帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「諸人こぞりて(続・2025年からの使者)」

「諸人こぞりて(続・2025年からの使者)
ウルトラQ倶楽部』第11話
2003年12月21日放送(第11話)
脚本 千束北男
演出 飯島敏宏

 

誘拐怪人ケムール人
2020年製のタイムマシンで2003年にやって来て消去液で人間狩りを行う。
繰り返しの戦争の中で見失った「希望」「生きていく喜び」「夢」を手に入れる事が目的だったが、2003年の人間も多くがそれらを見失っている事を知って絶望に暮れる。しかし、2025年の由利子から万城目に渡された「たなごころ」から「希望」を受け取り、捕らえていた2003年の人間達を解放した。

 

物語
再びタイムトラベル現象と遭遇する事になった万城目達。
2003年にやって来たケムール人に対処すべく、万城目達は2025年の由利子とハルマ青年にメッセージを送る。

 

感想
2025年からの使者(前編)」「2025年からの使者(後編)」の続編で『Q』から続いたケムール人編の完結編と言える話。
『Q』や『初代マン』ではケムール人やバルタン星人は人間にとって脅威だったが21世紀に入って作られた作品では救済される存在となっている。この辺りの変遷は中々に興味深い事になっている。

 

万城目と万世橋博士が協力して行った2025年へのメッセージ伝達。
日本の野辺山天文台、ハワイのマウナケア天文台、アラスカのキットピーク天文台から同時に超強力電磁波を送って宇宙空間に電磁焦点を結ばせて宇宙に星を描くと言う『Q倶楽部』では非常に大掛かりな展開。
やや過程を端折っているものの今回は『Q倶楽部』の中で最も『Q』が持っていたスピード感を再現した話となった。

 

2020年のケムール人が使っているタイムマシンはワームホール航法を使用していたが、2025年のハルマ青年が使っているタイムマシンはより速くて正確な時間そのものを制御する時制コントロールシステムを基盤としていた。
2003年からの技術進歩が目覚ましいが、やはりこれは戦争の恩恵なのだろうか?

 

2025年の由利子が2003年にやって来るが「シュワッチ」と箒に乗った魔女みたいに空を飛んだり、特殊な液体でケムール人を罠にかけようとしていたり、最終的に「たなごころ」で事態を解決したりと、なんか凄いキャラになっていた。
魔女のように箒に乗る場面は後の『マックス』に登場したタイニーバルタンを思い出す。

 

『初代マン』以降のウルトラシリーズと違ってウルトラマンも特別チームもおらず、さらに一の谷博士もいないので、『Q倶楽部』は事件解決に苦慮している印象がある。
万城目、由利子、一平の3人が揃わなければ『Q』の雰囲気が帰ってこないと言われているが、実は3人だけでなく一の谷博士もいなければ『Q』を成り立たせるのは難しかった事が分かった。
「たなごころ」をここまで引っ張るとは思わなかったが、ウルトラマンも特別チームも一の谷博士もいない中で15分で事件を起こして解決させるにはこういう設定が必要だったのだろう。