帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「少女が消えた街」

「少女が消えた街 ーファイバス登場ー
ウルトラマンティガ』第42話
1997年6月21日放送(第42話)
脚本 長谷川圭一
監督・特技監督 北浦嗣巳

 

メカ生命体ファイバス
身長 60m
体重 7万2千tt
カレンは「タウン」のシステムを全て一人でプログラムした天才ゲーマーとなっているが、実際はいつからか自分の意思を持つようになったバイオコンピューター・カレンーE90であった。人間を思い上がった存在、邪魔なバグであるとして、TPCのメインコンピューターを支配して不完全な人間の世界を変えようとする。
ヤズミに自分の作る世界に来るように告げ、拒否されると巨大なメカ生命体ファイバスに変身する。ティガの攻撃パターンを見切るが、ヤズミの訴えに暴走を止め、最後はティガ・マルチタイプのゼペリオン光線で消滅した。
「サタンファイバス」は暴走状態の名前かな。

 

物語
ネットゲームで優秀な成績を修めたヤズミはゲームの殿堂「タウン」に招かれる。
そこでヤズミは謎の少女と出会う。少女はヤズミの憧れの人物カレンについて語るが……。

 

感想
今回はゲームが題材なのでCG合成がふんだんに使われている。廃墟の街での飛行物体の襲撃、荒野での迫り来るロボット等、TV作品でここまでやるのは大変だったと思う。

 

デートではなく、あくまで保護者代理としてヤズミに付いて行くレナ。確かにレナとヤズミとでは恋人には見えない。やっぱり姉と弟かな。(途中でお姫様になっていたが)

 

ゲームが得意なヤズミ。「僕がその一人目になる!」、「舐めるなぁ!」、「僕だってゲームの達人だぞ!」、「単純なゲームだな!」と言葉が妙に強気。段々とゲームにのめりこんでいく表情が危なかった。レナの言うとおり感化されやすいと思う。

 

TPCのメインコンピューターを乗っ取ったカレンは宇宙ステーション・デルタのヴァルキリー砲でGUTS基地を狙い、アートデッセイ号で街を破壊しようとする。
かなり危険な状況なのだが、デラック砲で狙われた街の人々は何故か無表情で逃げようとしない。GUTSのメカが自分達を撃つわけないと思い込んでいたのかもしれないが、それが人間にとって大きな誤算、コンピューターに頼り切ってしまったが故のアキレス腱となる。

 

カレンの目的は不完全な人間の世界を変え、神として愚かな人間を正しく導くであった。
コンピューターの反乱は昔からよくあるテーマで、コンピューターが人間は不完全な存在であると判断して滅ぼそうとする展開も昔からよくあるものとなっている。だが、そういう判断をしたコンピューター自身が実は感情に支配されている不完全な存在に見えるものが多く、今回のカレンも妙に人間っぽい部分があった。ひょっとしたら、自分の中にある不完全な部分を嫌っていて、それが同じく不完全である人間と言う存在の抹消へと繋がっているのだろうか?

 

カレンが倒され、タウンも消え去る。全てがホログラムだったらしいが、ヤズミの他にタウンに招かれていた人はどうしたのだろうか? 途中で壁に消える場面があったので実は街の人々も全てホログラムだった可能性がある。ひょっとしたら、ヤズミがタウンに来た初めての人間で、カレンはそれまでホログラムの街と人に囲まれて過ごして来たのかもしれない。そう考えると、ヤズミの「寂しかった」と言う台詞の意味もなんとなく理解できる。

 

カレンがヤズミに近付いたのはゲートキーパー解除法を探る為であったが、ヤズミと一緒に居たかったのもあっただろう。ヤズミと同じ左手を怪我したのも少しでもヤズミと一緒になりたいと言う気持ちがあったのかもしれない。
しかし、人間の世界を壊そうとしたらヤズミが反発するのは当然。ヤズミの「僕と一緒に生きよう」に反応したようにカレンはヤズミと一緒に生きたかったのだが、それ以上に人間の世界を嫌悪していた。残念ながらヤズミとカレンは決して結ばれる事は無かったのだ。

 

ところでカレンは何故ここまで人間の世界を嫌悪していたのだろうか?
思い上がった人間の指図は受けないと言っていたので人間に無茶な指図でもされたのかもしれないが、その辺りは描かれていないのでなんとも言えない。
そう言えば、カレンを作った人間はどうしているのだろうか? 既に殺されてしまったのだろうか?

 

冒頭の場面でオフのGUTSが見られる。ムナカタリーダーとホリイが笑える。ダイゴとシンジョウは何をしているんだろう?

 

バーチャルでのムザン星人とレイビーク星人の再登場が嬉しかった。