「ハロウィンの夜に」
『ウルトラマンティガ』第8話
1996年10月26日放送(第8話)
脚本 右田昌万
監督 岡田寧
特技監督 村石宏實
異次元人ギランボ
身長 56m
体重 4万9千t
ハロウィンに紛れて世界各地で大勢の子供をさらっていた。
魔女のおばあさんに変身して子供達に夢遊病を引き起こさせるキャンディを配る。さらった子供から夢を吸い取り、夢を吸い取って白い顔になった子供を人形やオモチャと一緒に夢の墓場に捨てていた。
「大人は子供の敵。大人はいつでも子供の邪魔をして子供から夢も自由も全部奪っていく」と言いながら「子供に夢はいらない。どうせ大人になるまでに人形やオモチャのように夢も捨ててしまうのさ」とも語る。
空き地に巨大なパンプキンの館を出して子供をさらおうとするが、シンジョウに撃たれて巨大化する。ブラックホールのように空間を歪ませて次元を移動する。顔から光線を撃ち、瞬間移動や分身を駆使するが、ティガ・マルチタイプのタイマーフラッシュで本体を見破られ、逃げようとしたところをウルトラフィックスとゼペリオン光線で倒された。
消滅した後にはオーロラが浮かび、光の粉が舞い降りて夢を吸われた子供も夢を取り戻せた。
物語
10月31日。ハロウィンの夜に強い磁場を察知したGUTSは調査に向かうが、そこは日本では珍しいハロウィンが定着した地域であった。そこでGUTSはハロウィンに紛れて調査をする事に。
感想
昭和の頃はクリスマス等をテーマにした話が多かったが平成になると珍しくなった季節イベントの話。
今回のテーマであるハロウィンは今回の話が放送された1996年頃は日本ではまだ一般的には知名度が低いものであったが、『ティガ』の時代設定でもある2008年から2010年頃から大きな商戦として扱われるようになって日本でも定着していった。
因みにイーヴィルティガとカミーラが登場する企画『DARKNESS HEELS』の始まりはハロウィンに絡んだイベントであった。
今回は昭和ウルトラシリーズによくあった幻想怪奇モノで、月を横切る箒に跨った魔女、ダイゴと魔女の影の追いかけっこ、人形やオモチャが捨ててある公園、不気味に鳴り響くオルゴール、子供の夢が吸い取られていくと画面がノイズに変わっていくTV等、他の話では見られない不思議な映像が多かった。
今回は魔女のキャラクターが光っていた。
鼻が大きい顔をめくると、その下にもう一つ顔があったのはかなりのインパクトがあった。
それだけにギランボのデザインはもう少し人間に近付けてほしかったところがある。
ティガとの戦闘も魔女のイメージがあまり無い格闘中心のものだったりと、戦闘のセットが洋風の墓場だったり月がジャック・オー・ランタンになっていたりと色々細かく作られていただけに残念だった。
今回は今までの話と違って肩の力を抜いて見る事が出来る話になっている。
年に一度のハロウィンだからと隊員に仮装させるイルマ隊長とその仮装で思い切りふざけるムナカタリーダーは今までに無かった一面が見られた。
今日はかなり子供っぽいと言うか完全に子供だったダイゴが楽しい。逆に一番はしゃぎそうなシンジョウが真面目だったのは意外。
仮装はムナカタリーダーがフランケンシュタインの怪物、ホリイが吸血鬼ドラキュラ伯爵、シンジョウが狼男、レナが猫の女の子、ダイゴがジャック・オー・ランタンとなっている。女性は魔女に仮装する事が多いのだがレナが猫の女の子に仮装したのが不思議。誰の意見だ?
一人で魔女を追いかけて逆に捕まってしまったダイゴ。
奪われたスパークレンスを手の届かない所に置かれると言うお約束もある。
その後、ダイゴのジャック・オー・ランタンの衣装を着た偽者が基地に帰った為、ダイゴは下着姿に……。でも最後は隊員服を着ていた。誰か持って来たのかな。
地球の未来を作るのは子供の夢。だから子供の夢は地球の宝。
ギランボを倒したので寝て夢を見ようと言うホリイだが、すぐに別の任務が……。過労になりそうだ……。
最後にムナカタリーダーの締めの言葉を。
「夢を実現するには、まず現実にぶち当たらないとな」。