官は地球防衛軍を再建するべきと主張しているがその理由が怪獣や宇宙人ではなく地球上のどこかの国が侵略行為を始める可能性があるからと言うのが恐ろしい。

 

キリエル人はTVキャスターの精神を乗っ取ると、聖なる炎が穢れを焼き払うとして、自分達に従えと人類に警告を発する。
乗っ取られたキャスターの悪魔的なメイクと逆立った髪は昭和の作品を思い出す。平成ウルトラシリーズではかなり珍しい演出であった。

 

預言者と名乗る謎の男は静かで落ち着いた雰囲気が逆に怖かった。
イルマ隊長が調べるとイタハシ・ミツオと言う人間だった事が明らかになるが実は3年前に死亡していた事も明らかになる。
3年間もデータが更新されていないにしては部屋が綺麗だったが、死亡した後もイタハシ・ミツオはこの部屋で生活していたのだろうか? もしそうだとしたら、普通に生活している隣の住人が実は既に死人だったと言う事になってかなり怖い。

 

預言者が言うには「イルマ隊長がティガを認めようとするからイルマ隊長を狙った」との事。
これまでキリエル人が表舞台に出てきた事は無さそうだが裏の世界ではキリエル信仰は結構広まっているのかもしれない。もし、イタハシ・ミツオが自分の意思でキリエル人に付いたのだとしたら、今回の話はティガを信じるイルマ隊長とキリエル人を崇拝するイタハシ・ミツオの戦いでもあったと言える。

 

今回は作戦中にイルマ隊長が不在なので副隊長であるムナカタリーダーが全体の指揮を執っている。イルマ隊長をさり気なく気遣ったりと後の関係が見えてきている。
その他、シンジョウがマイクロウェーブ砲照射を担当したりとGUTS各隊員の役割が徐々に判明している。
因みに今回の話からGUTSはヘルメットにバイザーを付けて銃を携帯するようになる。

 

イルマ隊長を助け出した巨人ティガの前に人間大の預言者が現れる。
「君を待っていたのだよ、ウルトラマンティガ! 君はこの星の守護神になるつもりかね? おこがましいとは思わないか? 君がその巨大な姿を現すずっと前から、この星の愚かな生き物はキリエル人の導きを待っていたのだよ! 君は招かれざる者なのだ! 見せてやろう! キリエル人の力を! キリエル人の怒りの姿を!!」。
そう言って預言者はティガと同じ巨人キリエロイドに変身する。
巨大な怪獣や宇宙人を倒す為に人間が巨大なウルトラマンに変身すると言うウルトラシリーズの決まり事を巨大なウルトラマンを倒す為に敵が巨大化するとしたのが斬新だった。

 

ユザレは「ウルトラマンはかつては地球の守り神だった」と語り、イルマ隊長は「ティガは人類を守り導いてくれる存在」と訴え、預言者は「ティガが人類の守護神になるのはおこがましい」と糾弾する。
では、ダイゴはティガの事をどう思っているのだろうか?
見る限り、この時点ではあまり深くは考えておらず、まずは皆を守るのに無我夢中と言った感じ。わざと深く考えないようにしているようにも見えるかな。

 

「キリエル人は果たしてどこから来たのかは不明です。ウルトラマンティガへの挑戦は失敗に終わりました。しかし、ひょっとしたら、私達の間にキリエル人はいまだ潜んでいるのかもしれません」。
上のエンディングナレーションで終わる今回の話。
あなたの隣の人、その人は本当に生きている人でしょうか……?

 

今回の話にあった近未来的な描写やホラーテイストな世界観はそのまま『ティガ』全体へと広がる事となった。
又、小中さんが加わった事で『ティガ』はクトゥルー神話の要素を取り入れる事となり、『THE FINAL ODYSSEY』ではそのままズバリ「ルルイエ」が舞台となっている。

 

今回までの初期3話をもって『ティガ』における基本設定の紹介が完了。次回からはバラエティに富んだ話で各隊員のキャラクターを掘り下げていく事になる。

 

今回の話は村石宏實さんのウルトラシリーズ監督デビュー作となっている。