帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「悪霊の正体」

「悪霊の正体」
ウルトラQ倶楽部』第4話
2003年11月2日放送(第4話)
脚本 藤川桂介
演出 飯島敏宏

 

物語
京都を旅行する万城目達が平安時代歌人で夜な夜な地獄に出入りしていたと言う不思議な伝説を持つ小野篁について調べていると目の前にすすり泣く女性が現れた。
彼女は自分が小野篁だと名乗るが……。

 

感想
この世に禍が起きぬよう報われずに死んでいった者達の魂を鎮めている99歳の住職が小野篁の怨念が強まっている事を感じ、夜な夜な地獄に出入りしていると言う小野篁の伝説から幻想怪奇の世界に移り変わっていく流れが良いものの、小野篁が実は女性だったと言う衝撃の事実から、女の性を抹殺して男性としての運命を背負わせようとする呪術の存在、悪霊の力を借りて女性としての本来の運命を手に入れようとするも叶わなかった小野篁の悲劇、さらにそこから現在の女性天皇の是非についてまで話が進んでいくのはさすがにちょっと強引だった。
ウルトラシリーズでは現実の問題を具体的に取り上げる事が少ない事もあって今回の皇位継承問題は話から浮いていると言うか唐突な印象を受けた。

 

作中では小野篁の出生に安倍晴明が関わっていたとされているが、安倍晴明は921年生まれで小野篁802年生まれと時代が違うばかりか小野篁の方が先に生まれていたりする。

 

ラジオ放送なのでロケに行ったとかはないだろうが、この話から『Q倶楽部』は京都を舞台にした話が多くなる。