帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「目覚めよアスカ」

「目覚めよアスカ ーグロッシーナ サイクロメトラ登場ー
ウルトラマンダイナ』第3話
1997年9月20日放送(第3話)
脚本 吉田伸
監督 石井てるよし
特技監督 佐川和夫

 

再生怪獣グロッシーナ
身長 57m
体重 5万t
10年前に駿河湾に現れたがGUTSの攻撃を受けて地中に逃げた。地底で仮死状態だったところをサイクロメトラに寄生されて活動を再開する。
口から無数の光線を吐き、尻尾でダイナの首を絞める。
肉体が傷付いてもサイクロメトラによって瞬時に再生されるが、ダイナ・フラッシュタイプのフラッシュ光弾でサイクロメトラごと倒された。

 

宇宙寄生獣サイクロメトラ
身長 9m
体重 7千t
小隕石と共に卵の状態で地球に飛来する。アスカが操縦するガッツイーグルα号で2体倒されるが1体が生き延びて仮死状態だったグロッシーナに寄生した。
寄生した死体に卵を植えつけ、反物質的な袋を破裂させて卵を遠くに飛ばして繁殖する。ナカジマ曰く「取り付いた星を破滅させる最悪の生物」。
特殊な電波でコミュニケーションを取っていて、スーパーGUTSの誘導波で誘い込まれる。
グロッシーナの肉体が傷付いても瞬時に再生させる事が出来るが、ダイナ・フラッシュタイプのフラッシュ光弾でグロッシーナごと倒された。

 

物語
訓練でトップの成績を修めたアスカに対して仲間達は増長を危惧する。
そんな中、サイクロメトラが地球に飛来。アスカは一人でサイクロメトラを倒そうとするが……。

 

感想
『ティガ』でのダイゴの物語はウルトラマンと言う人類の運命をも左右する存在となった事に戸惑うが最後はそれらを受け入れて自分のやるべき事をやろうと決断すると言うものであった。
それに対してアスカは第2話の時点で自分に皆を守る力が本当にあるのならその力で皆を守りたいと自分がウルトラマンである事を早くも受け入れている。『ティガ』と同じ事を繰り返しても意味が無いので自分はこの展開は正しいと思う。
『ダイナ』でのアスカの物語はエースの自分は一人で何でも出来ると思い込んでいたが本当は皆の力があればこそだった事に気付くと言うものになると思われる。

 

アスカは自信過剰で自分一人で何でも出来ると考えるが、このような考え方をするようになったのは父親の存在が大きいと思われる。
アスカは父親を理想化しすぎているが実際に父親の活躍を見る事は殆ど無かったと思われる。おそらく「光に消えた名パイロット」と言うフレーズから色々と父親像を考えていったのだろう。そしてアスカが出した答えが「父親は一人で何でも出来る完全無欠な存在」であったと考えられる。
アスカはやたらと自分の能力を周りに誇示して自分一人で何でも出来るかのように振舞っているが、それは自分も偉大な父親のようになりたいと願っているからだと思われる。アスカは偉大な父親の顔に泥を塗ってはいけないと自分を追い込んでしまっているのかもしれない。
父親アスカ・カズマが一人で何でも出来た完全無欠な存在ではなく仲間達と共にいた事をアスカが知るのはまだ後の話。

 

前回の「新たなる光(後編)」でヒビキ隊長がアスカに向かって「何の為に戦っているのか」「無茶して周りに迷惑はかけるな」と諭し、それを聞いたアスカもヒビキ隊長の言わんとする事を漠然と理解したようだが、その後、スーパーGUTSが倒せなかったグラレーンをダイナに変身してあっさり倒してしまったからか「自分にはウルトラマンと言う特別な力がある」と増長してしまう。
今回のヒビキ隊長はあえてアスカに勝手をさせて言葉以外で分からせようとしている。(尚、ヒビキ隊長自らアスカと一緒に出撃する事でアスカの無茶でかかる周りへの迷惑を自分で受け持っている)
ヒビキ隊長を負傷させてしまったアスカは自分の無茶が周りに迷惑をかける事を直に知り、自分の能力を誇示する為ではなく皆を守る為に戦うと新たに決意するのだった。

 

