帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「ホンモノ」

「ホンモノ」
ウルトラQ倶楽部』第3話
2003年10月19日放送(第3話)
脚本 山田正弘
演出 飯島敏宏

 

アクマ
一平の店に来た謎の男が勘定の代わりに預けた黒い卵から孵った。
身長は18.5cmで外見は典型的な悪魔をしている。その顔を見た人間は虐めたくなる衝動に駆られ、虐めた後には清々しい気分を味わえるが、良心を持っている人間は良心と加虐心の狭間で人格を傷付けられていく。人語を発し、自分を虐めた人間への復讐を仄めかすが……。

 

物語
一平はひょんな事から飼う事になった「アクマ」に心を悩まされていた。
典型的な悪魔の姿をしているその「アクマ」は見れば虐めてしまう衝動に駆られるのであった。

 

感想
万城目が「アクマ」と言う名前から一平が渋谷のセンター街で中学一年生頃の女の子を拾ったんだろうと推測したり、一平が「アクマ」を虐める内容を細かに説明したりと聞いていてあまり気分が良くならない話。それが今回登場する「アクマ」の恐怖を引き立たてているわけだが……。

 

一平が飼う事になった存在が本物の悪魔かどうかに関わらず、あのお人好しの一平を毎日毎日小動物を虐めるように変えてしまうそれはまさにホンモノの悪魔と言える解釈が面白い。
それだけに途中で「アクマ」自身に喋らせる事で万城目達の解釈に関係無くホンモノであると断定させてしまったのがちょっと残念。こういうのはもっと曖昧にして色々と考えられる余地を残した方が面白いと思う。ラジオなので全て一平の語りだけで済ませてしまうのもアリだったかもしれない。