帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「深海からのSOS」

「深海からのSOS ーレイロンス登場ー
ウルトラマンティガ』第12話
1996年11月23日放送(第12話)
脚本 兒玉宜久
監督・特技監督 神澤信一

 

深海怪獣レイロンス
身長 57m
体重 5万5千t
地下核実験の影響を受けた海の生物の突然変異体。細胞組織に放射能を含んでいる。サワイ総監曰く「人類科学の犠牲者と言えるかもしれない」存在。
R海域の石油プラントに出現した後、海洋科学研究所の極超音波魚誘導発信システムに引き寄せられて伊豆方面に向かう。発信システムを切られてもそのまま海洋科学研究所を襲撃した。
口から水流や痺れる泡を出し、背びれから光線を放つ。
ティガ・パワータイプのミラクルバルーン光線とデラシウム光流を受けて海の中へ戻された。

 

物語
海洋科学研究所に向かったレナとマユミは今も続く地下核実験の影響を目の当たりにする。
そこでレナは恋人であるイルカのミューと会うが、ミューは何かを感じ取っている様子だった。
その後、海の中から怪獣が現れる!

 

感想
レナとマユミが海洋科学研究所で地下核実験の影響について説明を受ける場面はどこかの施設のPR番組みたいで、通産省のPR番組だった『平成セブン』の「太陽エネルギー作戦」を思い出した。
因みに『ティガ』の世界では10年前に地下核実験は全面禁止されたとの事。『ティガ』の時代設定は2007年から2010年なので地下核実験は1997年から2000年の間に全面禁止された事になる。核拡散がさらに進んでいる現実世界とは大きく違っている。

 

レナの恋人登場か!?と思ったらミューと言うイルカが恋人だったと言うオチ。
人間と動物が分かり合える日が来る事を望んでいるレナ。ミューの言葉が分かればと呟くがサウンドトランスレーターで訳せないのかな?

 

恋人の話を聞いたダイゴは「今時の女の子なら彼氏の1人や2人、いや3人、4人、5人くらい……」と凄まじい事を言ってレナを不機嫌にしてしまう。意外とデリカシー無いんだな。
レナに「お互いの気持ちを分かり合うって難しいよねぇ」と言われてもピンと来ないダイゴ。に、鈍い……。
ところでレナの恋人の事をダイゴに話したのってマユミだよねぇ。一体何て言ったんだろう?

 

ダイゴ「イルカ?」、
ムナカタリーダー「行くか!」、
ダイゴ「……行くか?」
ダイゴとレナの会話を後ろで聞いていたムナカタリーダーはイルカが何の事だか分からないダイゴに向かってナイスなギャグをかます。二人の背後でこのギャグを言うタイミングをずっと待っていたかと思うと笑える。意外と可愛い人だ。

 

現れた怪獣に「レイロンス」と言うコードネームが付けられるが、コードネームってどのようにして決められるのだろうか? やはり会議が開かれるのかな?
コードネームがある怪獣と無い怪獣がいる事が気になるが、劇中に命名シーンが出ていないだけで全ての怪獣にコードネームが付けられているのだろうか?

 

石油プラントで窓越しに迫るレイロンスが迫力満点だった。

 

「お尻ペンペン!」「やーい、やーい!」と『スーパーファイト』のナレーションの声が聞こえてきそうなレイロンス。コミカルな動きが可愛かった。
こういう遊びが入った戦いは好きだが今回は戦う必要性があまり感じられなかった。
どうして発信システムを切ってもレイロンスは海洋科学研究所を襲撃したのだろうか? これではレナの頑張りの意味が無くなってしまう。ティガが時間稼ぎをしている間にレナが発信システムを切ってレイロンスが海の中へ帰って行く展開の方が自然だった気がする。

 

戦いが終わった後、レナの事を気遣ってミューとの時間を作ってあげるダイゴ。こういうところは気が利くなぁ。
レナは隊員服の下に水着を着ていたが、いつの間にそんな準備を? 着替えの下着はちゃんとあるのだろうか?

 

コミカルな動きをする怪獣が出る一方で地下核実験のツケが怪獣として人類の前に現れると言う重いテーマに軽く触れる辺りが昭和のウルトラシリーズっぽい。
レナはともかく医務局のマユミが海洋科学研究所に行く理由が見当たらないが、これも昭和のウルトラシリーズでレギュラーの子供が主人公や隊員にくっついてどこかに行く展開と同じものなのかもしれない。
基本的に1話完結である昭和ウルトラシリーズならこう言う話も有りだと思うが、連続要素が強い『ティガ』なら、もう少しテーマや設定を重く扱って「セカンド・コンタクト」や「うたかたの…」に繋がるようにしてほしかったかなとも思う。 

 

脚本の兒玉宜久さんはウルトラシリーズは今回のみの登板となっている。