帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「禁断の地上絵」

「禁断の地上絵 ーデキサドル ゼネキンダール人登場ー
ウルトラマンダイナ』第10話
1997年11月8日放送(第10話)
脚本 右田昌万
監督 石井てるよし
特技監督 佐川和夫

 

念力種族ゼネキンダール人
身長 190cm
体重 100kg
南アメリカアンデス地方に文明を築き、大昔に地球を征服していたと言い伝えのある伝説の種族。超能力思念で人間の頭に光の輪を作って苦しめる。3匹の怪獣を操って地球を征服し、その怪獣は今もアンデスの地上絵に隠されている。
既に滅亡していたが3年前にアキヅキ博士が洞窟で見付けたゼネキンダール人の体毛とクローン製造機で3人のゼネキンダール人を蘇らせると、人間のDNAをコピーしてアキヅキ博士達に変身し、超能力思念を送る機械で地上絵に隠した3匹の怪獣を復活させようとする。
スーパーGUTSの妨害で3匹のうちデキサドルのみの復活となり、カリヤとリョウに超能力思念を送る機械を破壊され、デキサドルの敗北と共に消滅した。

 

高速怪獣デキサドル
身長 62m
体重 4万9千t
ゼネキンダール人がアンデスの地上絵に隠していた3匹の怪獣のうちの一匹。
3匹の怪獣は全てスーパーGUTSのトルネードサンダーで破壊されたが、3人のゼネキンダール人の超能力思念によってデキサドルのみ復活を果たせた。
ガッツイーグルα号を上回る飛行速度を誇る。上空から攻撃を繰り出し、口から光の輪を作り出す。
ダイナ・ミラクルタイプの反撃を受けて上空に逃げようとしたところをダイナ・フラッシュタイプのソルジェント光線で倒された。

 

物語
南アメリカに謎の鳥怪獣が現れる。
その正体をアンデスにある地上絵デキサドルと関係があると考えたカリヤは地上絵の研究をしていた恩師のアキヅキ博士を訪ねるが……。

 

感想
世界の七不思議の研究もネオフロンティアの一環との事。今回はカリヤの主役回で考古学関係だった事が分かる。
因みに現実世界における「世界の七不思議」は「ギザの大ピラミッド」「バビロンの空中庭園」「エフェソスのアルテミス神殿」「オリンピアのゼウス像」「ハリカルナッソスのマウソロス霊廟」「ロドス島の巨像」「アレクサンドリアの大灯台」となっている。

 

事件解決後、アキヅキ博士は自分の過ちを認め、ゼネキンダール人を復活させてしまった機械を処分しようとする。
普通はここで話が終わるのだが、カリヤはもっと研究を続けるべきだと説得する。たとえ失敗してもそこで終わらず続けようと言うのが『ダイナ』らしい。『ダイナ』の掲げる「ネオフロンティア」は単なる開拓から諦めない前向きな心へと変わっていった。
次々と映し出される地上絵。そこには何が隠されているのか……。もしかしたら今回のものよりもっと恐ろしいものが隠されているのかもしれない。しかし、たとえ知らない方が良かったとしても知らなければそれすら分かる事が出来ない。
まぁ、レーザーだって最初は兵器として開発されたが今は治療器具になっているし、核兵器も今は原子力発電所があるしね。
「地上絵の中に破壊や滅びをもたらすマイナスのものがあった。それがどうしたと言うんです? 博士の力でマイナスをプラスに変えればいい。破壊や滅びをもたらすものは人間の幸せの為に作り変えればいい。博士ならそれが出来る!」。

 

現在のアキヅキ博士の家の場面が暗い色調でまとめられて、回想シーンのアキヅキ博士の家の場面が明るい色調になっていたのが面白かった。現在は偽者で昔が本物のアキヅキ家だったと言う意味だろう。
今回はホラー演出がゼネキンダール人の恐ろしさを作っていたが、ホラーの雰囲気を重視しすぎたせいか、怪しさ大爆発なアキヅキ家を見て偽者だと気付けないカリヤがちょっと間抜けに見えてしまった。そう言えばカリヤは恩師が突然学会を引退したのにどうして事情を聞きに行かなかったのだろうか?

 

劇中ではゼネキンダール人の正体について深く掘り下げられていないが、デキサドルが地球上には存在しない生き物らしいので、宇宙から移住してきた種族である可能性がある。