「侵略の脚本 ーガラオン ミジー星人登場ー」
『ウルトラマンダイナ』第30話
1998年4月4日放送(第30話)
脚本 川上英幸
監督・特技監督 北浦嗣巳
知略宇宙人ミジー星人
身長 ドルチェンコ・170cm ウドチェンコ・180cm カマチェンコ・175cm
体重 ドルチェンコ・80kg ウドチェンコ・80kg カマチェンコ・79kg
下町のアパートでダイナへの復讐の機会を伺っていた凶暴凶悪な宇宙人(?)。
ミジー・ドルチェンコはコガラオンを製作するも失敗。
ミジー・ウドチェンコはビデオ屋でアルバイトをしている。
ミジー・カマチェンコはオカマバーで働いていてイイ人も出来ているみたい。
ミジー星に帰る手段が無くなってしまった為、ウドチェンコとカマチェンコは地球に永住してしまおうかと考えるようになっていた。
脚本家の三上秀男にあまり金のかからない地球侵略の計画書を作成させるが失敗してしまい、その後は三上の口利きで『厳海超人タラバマン』に宇宙人役としてアルバイトする事になる。
三面ロボ頭獣ガラオン
身長 56m
体重 6万5千t
奥秩父の山中に隠してあった。……何故バレない?
三上の脚本通りに上空にホログラムを投影してスーパーGUTSの同士討ちを誘うがアスカによってバレてしまう。その後、ミジー星人の祈りが天に通じたのか、落雷によって電気エネルギーが満タンになり、しっちゃかめっちゃかな攻撃でダイナを後一歩まで追い詰めるが、最後はエネルギー切れを起こしたところをダイナ・フラッシュタイプのソルジェント光線を受けて爆発した。
特殊戦闘用メカニックモンスターコガラオン
身長 55.5cm
体重 96kg
ミジー・ドルチェンコが新たに製作していた謎のロボット。
スイッチを入れた途端に爆発してしまった為、その実力は不明のままとなった。
迷子珍獣ハネジロー
身長 33cm
体重 5kg
スーパーGUTSの司令室にいる。
物語
脚本家の三上秀男が書くも没になってしまった脚本「地球無条件降伏」をゴミ箱から見付けたのは地球侵略を諦めていなかったミジー星人であった!
感想
「怪獣工場」の続編。
2代目や再生や改造等ではなく同じ個体がそのまま再登場するのはこの頃はまだ珍しかった。
人間以上に人間臭いミジー星人のキャラが面白い話。
ウルトラシリーズに登場する宇宙人はどこか地球人とは違った部分があるのだがミジー星人は完全に地球の社会に溶け込んでいて、なんとウドチェンコとカマチェンコはビデオ屋やオカマバーでバイトまでしていた。このような「在日宇宙人」と言える存在はこの頃はまだ珍しかったが後のニュージェネレーションシリーズではメインテーマの一つとして取り上げられるようになっていく。
「怪獣工場」では玩具工場を利用していたミジー星人は今回は特撮ヒーロー作品の脚本を利用している。ウルトラシリーズで特撮ヒーロー作品を取り上げた事で今回はウルトラシリーズそのものをネタにしているところがある。登場人物等も実際のスタッフをネタにしているので分かると思わずニヤリとしてしまう。
ウルトラシリーズは基本的にウルトラマンや特別チーム側からストーリーが展開されるのだが今回はミジー星人側からストーリーが展開されていて、三上が電話を掛けたりミジー星人が挑戦したり三上やミジー星人が頭の中でスーパーGUTSの場面を考えたりしている場面にならないとアスカ達が登場しないと言う異色の構成になっている。
終わってみれば実は大体の展開は三上が書いた脚本と同じなのだが細かいところは全く違っていたりする。まぁ、「怪獣戯曲」の鳴海のような特殊な能力を持っているわけではないので、三上の考えたとおりに現実が展開されるわけはないんだよね。
今回のダイナの登場が滅茶苦茶カッコイイ!
現実で宇宙人や怪獣による事件が起きているのでドラマでは現実離れしたコメディを作ろうとしたら、ドラマでも中々見られない馬鹿馬鹿しい話が実は現実で起きていた事だったと言うオチが上手かった。