帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「襲われたGUTS基地」

「襲われたGUTS基地 ービザーモ登場ー
ウルトラマンティガ』第31話
1997年4月5日放送(第31話)
脚本 川上英幸
監督・特技監督 北浦嗣巳

 

人工生命体ビザーモ
身長 56m
体重 5万2千t
南極の隕石から発見されたアメーバ状の生命体。
パソコンに侵入して人間とコミュニケーションを取る。
惑星ビザーモで汚れた大気を浄化させる為に遺伝子操作で生み出された。二酸化炭素を吸って酸素を吐く。電気エネルギーで増殖し、高度な機械類に侵入して進化していった。惑星ビザーモを滅ぼし、地球にやって来た。
GUTS基地を乗っ取り、レナを乗っ取って知識を吸収し、高純度エネルギー発電施設のエネルギーでさらに進化した。
強力な電磁波を張ってバリアーとし、電流で攻撃する。ティガ・パワータイプに両手を千切られ、光弾をデラシウム光流として跳ね返され爆発した。しかし……。
都合の悪い質問は全て「データが無い」で誤魔化す。

 

物語
生物工学研究所員が酸素中毒を起こした。
調査したホリイはアメーバ状の生命体が原因である事を突き止める。
アメーバ状の生命体がパソコンに侵入してコミュニケーションを取ってきたのでホリイは共存の道を探るが……。

 

感想
今回はアメーバの侵略。ヌメヌメズルズルしたビザーモの感じが良かった。
繁殖し大気を浄化していくと言う本能にのみ従っていくビザーモは単純故に怖かった。
覗き込む演出も実に効果的であった。

 

パソコンを使ってコミュニケーションは取れるが、人間とはロジックが異なるので共存できなかったビザーモ。この展開はクリッターとガゾートが登場した「セカンド・コンタクト」と同じ。
ホリイは大気を改造できるビザーモは地球にとって有益な生物であると今回もロジックで人間と他生物の共存を考えるが今回も失敗に終わってしまう。

 

ビザーモは自分達には地球人の言う慈悲の心は無くて人間との共存は望んでいないと言い切り、それを聞いたホリイは人間と言う科学エネルギーを作る存在がいなくなったらビザーモ自身も生きられないと詰め寄り、ビザーモには知識はあっても心が無いと切り捨てる。
しかし、この時のビザーモの行動は実は「うたかたの…」での他生物を滅ぼしてでも自分達の生存を最優先にしようとした人間の行動とあまり変わっていない。地球が滅んでしまったら人間は新たな星を求めて宇宙へ旅立つと思うが、もし、見付けた星に生物がいた場合、今の人間はその生物と共存しようとするのだろうか? 「うたかたの…」では見せなかった他生物への思いやりと言う本物の心を人間は見せる事が出来るのだろうか?

 

たまごっちをしているレナとシンジョウ。2008年にたまごっちの再ブームが起きたのかと放送当時思っていたら本当に21世紀に再ブームが起きたのには驚いた。
今回はヤズミもゲームをしていたが、これらはコンピューターによる人工生命体と言う意味だったのかな。

 

ホリイの画像を作り出したビザーモにGUTSはマザーコンピューターを乗っ取られ、防御システムが発動した基地に閉じ込められてしまう。
ホリイが開発していた非常時システムにより危機を脱するが、機能が集中している施設での未知の存在の解析は止めた方が良いぞ。二度目でしょ。

 

ガッツウイング1号と2号の戦いはCGを使ったスピーディーなもので面白かった。

 

PDIに侵入したビザーモが作り出したダイゴの笑い顔が不気味。
最後、ニセダイゴの笑いの直後に本物のダイゴの「おーい!」が聞こえてくる場面が面白い。

 

今回の脚本を担当した川上さんによって書かれた小説『白狐の森』に今回の話の前日談である「惑星ビザーモの滅亡」が書き下ろされている。