帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「幽霊宇宙船」

「幽霊宇宙船 ーゾンバイユ シルバック星人登場ー
ウルトラマンダイナ』第17話
1997年12月27日放送(第17話)
脚本 右田昌万
監督 石井てるよし
特技監督 佐川和夫

 

幽霊船怪獣ゾンバイユ
身長 60m
体重 12万t
数多の美しい星団から魂を貪り尽くして宇宙に死を広げた伝説の怪獣。
青い特殊光線で人間からプラズマエネルギーを分離して吸い上げる。
シルバック星人の宇宙船を乗組員ごと乗っ取っている。普段は宇宙船の姿をしているが攻撃を受けると怪獣の姿に変身する。
一つ目からプラズマエネルギー分離光線と金縛り光線を発する。体を粒子化させて瞬間移動する。体を無数に分散させるがダイナ・ミラクルタイプに本体を発見され、最後はダイナ・フラッシュタイプにソルジェントエネルギーを叩き込まれて爆発し、体内に閉じ込めていたプラズマエネルギーもダイナによって解放された。
名前の由来は「ゾンビ」かな。

 

ゾンビ怪人シルバック星人
身長 190cm
体重 80kg
シルバック暦74602に宇宙船ごとゾンバイユに乗っ取られてしまった。
体がミイラ化し、ゾンバイユに操られる。
口からプラズマエネルギー分離光線を吐く。
何度倒されても立ち上がって迫ってくるがダイナ・フラッシュタイプのビームスライサーで完全消滅した。

 

物語
街の上空に突如現れた謎の宇宙船。
宇宙船から発せられる光線を浴びた人間は次々に黒く変色して倒れていく。
宇宙船の正体は人間の魂を貪り尽くすゾンバイユだった……!

 

感想
「冬の怪奇シリーズ」と銘打たれているわけではないが、この時期の『ダイナ』はホラー関係の話が続いている。
今回は幽霊船の宇宙版と言える話。宇宙船でありながら操縦が船の舵になっていて、おまけに航海日誌まであるとあまりにもストレートな幽霊船話になっているのが面白かった。

 

『ティガ』の「幻の疾走」で「人間の霊魂はプラズマと言う説がある」と言う話があったが今回の話でも人間の魂をプラズマエネルギーとしている。
プラズマエネルギーを吸い取られて黒く変色した人間が不気味だった。

 

犬を逃がしに帰って来た子供を助けて犠牲になってしまったリョウ。
怪獣が暴れる中、動物を助けに帰って来る子供は『初代マン』の頃からいる。

 

どんな複雑な地形でも敏捷な操縦が可能な特殊捜索救助艇コネリー07が登場。こういう通常の戦闘機以外の飛行装備はもっと欲しい。
今回のコネリー07はなんか必要以上に地面すれすれを上下しながら飛んでいた。

 

街の上空に現れる宇宙船形態のゾンバイユは巨大感が見事だった。
ダイナとの戦闘で映し出されるゾンバイユの顔のアップがちょっと恐い。
ゾンバイユに馬乗りになってロデオをするダイナ。そのまま上空に飛んでいったのは驚いた。

 

シルバック星人にプラズマエネルギー分離光線を浴びせられても「俺は……まだまだ色々やりてぇんだよ!」と根性で変身するアスカが凄い。

 

プラズマエネルギー(魂)だけとなったリョウは「肉体から解放されて初めて地球の何もかも愛しく思えるようになった。この星に住む全ての命を愛している」と語るが、いきなりな告白でちょっと違和感を覚えた。
そのリョウに「君達が地球を愛するように、まだ地球には君達の事を愛している人がたくさんいるんだ」と訴えるコウダ。コウダって妙に文学的な台詞を吐くなぁと思ったら趣味がオペラ鑑賞になっていた。なるほど。

 

最後のアスカの死んだ振りはちょっと性格悪いぞ。前回の「激闘! 怪獣島」でハネジローにされた仕返しかな?
当然、アスカは皆から総スカン。リョウにも叩かれる。ところで医者と看護婦は気付いていたのかな?

 

「ゾンビの怪人」「着ぐるみの前後に二人入る方式の怪獣」「バリアー装置」と『初代マン』の「ミイラの叫び」を思い出す展開。
又、「宇宙船を乗っ取る怪獣」「取り込まれた人間が怪獣の意思を操ろうとする」等、『ティガ』の「サ・ヨ・ナ・ラ地球」も思い出す。