帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「青い夜の記憶」

「青い夜の記憶 ーナターン星人登場ー
ウルトラマンティガ』第29話
1997年3月22日放送(第29話)
脚本 長谷川圭一
監督 原田昌樹
特技監督 大岡新一

 

侵略宇宙人ナターン星人
身長 55m
体重 4万8千t
友好関係にあった星を侵略し、マヤに乗り移っていた宇宙人の母親を殺害して兄を捕えた。その後、逃亡者となった兄を追って地球圏にやって来る。宇宙船で宇宙ステーション・デルタの防衛ラインを突破するがガッツウイングに撃墜されるとキャンパーの体を乗っ取って逃亡者の追跡を続けた。
ナターン星の正義の為に兄を殺害し、マヤに乗り移っていた宇宙人も殺そうとしたが、怒りに震えるティガ・マルチタイプのゼペリオン光線で瞬殺された。
人間大時は銃を使い、電流を発する。巨大化時は両手から光線を発する。

 

物語
宇宙で謎の光と遭遇して記憶を失ったシンジョウ。社会現象にもなっている人気歌手のクルス・マヤ。
二人を繋ぐのは「青い夜の記憶」……。

 

感想
『青い夜の記憶』と言う歌に全てのドラマがまとまっていくお話。
『青い夜の記憶』は作詞は今回の脚本を手掛けた長谷川さんで、曲はプロコル・ハルムの『青い影』のカバーとの事。
因みにマヤを演じているのは田中規子さんだが歌の部分は『パワード』の『STARLIGHT FANTASY』を歌った須藤ひとみさんが担当している。

 

いまや社会現象、一種の宗教とも言える異常な人気を誇るクルス・マヤ。そのファンの事をクリスチャンをもじって「クルスチャン」と呼ぶらしい。
社会現象になっている人物の名前をダイゴが知らなかったり、ホリイが「MAYA命」と書かれたグッズを持っていたりしているのを見て放送当時は少し不自然に感じたが、実際に21世紀になるとTVの衰退とネットの発達で国民全員が知っている有名人が生まれにくくなったし、一方で21世紀になってもファン活動の中身は意外と変わっていなかったりしているので、今になって見るとこの辺りの描写に違和感を覚えなくなった。

 

シンジョウが宇宙に行っているのでマユミはダイゴを誘ってマヤのライブに行く。
その事を知ってヤズミは焦り、レナは冷たい反応を取る。

 

GUTSよ宙へ・前編」「GUTSよ宙へ・後編」に登場したマキシマ・オーバードライブのテスト機が再登場。今回はニュー・マキシマの実験らしいが『ダイナ』に登場するネオマキシマの事だろうか?
パイロットのシンジョウが宇宙空間で青白い光に包まれるが、これと似た展開が「サ・ヨ・ナ・ラ地球」や「宇宙からの友」でもあった。因みにどちらもシンジョウが中心の話。

 

前回の「うたかたの…」ではシンジョウと喧嘩別れしたマユミだが今回はシンジョウを心配する場面が入れられて関係の修復が行われている。ひょっとしたら、マヤのライブに誘おうとしたのも仲直りする為だったのかな。
それにしても「幻の疾走」で恋人を殺されて心に傷を負って「うたかたの…」で兄と喧嘩したばかりのマユミに今度は兄が事故に遭ったと言う話を用意するスタッフは鬼だろうか……。

 

意識を取り戻したシンジョウは記憶を失っていた。キャラクターが変わったシンジョウが新鮮でなんか良い。

 

マヤに乗り移っていた宇宙人の兄はダイゴに「帰れる故郷は既に無くて仲間と共に新天地を探す」と言っているが、マヤにはその事は告げず「二人が生まれた星に帰る」と言っている。
ナターン星人が「反逆」と言っているので兄達は侵略された自分達の星を取り戻す為に抵抗運動をしているのかもしれない。マヤはどこまで兄達の事情を知っているのだろうか……?

 

ナターン星の正義の為にマヤの兄を殺害したナターン星人に向かってダイゴは「自由を踏みにじって何が正義だ!」と言い切る。
人の命を踏みにじるところに正義など無いのだ。

 

ティガとナターン星人の戦いは『ティガ』で最も短いものでなんと1分も無い!
ナターン星人は弱くて、光線をティガに防がれた上に途中で逃げようとした。マヤの兄を殺す時もダイゴを殺そうと見せかけて庇ったマヤの兄を殺しているので弱い上に卑怯な奴であった。

 

『青い夜の記憶』の歌と共に回想されるマヤと兄の別れの場面。
死んだ兄の代わりをするシンジョウと、それに気付きながらも言葉には出さなかったマヤ。
このマヤがシンジョウの胸に飛び込む場面は「幻の疾走」を思い出す。

 

 

脚本を書いた長谷川さんによると今回は『セブン』の「盗まれたウルトラ・アイ」にオマージュを捧げた話らしい。言われてみればゲストの女性の名前が同じ「マヤ」だった。
同じ宇宙人の女性でも地球には他人しかいなかった『セブン』のマヤと地球で多くの人々に愛されていた『ティガ』のマヤとでは違う人生を歩む事となった。

 

今回の話は原田昌樹さんのウルトラシリーズ監督デビュー作となっている。