帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「恐竜たちの星」

「恐竜たちの星 ーウェポナイザー1・2号登場ー
ウルトラマンティガ』第23話
1997年2月8日放送(第23話)
脚本 武上純希
監督 岡田寧
特技監督 大岡新一

 

ナーガ
自らを「宇宙の神」と豪語し、恐竜人類も「自分達に知恵を授けてくれた全能の神」と称した存在。かつて地球の恐竜達を支配していてウェポナイザーはその証拠であると語るがそれが真実かは不明。
強力な電波でTPC基地をシステムダウンさせ、1時間以内に降伏しないと人類が滅びるまで攻撃を続けると警告する。
竜人類に地球を与えるとアダムとイブに言っていたようだが、ダイゴによると最初から地球を破壊するつもりだったらしい。
透き通ったUFOで宇宙からウェポナイザー2号を操る。
ティガにウェポナイザー1号と2号の胸にはめ込まれていた中性子爆弾を投げつけられ、ティガ・マルチタイプのゼペリオン光線を受けて消滅した。
名前の由来はインド神話の蛇の神「ナーガ」かな。

 

恐竜兵器ウェポナイザー
身長 1号・58m 2号・60m
体重 6万5千t
恐竜の化石の発掘と調査を目的とした研究都市「ダイナソアバレー」の地下から氷漬けの状態で発見された。白亜紀に生きていたタルボサウルスによく似た種類らしい。サイボーグ手術を受けていて人類を驚かせた。イブに操られ、胸部の砲門で街を破壊する。
イブが戦いに迷いを見せて操るのを止めると今度はアダムが地下から2号を復活させる。その後、2号はアダムの手を離れてナーガによって操られた。
二体とも胸部に中性子爆弾がはめ込まれていて、二つの中性子爆弾が重なると中性子が飛び出して地上のあらゆる生物を殺しつくしてしまう。
ティガ・スカイタイプのティガ・フリーザーで凍らされ、ハンドスラッシュで地下に埋められる。その後、ティガは取り出した中性子爆弾を使ってナーガを倒した。
アダムとイブはウェポナイザーは地球をきれいにする為のものだとナーガから聞かされていた。
名前の由来は「ウェポン(兵器)」かな。

 

竜人アダム イブ
身長 170cm
体重 70kg
白亜紀に生きていたステノニコサウルスと共通のDNAを持ち、超人的な能力を持つ。ナーガによって進化した最初の恐竜人類で、ナーガから地球を恐竜人類に与えると言われ、ウェポナイザーによってきれいになった地球に住むつもりだった。普段は人間の姿だが恐竜人類の姿に戻る事も出来る。
人類を敵視していたがダイゴの説得を受けて戦いを止める。
ナーガが倒された後、ダイゴに人類と話し合う場を持たないかと聞かれるが、地球を焼き払おうとした自分達にその資格は無いと答えて宇宙船に乗って新しい故郷を探しに旅立った。
名前の由来は最初の人類「アダム」と「イブ」かな。

 

物語
地下から発見された氷漬けの恐竜にはサイボーグ手術が施されていた。
その直後、TPC基地がシステムダウンする。
自らを「宇宙の神」と称するナーガが人類に警告してきたのだ。

 

感想
いきなりTPC基地がシステムダウンするなど展開がかなり駆け足で、イブの心変わりもちょっと急すぎた。かなりスケールが大きい話だったので前後編でも良かったと思う。
「現在の人類とは違う存在」「宇宙の意思を体現する存在」「進化」「マントルプルーム」と『平成セブン』で取り上げられる要素がいくつか見られるが、『平成セブン』ぐらいの時間だったら今回の話のテーマも十分に扱えたかもしれない。

 

今回は「幻の疾走」の後日談にもなっていて、かねてから出撃を申し出ていたヤズミが遂に出撃する事になり、マユミも久し振りの登場となった。
ようやく現場に出れたヤズミだがやっている事は基地の中とあまり変わらなかった気がする。ヤズミが本当に現場を知る事になるのはこの後の「うたかたの…」での事。
マユミは拓磨の死があったので、もう以前のような無邪気な明るさを見せる事は無くなってしまった。

 

屋上でのダイゴとアダムの戦いは思わず仮面ライダー(やっぱりアマゾン)を思い出す。
街を破壊していくウェポナイザーをバックに人類へ宣戦布告するアダムの構図が良かった。
ダイゴを庇ってアダムの攻撃を受け屋上から落下するイブ。それを追って屋上から飛び降りたダイゴがティガに変身してイブを助ける展開がカッコイイ!

 

二体のウェポナイザーが接触しないようにする時にティガはどうしてパワータイプにならなかったのだろうか? スカイタイプが力不足なのは分かっているはずだが……。

 

戦いが終わった後、ティガからダイゴに戻るシーンがある。『ティガ』では貴重な場面。

 

戦いが終わった後、アダムとイブは新たな故郷を探すと言って地球を離れる。
ダイゴが人類との話し合いの場を持とうと言っていたのだから人類との共存を考えても良かったのでは? どうもこの二人は自分達で結論を出したら他人の意見を聞き入れないところがある。

 

よく分からないのが今回の黒幕であるナーガの目的。
本当に地球を恐竜人類に与えるつもりだったのか? ただ単に地球を支配したかったのか? それとも人類ごと地球を消滅させたかったのか? 実はただのゲームだったとか?
因みに『円谷プロ怪獣図鑑』ではナーガの肩書きはアダムとイブと同じ「恐竜人類」になっていて出身地も同じ「惑星ディノゾア」となっている。

 

今回の話は様々な作品で撮影を担当した大岡新一さんのウルトラシリーズ監督デビュー作となっている。