幻影の父親とキャッチボールするアスカ。この時のアスカはまだ自分の事だけを考えていて周りの事はあまり考えていない。そんなアスカの心情を見抜いたのか、アスカの投げた球を捕る父親の顔は険しく、アスカの言葉にも何も答えなかった。
その後、アスカはウルトラマンの力を使ってグロッシーナを倒そうとし、さらにその様子をヒビキ隊長に見せつけようとするが、ウルトラマンの力を使う事が出来ず、ヒビキ隊長を負傷させてしまう。
ヒビキ隊長の存在でアスカは自分の能力を誇示する為ではなく皆を守る為に戦う事を決意する事が出来た。こうしてヒビキ隊長はアスカの父親代わりとなり、事件解決後、アスカはヒビキ隊長とキャッチボールをしするのであった。

 

これまで自分がウルトラマンである事をアピールしようとする主人公はアスカの他にはいなかった。ウルトラマンに変身しようとしても出来なかった事から『帰マン』の「タッコング大逆襲」との共通点が挙げられる事があるが、郷秀樹は自分の失敗をウルトラマンに変身して挽回しようとはしたが南隊員や加藤隊長に自分がウルトラマンである事を知らせようとはしなかった。

 

映像作品ではアスカが得た光の正体は謎のままだが、今回の話を見るとアスカにウルトラマンの力を使わせなかったのは父親の意思だったように思える。

 

今回のアスカはリーフラッシャーを使わずにダイナに変身している。
ダイナはアスカが限界に至った時に発揮される力でリーフラッシャーには特に意味が無いのかもしれない。気合を入れる時のきっかけみたいなものなのかな。
今回の話は『帰マン』の「タッコング大逆襲」を思い出す内容であったが、そう言えばスーパーGUTSの隊員服は『帰マン』のMATをモデルにしていたはず。

 

今回はアスカの父親代わりであるヒビキ隊長、副隊長格としてヒビキ隊長不在のスーパーGUTSを指揮するコウダ、怪獣の特性を解析していくナカジマ、ガンナーのカリヤ、オペレーターのマイとスーパーGUTS各隊員のキャラクターが紹介されている。
スーパーGUTSのキャラクターは前作『ティガ』のGUTSと対比されているが、ナカジマとホリイの違いはちょっと微妙かな。
因みにスーパーGUTSのメンバーは『ルパン三世』がモデルになっていて、アスカはルパン、ヒビキ隊長は銭形警部、カリヤは次元大介、リョウは峰不二子との事。アスカとヒビキ隊長は分かるがカリヤとリョウはなんかイメージが違う。
又、小中監督によるとアスカがダイナになる瞬間は『デビルマン』をイメージしているらしい。と言う事はアスカとリョウの名前を合わせて「飛鳥了」なのかな。

 

『ダイナ』で気になると言えば女性隊員の名前。男性隊員は全員が名字で呼ばれているのに女性隊員は下の名前で呼ばれている。
『Q』のような友達付き合いならお互いをどう呼ぼうと構わないが、特別チームで男性は名字で女性は下の名前と使い分ける理由は無い。
過去の特別チームでも下の名前を呼ばれた女性隊員は何人かいたが、『セブン』のダンとアンヌ隊員、『A』の北斗星司と南夕子、『ティガ』のダイゴとレナと言ったように主人公とヒロインのみ下の名前にする事で他の名字で呼ばれている隊員とは違う特別感を作るのなら分かるが、ヒロインでなくても女性隊員は下の名前で呼ぶと言うのが一時期多かった。

 

ダイナとグロッシーナの戦いで「ウルトラマンダイナの活動時間は3分間だ。カラータイマーが青から赤に変わり、その点滅が消える時、それがウルトラマンダイナの最後の時なのだ」と言うナレーションが入っている。
『ティガ』では聞けなかったのでかなり懐かしく思わずニヤリとしてしまう。

 

スーパーGUTSの訓練で使われる的がなんと手書きの怪獣や宇宙人であった。
撮影が大変だとは思うが、21世紀と言う設定なのでホログラムとか使ってほしかったなぁ。(手書きの怪獣の的は「怪獣シュガロンの復讐」にもあったので、これも『帰マン』オマージュだったのかな?)

 

今回の話は吉田伸さんのウルトラシリーズ脚本デビュー作となっている。