「放たれた標的 ームザン星人登場ー」
『ウルトラマンティガ』第14話
1996年12月7日放送(第14話)
脚本 中崎一嘉・村石宏實
監督・特技監督 村石宏實
極悪ハンター宇宙人ムザン星人
身長 250cm~66m
体重 200kg~6万t
標的としたルシアとザラにブレスレットを付けると隕石型のカプセルに詰めて銀河系に放った。目的はゲームで、ルシア達を獲物として追いかけ、ハントしたら証拠としてブレスレットを持ち帰っていた。
頭部の触覚から光線を撃ち、武器の揃った宇宙船でルシア達を追い回す。人間の姿から昆虫のような頭部を持つ姿になり、さらに巨大化して二足歩行の怪物になり、最後は四足歩行の怪物になった。
ルシア達をハントするがGUTSの攻撃を受けて最後は怒りに震えるティガ・パワータイプのデラシウム光流で倒された。
名前の由来は「無残」かな。
ルシア ザラ
身長 ルシア・160cm ザラ・187cm
体重 ルシア・43kg ザラ・85kg
ムザン星人が放ったゲームの獲物。ブレスレットを付けられると隕石型のカプセルに詰められて銀河系に放たれた。
超人的な能力を持っていて、ブレスレットから電撃を発する。
地球の言語は話せないが手話やテレパシーで気持ちを伝える事が出来る。
ザラは赤峰岳で、ルシアは旭岳で、それぞれハントされてしまった。
物語
謎の怪物に襲われた女性を保護したダイゴ。
その女性はハンティングゲームでムザン星人に追われていた。
一方、ムザン星人は一人の男性を追い詰め……。
感想
ムザン星人に追われるルシアとザラ。殆ど喋らなかったので二人の関係は不明。恋人かきょうだいか、それとも……。
冒頭の場面で落下した隕石から炎をバックに現れるルシアが格好良かった。
街中を彷徨うルシアが子供の風船を大ジャンプして取るのだが、何の疑問も抱かずに普通にお礼を言う親子が凄い。
ムザン星人にハントされたザラが砂になってしまうのが悲しかった。
ザラの悲鳴と思しき声を聞いたダイゴ。ルシア達にはテレパシー能力があるが、それを感じとれたのがダイゴだけだとすると、ダイゴ自身にもテレパシー能力があると考える事が出来る。「セカンド・コンタクト」でレナの声が聞こえたのもダイゴのテレパシー能力だったのかな。やはりウルトラマンとして身に付いた能力なのだろうか。
GUTSの翻訳機は地球の言語しか解析できないとして異星人であるルシアの言葉は解析できなかった。
3000万年前のユザレやガゾートの言葉を解析できたサウンドトランスレーターはどうした?
ハンティングゲームでルシア達を殺したムザン星人に対して怒りを隠せないダイゴ。
ただし、ムザン星人と似たような事を人間も動物に対してやっていたりする。今回の話とは直接繋がってはいないが「人間が他の生物を攻撃するのは許される事なのか?」と言うテーマの話が『ティガ』の後半でいくつか見られるようになる。
ティガとムザン星人の戦いはルシア達を守ろうとした者と狩ろうとした者の対決と言った感じで良かった。
ムザン星人はある種の凄みを感じさせる人間形態から、昆虫のような頭部を持つ姿、巨大な二足歩行の怪物、最後の四足歩行の怪物へと、どんどん人型から怪物に変わっていくのが面白かった。
夕焼けの中、「ルシアを地球人として葬ってあげようじゃないか。それが守りきれなかった我々のせめてもの罪滅ぼしだ」と語るムナカタリーダーに向かって「彼らはそれで喜んでくれるんでしょうか……」と呟くダイゴ。
確かにルシア達の最期を見たらムナカタリーダーの言葉は気休めにもならない。言ったムナカタ本人も分かっているであろう事だが……。
ルシアがマユミを傷付けて逃げ出そうとする場面だが、ザラを助けに行こうと言うのは分かるのだが、その時の悪っぽい笑いが気になった。
ひょっとしたら、ルシアは実は悪人や犯罪者だったりするのだろうか? そして、ムザン星では犯罪者に罪を償わせる為にハントの獲物として十分に恐怖を感じさせてから処刑するとか……?(意外だが、ムザン星人は地球人は攻撃していない)
中崎一嘉さんは今回の脚本の他に『スーパーファイト』では監督を務めている。