帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「新たなる光(前編)」

「新たなる光(前編) ーダランビア ネオダランビア登場ー
ウルトラマンダイナ』第1話
1997年9月6日放送(第1話)
脚本 長谷川圭一
監督 小中和哉
特技監督 大岡新一

 

宇宙球体スフィア
全長 計測不能
体重 計測不能
ZEROの宇宙での実戦シミュレーション中に突如襲来した謎の生命体。
分裂して数を増やし、光線を発射し捕獲能力も有する。
全て撃墜されたと思いきや先に火星に飛来していた個体が火星の岩や砂と融合してダランビアとなって火星基地を襲撃する。
スーパーGUTSとダランビアの戦闘中に新たに複数の個体が襲来したが、ダイナ・フラッシュタイプのフラッシュサイクラーとビームスライサーでわずか1分で全滅させられた。

 

合成獣ダランビア
身長 30m
体重 2万7千t
火星に飛来したスフィアが火星の岩や砂と融合して誕生した。
口から火炎を吐いて火星基地を襲撃する。周囲に亜空間バリアーを展開している。
ダイナ登場時の光によってバラバラに吹き飛ばされたが……。

 

合成獣オダランビア
身長 65m
体重 6万5千t
ダイナ登場時の光によってバラバラに吹き飛ばされたダランビアが火星の岩や砂や火星基地の廃墟と融合して復活した。

 

物語
地球の闇を克服した人類はネオフロンティア時代に突入する。
しかし、宇宙時代突入は新たな脅威との遭遇でもあった。

 

感想
オープニング映像で懐かしいシルエットが見られる。一方でウルトラシリーズでは初めて特別チームの隊員が一人一人アップで登場している。これまでのオープニングはウルトラマンや怪獣やメカの紹介が中心だったがこれからは人物も大事な要素として取り上げられるようになる。

 

ネオフロンティア時代を印象付ける為か第1話は宇宙や火星を舞台に物語が進行する。予算や時間の関係でウルトラシリーズで宇宙が舞台になる話は意外と少ないが『ダイナ』では10回前後もある。

 

『ダイナ』の特色の一つに『ティガ』の続編である事が挙げられる。
量産されテスト機として登場するガッツウィング、サワイ前総監の言葉を語るフカミ総監、さらに改良されたネオマキシマ航法、そしてGUTSからスーパーGUTSへ。
このように前作の世界観を明確に引き継いだ作品はウルトラシリーズでは『ダイナ』が初めてとなる。以前の作品ではウルトラマンや怪獣が再登場するくらいであった。(例外は『A』の「決戦! エース対郷秀樹」に登場した次郎君と『レオ』のダン隊長くらいかな)

 

いきなりフドウとケンカしたりマイをナンパしたりといかにも90年代な若者のアスカ。しかし、訓練施設ZEROで優秀な成績を修めていて、リョウの推薦でスーパーGUTSに入隊するなどエリートであった。まぁ、それ以上に問題児でもあったのだが……。
実はウルトラシリーズの主人公でアスカのようにキチンと訓練施設を経て特別チームに入隊するのは珍しかったりする。
因みにZEROでのアスカの話は1986年に公開された『トップガン』がモデルになっているらしい。

 

「光に消えた名パイロット」と呼ばれているアスカ・カズマ。
20世紀のウルトラシリーズで主人公の父親が登場する事は珍しく、それが物語の根幹にまで関わったのは本作のアスカ・カズマだけとなっている。
ウルトラシリーズの主人公の物語は「ウルトラマンになる事」を取り上げるのが殆どで、「ウルトラマンになる」とは別に「父親を越える」を取り上げた『ダイナ』の物語は意外と他に無いものであった。

 

懐かしい『ワンダバ』の復活。やはり燃える!

 

ダランビアは第1話に登場する怪獣でありながら操演怪獣になっていて他のウルトラシリーズ第1話に登場した怪獣との差別化が図られた。

 

スフィアの襲撃を受けて宇宙空間に投げ出されたアスカは死を考えるが父親の事を思い出して踏み止まる。
「父さん……。俺も光が見たいぜ……。……それまでは死ねるかぁー!!」。
その時、宇宙の彼方から光がやって来てアスカを包み込んだ。
奇跡の生還を果たしたアスカは不思議な夢を見るようになる。そしてスフィアとの再戦時に「俺は、諦めないぞ! 絶対に、諦めるかぁー!!」と叫んだ時、今度はアスカの中から光が溢れ出て、アスカは光の巨人となった。
宇宙でアスカを包み込んだ光はアスカの中に宿っていた。この光が何なのかは『ダイナ』を読み解くうえでの重要な鍵となる。

 

「ティガ!?」、
「いや違う! しかし、あの巨人もウルトラマンだ!」。
前作『ティガ』の世界観を引き継いだからこその名台詞。
スフィアに立ち向かう新たなウルトラマン、ダイナの活躍が今始まる!
と言う事で次回「新たなる光(後編)」に続きます。