帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「猿人の森」

「猿人の森 ーギガンテス登場ー
ウルトラマンダイナ』第28話
1998年3月21日放送(第28話)
脚本 武上純希
監督 児玉高志
特技監督 佐川和夫

 

巨大猿人ギガンテ
身長 オス・56m メス・52m
体重 オス・5万8千t メス・5万1千t
100万年前に絶滅したと思われていた猿人の一種アウストラロピテクスギガンテスと思われる巨大猿人。西アジア開発地区で存在が確認され、開発計画の敵として開発チーフのソウに狙われる事になる。
二体は大型と小型の別の種族だと思われたが実は同じ種族のオスとメスだった事が判明する。オスはメスがソウに捕らわれた事で暴れ出し、その後もメスに強いところを見せようと暴れ続けるようになる。ダイナに苦戦した為にメスにそっぽを向かれてしまうが、最後は事情を察したダイナがわざと負けた事で何とかメスのハートをゲットする事に成功し、二体仲良く山奥に帰っていった。
名前の由来はギリシア神話の「ギガンテス(巨人族)」かな。

 

物語
西アジア開発地区で巨大な猿人の足跡が発見された。
調査に向かったアスカは巨大猿人に襲われて遭難してしまう。気付いたアスカの目の前にはもう一体の巨大猿人がいた!

 

感想
リョウの見合い写真を見て「男! 男! 男! 選り取りみどりじゃないですか!?」とはしゃぐマイが面白い。
今回のリョウは妙に攻撃的だったが、このお見合い写真のせいかな?

 

アスカを助けたギガンテスのメスはリンゴの木をプレゼントする。猿人と普通に会話が成立するアスカのコミュ力が凄い。
アスカは猿人にオスとメスがいた事に最初は気付いていなかったのだが、この時のメスのアスカへのプレゼントって、ひょっとしたらプロポーズの意味があったのかな。

 

人間を敵視するギガンテスのオスと人間を敵視しないメス、開発計画の敵として猿人を攻撃しようとするソウと開発地区と猿人の居住区を分けようとするリンと言ったように今回の話では男は攻撃的で女は友好的と言った描かれ方がされている。
だが、スーパーGUTSではアスカは猿人を守ろうとするがリョウは開発計画を優先しようとする等、何故かここだけ男女逆になっている。

 

『セブン』の「地震源Xを倒せ」に登場したウルトニウムが再登場。世界のエネルギー危機を救える代物との事。
この自然を開発したら100万年生き延びてきた命を失う事になるが、この新しい開発を待っている人達がいると語られたように、人間の為の開発と人間以外の生命体との共存と言う相反するものを上手く解決させるのはかなり困難である。
もっとも今回はこれはサブテーマでメインテーマは男と女の関係だったりするのだが。

 

開発計画を成功させる事でリンとの未来も切り拓こうとしていたソウ。
そんな装備で大丈夫か?と思いきや、なんとギガンテスのメスの捕獲に成功する。
さらにその後もメスを助けようとするアスカを格闘で倒してしまう。宇宙人ならまだしも普通の人間でありながらウルトラマンであるアスカに勝つとは……。これこそ愛の力?
ところがそんなソウもリンのハイキックで一発KO。
リンが眼鏡を外したらキャラクターが変わるのが面白かった。アスカのちょっとビビッた感じも良い。

 

メスにキスをしようとしたが振られ、八つ当たりで研究所を破壊するオス。
ダイナに歯が立たないオスに呆れ、逆に強いダイナに熱い視線を送り始めるメス。そして、それを知ってさらに必死に暴れるオス。
最後、事情を察したダイナがわざと負けた事でオスはメスのハートをゲットし、そこら辺の塔を引っこ抜いて花束代わりにプレゼントする。
この辺りの展開は徹底的に擬人化されていて面白かった。こういうのも許されるのがウルトラシリーズの奥深さ。
でも、残された研究所の人達はなんだか空しい気分に襲われた事だろう。
最後にオスとメスのキスシーンがあるかと思ったが無かった。

 

ギガンテスのオスとメスも人間のソウとリンもめでたく結ばれて一件落着。今回は男と女にまつわる言葉がたくさんあった。
「私の為に命を懸けて戦いなさい! ……なーんて」、
「おー怖。男はつらいよ、ってか」、
「男は女の子にいいところを見せたがるもんなんだ」、
ギガンテスも俺達も一人の女性に振り回されたわけか」、
「いつの時代も男は女に振り回されてしまうもんだ」、
「女を振り回すような男がいなくなっただけですよ」。
事件解決後、リョウにお似合いの逞しい殿方の見合い写真を持ってきたアスカ。それはなんとオスのギガンテスであった。アスカ、いくらなんでも、そりゃ命知らずだ……。