帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「君を想う力」

「君を想う力 ーモルヴァイア 謎の怪獣軍団登場ー
ウルトラマンダイナ』第46話
1998年7月25日放送(第46話)
脚本 右田昌万(原案 円谷一夫)
監督・特技監督 原田昌樹

 

恐怖エネルギー魔体モルヴァイア
身長 57m
体重 6万6千t
長野県松本市に落下した隕石の影響で黒い花が咲き、その周囲で過去に出現した怪獣や宇宙人が再び現れると言う怪奇現象が起きる。実は黒い花は宇宙植物で人間の恐怖心を栄養素にしていて、その恐怖心で幻影を作り出していた。やがて黒い花の素粒子が集まって人間が思い描く悪魔のような姿をした怪獣モルヴァイアが誕生する。
モルヴァイアは口から炎を吐き、身軽な動きでダイナを苦しめるが、同じ宇宙植物の白い花から抽出されたエキスを積めたガッツイーグルのMKⅡミサイルで分解された。
最後は黒い塊になって逃げようとするがダイナ・フラッシュタイプのソルジェント光線を受けて完全消滅し、その後、白い粉が辺りに降り注いで黒い花は全て消滅した。
黒い花の名前は「メージヲグ」と言うらしい。リョウによると初めは全部白い花だったが突然変異で黒い花になったとの事。

 

迷子珍獣ハネジロー
身長 33cm
体重 5kg
自分のホームページを開設した。
事件解決後、謎の未確認物体飛来の情報に反応するが……。

 

物語
黒い花の影響で怪獣軍団の巣窟となった長野県松本市
一方、リョウの幼馴染みであるヒラオは白い花の近くで謎の少女と出会う。
黒い花と白い花の秘密とは?

 

感想
リョウの幼馴染みであるヒラオ・テルヒサを演じたのは今回の脚本を担当した右田昌万さん。イメージに合っていて、ちょっと生意気な子供達との絡みも良かった。

 

今回は松本ロケと言う事で松本城が妙に目立っていた。

 

謎の怪獣軍団の正体は黒い花が見せた幻影だった。
カリヤがゼネキンダール人とイシリス、ナカジマとコウダがディゴン、リョウがビシュメルとモズイを見るのは分かるが、アスカがレイビーク星人を見るのは不思議だった。アスカならデスフェイサーが合っていそうなのだが、子供の時にレイビーク星人にさらわれたりしていたのだろうか?
地上最大の怪獣」でフォーガスに襲われたガードマンが再びフォーガスに遭遇してしまう。こういう細かい部分で他の話と繋がっているのは昭和の頃には無いものだった。
ヒラオが見たのが「ニンジン様」だったのが微笑ましい。因みに白い花が見せた少女時代のリョウがぶつかっていく相手がニンジン様ではなくモズイになっている。これはミスではなくニンジン様にぶつかるのはちょっとマヌケだからあえて変更されたらしい。
これ以外に今回登場した怪獣はギャンザー、姑獲鳥、イーヴィルティガ、デスフェイサーで、さらに台詞のみでマノン星人とナターン星人がいる。過去の映像ではなく新撮影で1話にここまで多くの怪獣が登場するのはウルトラシリーズでも中々無い。

 

花を踏んでしまうアスカを「花だって生き物なんだから大事にしてよね!」と怒るリョウ。さすが花を摘むのが似合う女。

 

少女を見たと言うヒラオに「妄想よ! も・う・そ・う! アンタ、いつまでも独りでいるから変な妄想を見たのよ! ヒラオにそんな少女趣味があっただなんて! もう~! 不潔ぅ~!!」と大激怒するリョウ。ヒラオは一体どんな説明をしたんだろう……。

 

ヒラオが見た少女の正体は白い花が見せたリョウの少女時代の姿で、一方のリョウが見た少年の正体はヒラオの少年時代の姿であった。これはお互いに初恋同士であったからだろうか。それにしても、リョウが一発で気付いたのに対し、ヒラオはあれだけ何回も見たのに全く気付かず、リョウに同窓会のホームページ作成を頼まれて昔の写真を見てようやく気付くとは……。まぁ、この鈍さもヒラオらしいと言えるが。ところで、
リョウ「みんな気色の悪いエイリアンやモンスター目撃してんのに、どうしてヒラオだけカワイイ女の子なわけ?」、
ヒラオ「いや、カワイイかどうかは……」。
この発言、かなりヤバいのでは……。

 

どうして黒い花でマリモが出ないのか疑問に思うナカジマ。
確かにナカジマにとってマリキュラは相当なトラウマになっていそうなのだが、どうして出なかったんだろう?

 

黒い花の素粒子について語るナカジマだがヒビキ隊長の「具体的に何が起こるのか?」と言う質問に答える事が出来なかった。
平成以降のウルトラシリーズは難しい説明で具体的に何が起こるのか分かり辛い時が多い。その割には具体的に何かが起こった時は難しい説明とは違って意外とありふれた展開である事が多い。今回も結局は怪獣が現れるだったし……。

 

モルヴァイアに攻撃を当てて「どんなもんだい!」と喜ぶのも束の間、反撃を受けて墜落してしまうアスカ。成長が無いなぁ。その後、マイに「また墜落したの? もう、カッコ悪いなぁ」と言われて「あれは不時着だ」と言い訳する。

 

一番星が光る中、少年時代のヒラオと少女時代のリョウ。
ヒラオ「あのさ……、新しい星を一番先に発見した人はその星に……自分の大好きな名前を付けられるんだって……」、
リョウ「ヒラオはなんて名前にするの?」、
ヒラオ「……ユミムラ」、
リョウ「え?」。
ウルトラシリーズは昔から少年少女の登場が多いが今回のような少年少女時代の甘酸っぱい雰囲気を描いた話は意外と少ない。怪獣と結び付けるのが難しいかもしれないが、子供向け作品としてメイン視聴者に近い年齢の恋愛モノは結構アリなんじゃないかなと自分は思う。

 

事件解決後、白い花が咲き誇る星について盛り上がるアスカとマイとそんな二人に呆れるリョウ。その時、未確認物体飛来の報が! 反応するハネジロー! なんと次回に続く!!