帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「夢幻の鳥」

「夢幻の鳥 ーコカクチョウ登場ー
ウルトラマンダイナ』第19話
1998年1月17日放送(第19話)
脚本 武上純希(原案 円谷一夫)
監督・特技監督 原田昌樹

 

凶獣姑獲鳥
身長 62m
体重 5万2千t
中国の伝説に登場する不吉な鳥で人の死や国の滅亡を予言すると言われている。
中国大陸で地震が発生した直後に現れ、発電所を破壊しながらマイクロ波発電施設跡を目指す。
かつてガゾートが現れたプラズマ雲から現れたプラズマの塊で、スーパーGUTSのアンチプラズマ弾で一度倒されても電気エネルギーを吸収して復活した。
両手からプラズマ弾を放ち、空中に放電する事で落雷を起こす。
ビーム攻撃が効かず、ダイナ・フラッシュタイプのソルジェント光線も吸収するが、ダイナ・ミラクルタイプのレボリウムウェーブ・アタックバージョンで異次元に追放された。
カリヤには「プラズマ生物姑獲鳥」と呼ばれた。
日本では「うぶめ」と呼ばれる妖怪らしい。

 

迷子珍獣ハネジロー
身長 33cm
体重 5kg
アスカと同じベッドで寝て、司令室で飛んでいる。

 

物語
タクマの夢を見て不安に駆られるマユミの所に謎の鳥が現れて不吉な予言を告げる。
「また悲劇が起こるよ。昔と同じようにね……」。

 

感想
『ダイナ』冬の怪奇シリーズ第3弾と言える話で中国の妖怪・姑獲鳥が登場。既存の妖怪がそのままの名前でウルトラ怪獣として登場するのは珍しい。
姑獲鳥はクチバシの中にある女性の顔がニヤッと笑うのが気持ち悪くて怖かった。

 

成層圏は地球の中のネオフロンティアで、まだまだ未知の生物が隠れている可能性があるとの事。妖怪のような怪奇現象とは無関係な言葉だと思われたネオフロンティアであるが実は『Q』のアンバランス・ゾーン並みににあらゆる設定を成立させられる魔法の言葉であった事が分かる。

 

今回のマイは世界に打って出るレーサーのハルチカを追っかけている。「大リーガーも良いけど今はレーサーが旬」って、ヒムロ……。
今日もマイはプレゼント攻撃を行い、さらに出かけるハルチカに付いて行ってタクマの思い出の地まで来てしまう。マイが出かけているので、リョウがオペレーターをしているが、事件が起きている最中に私用で出かけて良いのだろうか……。
因みにタクマの弟であるハルチカは実際に青木琢磨さんの弟である青木治親さんが演じている。

 

マイがマユミの事を「シンジョウ婦長」と呼ぶ。マユミが「シンジョウ」と呼ばれるのはここだけ。

 

これまでもガッツウィングが登場する話等はあったが今回は初めて1話丸ごと使って『ティガ』の後日談をしている。
婦長になって落ち着いた(暗くなった?)マユミ、語られるガゾートによる悲劇、タクマの弟ハルチカの登場、ガゾート事件で計画が中止されて地上の施設は撤去されてが地下に非常用の電力システムが残されていたマイクロ波発電施設。そして物語の後半では意識的に『ティガ』の「幻の疾走」と同じ展開と構図がとられる。
マユミ「時間はね。前へ進むんじゃなくて、ぐるぐる回っているだけだって聞いた事がある……。だから……、歴史の悲劇も繰り返されるんだって……」、
アスカ「でも、ぐるぐる回っているみたいで、らせん階段は前より高い所に登っているじゃないですか。昨日よりも今日は良くなっているはずです。たとえ少しずつでも……」。
アスカが言った通り途中まで「幻の疾走」と同じ展開だったが最後に前回の悲しみを乗り越えた結末になったのが見事であった。

 

弟のハルチカを助ける為に再び現れたタクマはアスカ(ダイナ)に諦めない事を伝え、それを聞いたダイナは姑獲鳥に逆転勝利を収めて歴史を変える事に成功する。
ちょっと穿った見方かもしれないが、死んだタクマの志を継いでレーサーになったハルチカと光に消えたカズマの志を継いでパイロットになったアスカは似た存在と言える。そう考えると、タクマが魂となってハルチカを助けに来たのもカズマがアスカの所に現れるようなものなのかも。

 

マイが「幻の疾走」の人間の魂はプラズマ云々と言うホリイの言葉を再び語っている。因みに「幽霊宇宙船」でも人間の魂はプラズマだとされている。

 

幻の疾走」では現実を受け入れられなかったマユミだが、今回の話ではタクマのバイクのエンジン音による別れの言葉を聞いて見送る事が出来た。
後日、かつてタクマが走っていたサーキットで「歴史は繰り返す……。でも、少しずつ、歴史は良い方に変わっていくのかも……」と笑みを浮かべるマユミ。
『ティガ』では果たせなかったマユミの救済が果たされた瞬間だった。

 

今回のエンディングではメイキング映像がいくつか入れられている。楽しそうに語り合い、肩を抱き合うタクマとマユミの姿は『ティガ』から見続けると感動する。

 

青木拓磨さんは今回の話が放送された翌月に事故で下半身不随になるが車椅子で活動を再開し、2019年には21年振りにバイクに乗って鈴鹿サーキットを走行している。