「拝啓ウルトラマン様 ーガルラ登場ー」
『ウルトラマンティガ』第39話
1997年5月31日放送(第39話)
脚本 長谷川圭一
監督・特技監督 川崎郷太
超古代怪獣ガルラ
身長 59m
体重 5万9千t
TYPE-Cに分類される怪獣。ゴルザやメルバと同じ超古代生物と思われる。
地下は無限のフィールドで地下から現れて街を破壊しては地下に帰っていく。
角から熱線を発する。ジョバリエ以上の強硬な装甲を持っていてGUTSのあらゆる武器が通用しなかった。キリノ・マキオに喉が弱点である事を明かされ、ティガ・マルチタイプのゼペリオン光線で倒された。
「闇へのレクイエム」のエボリュウの着ぐるみを改造している。
物語
怪獣ガルラが暴れる中、ダイゴはビルに女性が取り残されていると言う男と出会う。
ダイゴはティガに変身して女性を救出するが、その夜、謎のメールが送られてくる。
そのメールには「拝啓ウルトラマン様」と書かれてあった。
感想
今回登場したキリノは超能力でビルに女性が取り残されている事を知るが助ける事が出来なくて、ダイゴはティガに変身して女性を救出する事が出来たが女性がビルに取り残されていた事は分からなかった。
もし二人がお互いを補完し合ったら最高のタッグになったであろう。
几帳面そうなキリノであるが部屋は意外と散らかっていた。でも、これが生活感が出ていて逆に良かった。買い物に行ったり電車に乗ったりする場面もキリノの普通さが出ていた。キリノ・マキオは超能力を使える事以外は普通の人間だったのだ。
超能力でダイゴの正体を知ったキリノ。超能力者ではあるがウルトラマンの正体を既に知っていた人間が登場したのには驚いた。
超能力のせいで化け物扱いされてきたキリノ。そんな自分の存在を初めて素直に認めてくれたのがダイゴであった。キリノにとってダイゴは自分の全てを打ち明けられる初めての人間だったのだが、自分が超能力のせいで化け物扱いされてきたのにダイゴはウルトラマンの力のおかげでヒーローとして賞賛されている。同じ境遇でありながらこの不公平さ。キリノがダイゴに挑戦したくなる気持ちも分からなくもない。
何か考え込んでいるダイゴを見てレナは「ダイゴ、いつからか変わったよ。人や、自然を見つめる眼差しが凄く優しくなった。でも時々、凄く辛そうな目もする……。話してよ! 自分だけで悩んでいる事があったらさ。私達家族みたいなもんだって、いつかリーダー言ってたじゃない!」となるべくダイゴに負担にならないよう事情を尋ねる。しかし、ダイゴの返事は「今はまだ言えない」。この答えに怒ったのか、ガルラとの戦いでレナはダイゴを睨みながら「ティガが来てくれたら……」と呟く。
まだ確証は持てないがレナはダイゴとティガの関係に気付いているはず。それだけに自分達に話さないで一人で抱え込んでしまっているダイゴに苛立ちを覚えるのだろう。この話は「もっと高く! ~Take Me Higher!~」へと続く事となる。
そう言えば、結局ダイゴから事情を話す事は無かったような……。
ところで「虹の怪獣魔境」でムナカタリーダーが「GUTSは家族みたいなもの」と言っていたのをレナは聞いていたっけ? 気絶していたような……。
キリノが怪獣出現を予言した場所で待機するシャーロック。
人々が歩いていく中でシャーロックが戦闘態勢を取る場面は日常と非日常が上手く合わさっていた。
レナを助ける為、自分の正体が明かされる事を承知でティガに変身するダイゴ。
ガルラとの戦いの中、攻撃されるティガと虐められるキリノの姿が重なる。
超能力のせいで人々に虐められていたキリノとウルトラマンのせいで怪獣に攻撃されるダイゴ。
自分とダイゴが同じ存在である事、そして自分とダイゴの何が違っていたのかを知った時、キリノはダイゴにガルラの弱点を教え、ティガはガルラを倒すのであった。
「うたかたの…」に続いてティガがダイゴの声で喋る。ティガの意識は完全にダイゴなのだと分かる場面。
ガルラが出現した事を聞いてダイゴの勘が当たったと驚くGUTS。イルマ隊長はこの時にダイゴの正体を感じたのかな?
ガルラが倒された後、イルマ隊長は単独行動をしたダイゴに二日間の謹慎を命じ、レナに二日間の有給を使ったらと告げる。二人の仲はもう公認と言って良いのかな。ここまであからさまな気使いしても気付かないダイゴはやっぱり鈍い。
これまでのウルトラシリーズではウルトラマンの正体を知る人物は宇宙人である事が多くて、特殊な力を持っているが地球人であるキリノは他にいないキャラクターであった。
今回の話は特撮のレベルが高く、上空から垂直攻撃をするガッツウイングやティガやガルラの光線の照準が少し不正確でリアルなものになっている等、今まで見られなかった演出もあって面白かった。