帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「怪獣を待つ少女」

「怪獣を待つ少女」
ウルトラマンティガ』第9話
1996年11月2日放送(第9話)
脚本 小中千昭
監督 松原信吾
特技監督 北浦嗣巳

 

守護怪獣マキーナ
身長 55m
体重 5万7千t
200年以上前から地球に居続けている少女サキの首飾りの音に導かれて地球にやって来た。成り行きでティガと戦う事になるが本当の目的はサキを迎える事でサキと一緒に宇宙に帰った。
夜間に休む時や相手の攻撃を防ぐ時には強靱な装甲を全て閉じて卵状の姿になる。

 

宇宙少女サキ
200年間も変わらぬ姿をしている謎の少女。アカシックレコードには1802年の記録が残っていて、ダイゴも子供の時に一度会っていた。
マキーナを導くカプセルを失った為に宇宙に帰れなくなっていた。
自分を迎えに来たマキーナとティガの戦いを止めるとダイゴに感謝の言葉を述べてマキーナと一緒に宇宙に帰った。

 

物語
地中から発掘された謎のカプセル。そこに現れた謎の少女サキ。
ダイゴは子供の時にサキと会った事があった。果たしてサキの正体は?

 

感想
幼い少女が実は何百年も生きていた宇宙人だったと言うSF作品らしい話なのだがサキの描き込みが弱くて感情移入しにくいところがあった。彼女の目的をハッキリと明かす必要は無いのだが彼女の寂しさとか宇宙に帰りたいと言う心情とかはもう少し強く描いても良かったのではないかなと思う。

 

子供の時のダイゴが買ってもらった自転車で海に向かって一人で遠出したら帰れなくなって心細くなったところを「もうすぐ家に帰れる」と言ってくれたのがサキだった。
子供の時のダイゴとサキは「帰れなくなった」と言う共通点があり、サキの明かされていない部分は子供の時のダイゴを参考に考えたら何となく分かる感じになっている。
子供の時に会ったお姉ちゃんが大人になって再会したら自分より年下になったと言う展開は不思議な感じで良かったのだが、大人のダイゴとサキの絡みが意外と少なかった感じがする。今度はダイゴがサキに「もうすぐ家に帰れる」と言う展開にしてほしかったな。

 

ヤズミがプログラムした情報検索エンジンアカシックレコードは首飾りの形だけで1802年の記録まで引き出せる優れもの。これなら「光を継ぐもの」でティガの地をすぐに見付ける事が出来たのも納得。
サキが長い間地球に居続けていて、それが常にどこかの記録に残っていたと言うのは少しホラーな雰囲気もあって面白かった。
因みに「アカシックレコード」と言えば『平成セブン』の「アカシックレコード」にも同じ名前のものが出てくるが、こちらは過去だけでなく未来も含めた地球全ての歴史が刻まれていると言う人間を超えた存在であった。

 

今回のレナはダイゴに突っかかったり、ダイゴとサキの関係を怪しんだり、サキの正体を色々と調べたりとダイゴへの感情がかなり強く出ていた。

 

冒頭のダイゴとレナの場面でシャーロックが初登場している。

 

シンジョウの妹マユミが登場。
兄のコネで入れたと言ってのけるのにも驚いたが、制服がミニスカなのにも驚いた。

 

ティガとマキーナが戦うがどうして戦ったのかが分からない。サキを自動地雷から守る為にダイゴがティガに変身するのは分かるが、マキーナを呼んだのはサキなのでマキーナがサキに危害を加えるとは思えないし、サキがマキーナを使って地球を攻撃するとも思えないので、自動地雷から守ったらサキをそのままマキーナに渡しても良かったと思う。でも、『ティガ』の頃は戦闘シーンが無い話はまだ無理だったのかな。『コスモス』や『マックス』なら大丈夫だったかもしれないが。
ところでダイゴは一般隊員もたくさんいる場所で変身して正体はバレなかったのだろうか……?

 

サキの「ありがとう、ダイゴ」に頷くティガ。
そう言えば、変身前の名前でウルトラマンに呼び掛けるのは意外と少なかった。ここはウルトラマンそのものには人格が無い『ティガ』ならではと言える。

 

マキーナの名前の由来はギリシア悲劇で物語の最後に登場する「デウス・エクス・マキーナ」から。
と言う事はサキの名前の由来は「先」で、両者で「始まりと終わり」を表していたのだろうか?