帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「遙かなるバオーン」

「遥かなるバオーン ーバオーン登場ー
ウルトラマンダイナ』第8話
1997年10月25日放送(第8話)
脚本 太田愛
監督・特技監督 村石宏實

 

催眠怪獣バオーン
身長 53m
体重 6万t
ふるべ村に落下した隕石と共にやって来た。「バオーン」と言う鳴き声を聞いた者は眠ってしまう。
ジェットワイヤー作戦で足止めされ、ジャイアントマスク作戦の睡眠ガスで眠るが翌日には起きて朝の体操をした。赤い色に反応し、街にある赤いバルーンを見て街に向かう。睡眠ガスに慣れた為に麻酔弾が効かなくなる。ダイナ・ストロングタイプの赤い色に反応して遊んでもらおうとして、最後はダイナ・フラッシュタイプのウルトラバルーンに誘われ、そのまま宇宙に帰された。
ヒビキ隊長は「眠らせ怪獣バオーン」と言っていた。

 

物語
ふるべ村に隕石が落ちてきた。よし、見に行くべ!
スーパーGUTSさんが村にやって来た。よし、会いに行くべ!
怪獣が村に現れた。よし、祭りだべ!
……なんか、眠くなってきた……べ……。バタン……。グゥグゥ……。

 

感想
今回はネオフロンティアとは全く無関係な内容で、21世紀が舞台なのにまるで昭和のような雰囲気になっている。近未来を舞台にした作品でこのような話をするのはちょっとした冒険だが、この話のおかげで『ダイナ』は基本設定に縛られず自由に話が出来るようになっていった。

 

冒頭にあった乙吉老人の耳が遠い話がただのギャグかと思いきやバオーンの能力の伏線だったのが見事。

 

胡散臭さ大爆発な天才動物学者のムスタファ・アリ。結局、何しに来たのか分からないが妙に印象に残った。
バオーンをアラスカに連れて行くと言っていたが、アラスカに研究所を持っているのかな? イメージはインド辺りなんだけれど。
後にハネジローがスーパーGUTSに来るが、その時もコミュニケーションの研究に来たのかな?

 

スーパーGUTS始まって以来の怪獣捕獲作戦。
ナカジマが発明した自動変換調整機の名称は「声変わり」。あまりにもそのまんまだ……。
ジェットワイヤー作戦時の装置の動きが細かくてGOOD! 『ダイナ』はミニチュア装置の出来がなかなか良い。
ジャイアントマスク作戦用のマスクがカワイイ。TPC開発部は遊び心がある。

 

シブガキを食べるコウダ。
これはコウダを演じる布川敏和さんが「シブがき隊」のメンバーだったから。

 

上空から降り立つダイナがカッコイイ!
因みに前回は初めてダイナ登場時のCGが使われず、今回は初めてタイプチェンジ時のCGが使われなかった。

 

ダイナ・ストロングタイプの赤に喜ぶバオーン。四股を踏むダイナ。ダイナに遊んでもらえず拗ねるバオーン。あくびをして眠ってしまうダイナ。眠ったダイナを指でつついて起こそうとするバオーン。酔拳ならぬ眠拳をするダイナ。
ダイナもバオーンもほのぼのしていて可愛かった。ウルトラマンや怪獣に人間っぽい動きをさせる事に賛否両論あると思うが自分は好き。

 

ふるべ村に受け入れられたバオーンだが街に出るとバオーンの鳴き声が大惨事の引き金になってしまう。
「怪獣」と言うのはあくまで人間が定義したもの。鳴き声が脅威になってしまう街ではバオーンは怪獣になってしまうが、脅威にならないふるべ村ではバオーンは怪獣ではなく、ただの大きい生き物となる。
今回はほのぼのとしたコメディ回であったが「怪獣」とは何かと言うのを考えさせられる話でもあった。
「わしらぁ、なぁんも困っとらせんわぁ。村の時間はゆぅっくりですけんのぉ。いつ昼寝しても誰も文句は言いませんわぁ」。